misuzuのP日記

日常の好きのもの、好きなこと、好きな人、ありとあらゆる方向から(?)綴ってしまう日記

僕はまだ出会っていない

2015-06-02 06:33:08 | 小説もどき
27歳の僕、ショータは、お見合いすることを決めた。
関西の大学院を出て、運良くそこそこの一流企業に就職出来、すぐに東京の本社勤務となった僕。
東京というところは、結局地方出身者の集まりで、僕の会社もそうだった。
小さなアパートに住み、週末は一人だらだらと過ごすか、会社の仲間と趣味のバイクやカメラ、サーフィンやスノボをして過ごす。
幸い、暗い性格ではない僕は、独身・彼女なしでも週末をそれなりには楽しめたが、一人また一人と結婚していくと、遊び仲間が減っていき、切ない気持ちになったのだ。
合コンには行くがなかなか結婚したいと思える相手は見つからない。
そんなとき、上司の奥さまで、おせっかいな方がいらして、その方の紹介で人生で初のお見合いをすることになった。
まずは、僕自身について、少しだけお話ししよう。
僕の出身は大阪府高槻市。京都寄りの高槻市は、いわゆる「浪速根性」なるものとは少々違う。ガツガツしていないがはんなりもしていない。
銀行員の父親と、専業主婦の母親の間に生まれ、兄弟は3つ下の妹が一人。
何不自由なく育った、と思う。容姿は「キムタク」に似ているとよく言われていて、身長は175cmの中肉中背。中高一貫の男子校の進学校に進んだ為、せっかくの「キムタク似」も、もてた記憶は小学6年生までしかない。
中学まではサッカー部に所属し、高校は帰宅部だった。
大学は某有名私立大の工学部。進学先のほとんどが国公立という、うちの進学校において、僕みたいな私立大進学者は珍しいかも知れない。
そして大学生活。思った以上にもてなかった。
工学部の男性女性比率は90%男子の10%女子。
それならもてるだろうとお思いだろうが、一部の身なりなど全くかまっていないインテリ女子にもてるだけ。
合コンに行きさえすれば、それなりにはもてたが、彼女たちは工学部の人間よりも、医学部や法学部の、または工学部でも親が自営や医者の人間を探していた。
そう、大学ともなれば、顔だけがそこそこの人間などもてないのだ。女子たちは将来を考えて男性と付き合うので、男子の背景まで見ようとするのだ。
そんな訳で、それなりに彼女がいた時期もあったが、東京に出てきた頃には彼女はおらず、寂しい生活を送っていた。