安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅~

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0740安くて美味しいSpecialワイン特集~ワインワールドの旅~ファーストクラス2

2017-03-08 00:30:20 | 日記
0740安くて美味しいSpecialワイン特集~ワインワールドの旅~ファーストクラス2




はじめに~「コス・デストゥルネル」ってどういう意味か、知ってる?




夕暮れ。
某、フレンチレストランにて。


「すいませーん」
ソムリエ「はい、ただいま」
「あのー、このシャトー・コス…なんとかというワインをコース料理とセットにしたら、トータルでいくらになります?」
ソムリエ「はい。コースですと、えー、ウルになります」
「はい?」
ソムリエ「コースですと、ウルになりますね」
「ウル?」
ソムリエ「ウルでございます」
「ウルって何ですか?」





ソムリエ「ウルはラピュタ語で王。トエルは真。君はラピュタの正当な王位継承者、リュシータ王女だ」




「いや(笑)ラピュタはいいですから、コースでおいくらになります?」
ソムリエ「ウルでございます」
「コースですと、ウルになりますか?」
ソムリエ「コースですと、ウルになりますね」
「あのー、あなたは一体、誰ですか?」



ソムリエ「私はムスカ大佐だ。ロボットにより、私の脳回線が破壊された」



「コースですと、ウルになる」という意味のワイン。
それがこの、「シャトー・コースデスト・ゥル・ナル」である。



次の日の朝10時。
そごう1階にて。

「こないだ、コースだとウルになるという、謎のワインがあったんですよ」
資生堂の人「あらあー、そのワイン、実はコスメ(化粧品)にもなりますのよー」
「ええ!?コ、コスメ?」
資生堂の人「はーい。コスメですのよー。お顔にピチャッと塗るとー、お肌がー、トゥルーントゥルーンになりますのよー」
「トゥルントゥルンに?」
資生堂の人「はーい。トゥルーントゥルーンですのよー」




お肌がトゥルントゥルンになるという、コスメなワイン。
それがこの、「シャトー・コス(メ)デス・トゥルン・ナル」である。




その頃、そごう地下の化粧室にて。
OL「ちょっとー聞いたぁ?」
OL「なあにー?」
OL「シャト子ったらさあー、まーた彼氏換えたんだって」
OL「ええー!またあ?もう10人目じゃない?」
OL「しかもさー、シャト子ったら、付き合うと、初日に寝ちゃうんだって」
OL「ええーっ!」
OL「シャト子、男グセ悪いよねー」
OL「だよねー、酒グセも悪いし」
OL「そうそう、あれなんだっけ?シャト子がいつもラッパ飲みしてるあのワイン」




「シャトコ・オスデスト・スグネル」。



次の日。
朝7時。
そごう近隣のお宅にて。


父「おーい。もう起きろ。遅刻するぞ」
娘「(んん~)」
父「早く起きないと、お前のお気に入りのストール(マフラー)、ポテトサラダに練りこんじゃうぞー」
娘「(ちょっとやめてよ!何でそんなことすんの!?)」
父「お前が早く起きないからだよー」
娘「(わかったよ。起きるよ)」
父「早く起きないと、ストール、練りこんじゃうぞー」
娘「(わかったよ。起きるってば)」
父「ストール、練るぞー、うひひひひ」



「早く起きないと、ストールが練られてしまう」という意味のワイン。
それがこの、「シャトー・オコスデ・ストール・ネル」である。




そのお宅でその時やっていたTV番組。
「ドキュメンタリー~ネルさん涙の奮闘記」



「らっしゃい!らっしゃい!らっしゃい!らっしゃい!」
「安いよ!安いよ!安いよ!安いよっーー!」



店内に、威勢のいい掛け声が、響く。



声の主は、ピケ・ソン・ネルさん、34歳。



ネルさんが日本に移住したのは、8年前。



幼いころ、家族旅行で日本に来たおり食べた、お刺身の味が、忘れられなかった。


それで、大きくなったネルさんは、「日本で刺身専門店を開きたい」、という夢を持ったという。


そして、夢の実現のために、家族ごと日本に移住した。


しかし。
ネルさんの前には、大きな壁が、立ちはだかったのだ。




都内の、最高級刺身専門店「みちのく」。
みちのくの店主は、その時の事を、こう言う。


「いやー、「働かせてくれ」って言われた時にはね、ビックリしたんですよ。うちは都内で5本の指に入る、最高級の刺身専門店でしてね。包丁も握ったこともねぇ、まして日本語もろくにしゃべれねぇ、そんなヤツを雇えるかって。うちはね、入門者には1か月の修行をして貰うことになってんすよ。で、その修業ってのは日本人でも100人に1人が合格できるかどうかって厳しいものでしてね。悪いことはいわねぇ、あんたには辛すぎる、やめときな、って言ったんですよそん時はね」


だが、ネルさんは、粘った。


言葉が通じなくても、信念は通じる。


「信念こそが、世界共通の言葉だ」、と。


ネルさんは、破天荒な入門願いに出た。


最高級刺身専門店「みちのく」の前に、朝9時から夕方6時まで、座り込んで土下座を始めたのだ。


「ここで、働かせて下さい」という、たった一つの望みを携えて。


雨の日も。
雪の日も。
客にバカにされても。
ネルさんは、1日も欠かさず、朝9時から夕方6時まで土下座した。


そして、90日が経った。


ついに、転機が訪れた。



餓死寸前のネルさんの土下座姿を見た時。
みちのくの店主の、心が、折れたのだ。



その時の様子を、みちのくの店主はこう語る。
「もうホントに、バカ野郎!って思いましたね。今から最高級の刺身をさばくのに、こんなに筋肉減らしてどうすんだって。こいつの信念はホンモノだと思いやした瞬間、あっしもね、衝動的に動きやした。救急車呼んでね、病院にコイツを連れてって、点滴打ちながら、涙涙で契約したんでさぁ。お前みたいなバカ野郎はウチでしか雇えねぇっ!てね」


信念こそが、奇跡を生み出す。


ネルさんはついに、最高級刺身専門店「みちのく」への入門を果したのだ。



その時の気持ちを、ネルさんはこう語っている。



「ワタシ、子供28人いるヨ。シゴトしなーいと、この先、子供つくれなーいヨ」



ネルさんは、信念よりも、性欲の方が、強かった。


ネルさんは、みちのくへ入門した3日目に、転職した。


家のすぐ近くにできた外資系ショッピングモール「コストコ」へ。


コストコの、ストッキング専門売り場。


ここが、ネルさんの、今の職場である。


なぜ、みちのく入門から、あっさりコストコへ転職したのか?
ネルさんはこう語る。


「ストッキングってねー。いーのヨ。被るには。ワタシの祖国、ナンジャソリャ共和国では、ストッキング、被ってる人、誰もいなーいのヨ。だからねー、ストッキング被るとねー、ご満悦なーのヨ!」



こうして、ネルさんはついに、天職に辿り着いた。
「コストコのストッキング売り場」である。


そして、今日も「コストコ アホクサ店」のストッキング売り場には。
ネルさんの威勢のいい掛け声が、響く。


はーい!
らっしゃい!らっしゃい!らっしゃい!らっしゃい!
安いよ!安いよ!安いよ!安いよっ!
持ってけ!持ってけ!持ってけ!持ってけ!
ドロボー!ドロボー!ドロボー!ドロボー!
ピーポー!ピーポー!ピーポー!ピーポー!
御用だ!御用だ!御用だ!御用だ!
出合えぃ!出合えぃ!出合えぃ!出合えぃ!
ポルンガ!ポルンガ!ポルンガ!ポルンガ!
デュルルル!デュルルル!デュルルル!デュルルル!
ヘンタイ!ヘンタイ!ヘンタイ!ヘンタイ!
パンスト!パンスト!パンスト!パンスト!


日本に来て、大好きになったという、時代劇。
そして、体に浸み込んでいる、祖国の民族舞踊。
それらが織り交ぜになって。
今日もネルさんは、声をあげるのであった。


「ドキュメンタリー~ネルさん涙の奮闘記」(完)





「コストコで、ストッキングを売る、ネルさん」という意味のワイン。
それがこの、「シャトー・コスデ・スト・ゥル・ネル」である。















さーて。
「コス・デストゥルネル」ってどういう意味か、調べに行こうか。
(実は知らなかった)




ビール。
日本酒。
焼酎。
それらばかり飲んでいると。
たまに、「超美味しい赤ワインを飲みたい」と思う時が、ありませんか?
ありますよね。


では、私と一緒に。
「超」美味しい赤ワインを飲みに行きましょう。
ちなみに、「超」というのは具体的に。
「万単位」ということですよ。
御覚悟召され(笑)



0740安くて美味しいSpecialワイン特集~ワインワールドの旅~ファーストクラス2



目次




はじめに~「コス・デストゥルネル」ってどういう意味か、知ってる?
1.ニコラ・フィアット キュヴェ・パルメ・ドール1990
2.シャトー・オーゾンヌ2004
3.シャトー・マルゴー1991
4.シャトー・ラトゥール1991
5.シャトー・カントメルル1995
6.シャトー・ムートン・ロートシルト1990
7.シャトー・ラトゥール1990
8.シャトー・コス・デス・トゥルネル2002
おわりに~シャトー・ディケム1990





1.ニコラ・フィアット キュヴェ・パルメ・ドール1990
Nicolas Feuillatte CUVEE Palmes D'Or



・生産者:ニコラ・フィアット社
・生産国:フランス シャンパーニュ地方
・輸入者:
・格付け:AOCシャンパーニュ
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:13000円~


輝きのある、やや深みのある黄金色。
25年ものだけあって、泡立ちは柔らかめになっている。

香り。
中程度。
熟成していて丸くなっている。
グレープフルーツ。
ほのかにナッツ、バター。

味わい。
ソフトなアタック。
柔らかいコク。
酸味、甘みは突出していない。

余韻は長い。
20秒。
余韻に、おお、おおお~。
ベリーダンサーがまとう、純白のシルクヴェールのような。
清楚で、上品で、半透明。
なれど、魅惑的で、躍動感があり、繊細な感じもある。
そんな印象が残る。

これは、このバランスは、絶品。


ニコラ・フィアット社の知識と経験が総結集された、スペシャル品。
品種はピノ・ノワール50%シャルドネ50%。
並外れたできの良い年にしか生産されない。
そして味を決定するのは、シャンパン造り40年の経験を持つセラー・マスター「ジャン・ピエール・ヴァンサン氏」のみ。

非常に独特な形状のボトルだが、何と一本一本全て手作りなのだとか。
このボトル表面のぼこぼこは、シャンパンの泡を表しているそうだ。
そしてこの形状は、創始者ニコラ・フィアット氏が愛用していたカラフ(デキャンタ)を形どったもの。

そんなスペシャル品なのだが。
このワインは、「グラン・クリュ」も「プルミエ・クリュ」も名乗れない。
それは、モングーという格付けのない畑のシャルドネが混ぜられているからだ。
なぜ、そんなブドウをわざわざ混ぜて、格を落とすのか?
それは、セラー・マスターの「哲学」が、そこにあるからだ。

「シャンパンは、祝いの酒だ。
祝いを盛り上げるための酒だ。
だが、だからこそ、シャンパンは、主役であってはならない。
シャンパンは、脇役に徹しなければならないのだ。
シャンパンは、主役を盛り上げるための、名脇役でなければならないのだ。」


その哲学が、そこに流れているからだ。
その結果、隠し味的にモングーの畑のシャルドネが使われるのだ。
セラー・マスターが言う。
「絶対に、モングーじゃなきゃだめだ」と。
その、こだわり。
その、哲学。
ブランドよりも、哲学を打ち出した、だからこその「スペシャル品」なのだ。
売上高や名声よりも、哲学を求めた、それがゆえの「スペシャル品」である。




サイト「楽天市場」さん「ニコラ・フィアット キュヴェ・パルム・ドール」ページ↓
http://item.rakuten.co.jp/katsuda/c/0000000554/



2.シャトー・オーゾンヌ2004
CHATEAU AUSONE



・生産者:シャトー・オーゾンヌ
・生産国:フランス ボルドー地方 サン・テミリオン地区 
・輸入者:
・格付け:AOCサン・テミリオン プルミエ・グランクリュ・クラッセA
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:4万円~



社労士T先生が笑顔でこう言った。
「株で、オーゾンヌ」
で、オーゾンヌを唐突に鼻から噴き出した私はこう思った。
「(オーゾンヌが、オーゾンヌ)」



ブラウンを帯びた暗黒赤色。

香り。
土。
キノコ。
森林木。
甘みもある。

味わい。
滑らかなアタック。
柔らかい甘みが広がる。
タンニンは突出しない。
が、メルロにしては多いほう。
カベルネ・フランの、あの「無光沢のボディ」がある。
非常に凝縮感がある。
余韻は20秒。
余韻になってから、強めのコクを感じる。


まだまだ本領発揮ではない感じがある。
「ものすごく長寿なワインだな」、と分かる。


だが、さすがはメルロ。
今飲んでも美味いことには美味い。
飲み飽きない、丸い印象。
メドックの1級に比べて、解かり易い。



メルロが好きな人は、サンテミリオンを攻めるべし。


サイト「ベルーナ グルメショッピング」さん「シャトー・オーゾンヌ2004」ページ↓
http://belluna-gourmet.com/wine/01/012201/d/NE191/00800/goods_detail/



3.シャトー・マルゴー1991
Chateau Margaux


・生産者:シャトー・マルゴー(メンツェロプロス家)
・生産国:フランス ボルドー地方 メドック地区 マルゴー村
・輸入者:
・格付け:AOCマルゴー グラン・クリュ・クラッセ 1級
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:5万~6万円
パーカーポイント:80-89(Above Average)


オリは意外に少なかった。
デキャンタに移されずボトルに残った液は、ボトル底面から上3mmほどだった。

輝きのある、深いルビー色。

芳醇で華やかな香り。
カシス。
バナナ。
スミレ。
花。
ブランデー。
甘味も感じる。
フルーツのニュアンスよりも、何だか「花の香り」のニュアンスが強い。

非常に滑らかなアタック。
口に含んだ瞬間、味わいが全放射。
渋みは少ない。
酸味があるが、甘味、果実味と絶妙にバランスしている。
おお、まさに、円、丸、球体。

とってもまろやかで、クセが無い。
クセが無いので、スルスル飲める。
しかし、芳醇この上ない香り、しっかりした味わい、そして非常に長い余韻。
アタックからアフターまで、「プロセス全体がエレガント」

余韻は驚くほど長い。
20秒以上。

ああ、うっとりしてくる。
ビールやシャンパーニュとはまた別の、ゆっくりとした高揚感。
時間が止まった?
いやそうではない、時間を超えたのだ。
時間を超える、つまり、時間軸から離脱したのだ。
時間軸から離脱した時、本当に「全ての不安から解放される」。


マルゴーはよく「女性的」と言われる。
たしかに、香り、バランス、余韻、丸み、まろやか。
そしてゆっくりと高揚し、高揚状態に安定感があるところなど、まさに女性そのものだ。
しかし、私はこう思った。
「マルゴーの真髄は、“時間軸から離脱させてくれるところにある”」と。


すなわち、全ての不安から解放してくれるところにあるのだ。
まさに、聖母。
全てを癒してくれるマザーシップ。
最愛の妻に抱きしめられ、頭を撫でられている時の感覚。


シャトー・マルゴー1991。
このワインを一言でいうならば、「円満」。
そして、マルゴーは教えてくれる。
「丸く収める?ノンノン、初めから感謝と尊敬を持って接すれば、自然に“終始丸く収まる”のですよ」と。


ああそうか。
夫婦円満の鍵は、夫婦生活を始める前にすでにあったのだ。
すなわち、「相手に、感謝と尊敬を持って、スタートすること」だったのだ。
感謝と敬意という香りが、素敵な味わいを創り出し。
そして感謝と敬意に満ちた余韻を創り出すということだ。


実に、お見事。
こんなワインに出会えて、本当に幸せだ。
そして、ワインの世界に足を踏み入れて、本当に良かったと思う。
というのも、ワインほど「精紳に作用する」お酒も他にないからだ。


このワインは、女性的。
優しさにあふれている。
だが、優しささえも包み込む、大きな世界を持っている。
優しさも、強さも、超越した、その世界の名は、「愛」。
愛情の世界だ。


愛を感じるワイン。
それは、「畑を信じ抜き、育てた葡萄を信じ抜き、ワインを探求し続けた者」、つまり「真の造り手」によって描かれる絵画、である。
ここに、勝ち負けなどは、ない。
ライバルワイン、などもない。
ちょうど、父と母に勝ち負けがないように。
父と母がライバル関係になることは本来ないように。


サイト「デリバリー・ワイン」さん「シャトーマルゴーの評価」ページ↓
http://www.delivery-wine.net/p/chateaumargaux/parkerpoint.html



4.シャトー・ラトゥール1991
CHATEAU LATOUR


・生産者:シャトー・ラトゥール(フランソワ・ピノー)
・生産国:フランス ボルドー地方 メドック地区 ポイヤック村
・輸入者:
・格付け:AOCポイヤック グラン・クリュ・クラッセ 1級
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:3.5万~6万円
パーカーポイント:80-89(Above Average)


マルゴー91とは対照的に、オリが多い。
デキャンタに移されずボトルに残った液は、ボトル底面から上3cm以上だった。


向こうが透けて見えない、濃いルビー色。
暗黒赤色と言うにふさわしい。

しっとしとした、穏やかな香り。
はっきりした特徴を示さない。
香りだけなら、マルゴーやオーブリオンの方が強い。
しかし、味わいから逆転が始まる。

味わい。
しっとりとした、滑らかなアタック。
直後、黒ビールを思わせるコク。
おお、おおお~。
これは、「滝」である。
ただし、流れ落ちる全ての粒子に全部色がついている。


濃い、重い、と言えば、正直、スペインやチリの方が濃いかもしれない。
このラトゥールは、実はそこまでの濃さや重さはない。
しかし。
この凝縮感。
構成粒子一つ一つがはっきり主張しつつも、全体的にまとまっていて、一つの流れを形成している。
なるほどこれがまさに、「オーケストラ」と表現される理由なのだ。


このワイン。
実は、飲んだ後が、凄い。
飲んで5分後、全身に鳥肌が立った。
余韻が全身に押し寄せたのだ。
余韻が何秒、という次元ではなく、「余韻が全身に伝わる」のである。
波が、波動が、伝わる。
そういう意味で、このワインはとてつもなく「強い」。


オーブリオン91と比べると。
まだまだ熟成途上といった感じだ。
しかし、味が強く、浮き沈みが少ないので、今飲んでも美味い。
「いつ飲んでも美味い」、これが、シャトー・ラトゥールの強みなのである。



ラトゥールはとにかく「濃い」「強い」「男性的」と言われる。
が、それは味わいに対してではなく、「密度」に対して言われるものだと思った。
要するに、「引き出しをたくさん持っている、老練の男性」を表わしていたのだ。
「若い時に最高の賞をとって後が続かない男性」ではなく。
「若い時からセンスと運に人一倍恵まれながらも、それにかまけず人三倍努力をして、たくさんの経験と引き出しを身に付け、それを晩年になって作品にじわじわと込めて送り出す」という男性像だ。
例えて言えば、三枝成彰(さえぐさ しげあき)氏。


先日、三枝氏の著書「無敵の一日一食」を読んで、感動した。
同氏は、70歳を過ぎてなお、バリッバリの現役。
夢を追いかけて、命を懸けて活動されている。
しかし、命懸けといっても、そこに疲労感や悲壮感がないところが、良い。
同氏の名言は、こうだ。
「狂気を宿さねば、何事も成し遂げられない」
「老人よ、狂え!」
「孫を抱くより、女を抱け!」
いいね。
老人でなくても熱くなってくる。
まさに愛のかたまり。


このワインは、男性的。
肉厚で、強さにあふれている。
だが、強ささえも包み込む、大きな世界を持っている。
強さも、優しさも、超越した、その世界の名は、「愛」。
愛の世界だ。
愛は歳を取らない。



シャトー・ラトゥールサイト(日本語)↓
http://www.chateau-latour.com/index_jp.php#/vignoble



5.シャトー・カントメルル1995
Chateau Cantemerle


・生産者:シャトー・カントメルル(所有者;総合保険会社SMABTP)
・生産国:フランス ボルドー地方 オー・メドック地区 マコー村
・輸入者:三井物産株式会社
・格付け:AOCオー・メドック グラン・クリュ・クラッセ5級
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:7000円~15000円


カントメルルは「さえずるクロツグミ」の意味。
グラン・クリュ・クラッセ5級の中ではトップと言われている。
オー・メドック地区のシャトーとしては最高の評価を受けており。
「メドック3級に匹敵する」とまで言われている。


室温(17~21℃)のボトル。
デキャンタージュはなし。
抜栓後、約30分経過したものをグラスに注ぐ。

エッジに明るいガーネット色を持つ、やや鈍いが深みのある赤黒色。
熟成を重ねたワインに見られる色だ。

香り。
非常に豊か。
一発で「ボルドー・メドックのワイン」と分かる香り。
カシス、完熟バナナ、ブラックチェリー…、いや、「これといった果実を連想しない」。
融合していて、溶け込んでいて、一つになっている。
それでいて、放たれる香りは強い。


この香りを表現しようとすると、何だろう?
紅葉樹の林。
落ち葉。
いや、落ち葉が敷き詰められた、晩秋の林。
いや、もっと強い。
ああ、そうか!
晩秋、落ち葉を集めて燃やした「焚き火」だ。
マット(無光沢)の赤茶色の乾燥したものが燃え盛っている、そんな感じの香りだ。


味わい。
滑らかなアタック。
舌の上に、タンニンの滝が流れ落ちる。
しっかりしたタンニン。
「えっ!これで'95?」
と驚くほどに、しっかりしたボディ。
強い酒質だ。
ただ、まとまりもあり、丸みも感じる。
渋味・酸味とも強め。
余韻は20秒以上。


しかーし。
グラスに注いで20分も経過すると、ほーら!
甘味が出てきて、渋味・酸味は穏やかになる。
この辺りが「一番美味い!」


てことは、強い味の料理(焼き物+濃いソース)に合わせるなら?
抜栓30分後やデキャンタージュして直ぐでもいいということ。
逆に、甘味がある穏やかな料理(煮物や玉子を使った料理)に合わせるなら?
抜栓30分+グラスに注いで20分以上、つまり「空気に触れさせる時間は1時間ぐらい」の方が適しているということだ。
時間が経つと、味わいが変化するのだ。
それが、ワインの難しい所であり、逆に非常に面白い所なのだ。


カントメルルは「強い酒質」と言われている。
実際、1995年ものでこれだけの強い酒質を感じられた。
ただ、シャトー・ラトゥールのように「グラスに注いで3時間以上も酸弱(空気に触れて次第に弱まっていくこと)が起こらない化け物ワイン」とまではいかないようで。
グラスに注がれた液は、1時間を過ぎると、味や香りがゆっくりと落ち着いていく。


よって注いだ分は、1時間以内に飲み切ることが望ましい。
しかし、素晴らしい飲み応えだった。
引き込まれる魅力を持っている。
「超ボルドー」を味わえて感動することが、できる。



サイト「オールド・ヴィンテージ.com」さん「シャトー・カントメルル」ページ↓
http://www.old-vintage.com/chateau/15/1501_history.html


サイト楽天「シャトー・カントメルル1995」↓
http://item.rakuten.co.jp/donguriano/swr01010913/



6.シャトー・ムートン・ロートシルト1990
Chateau Mouton-Rothschild




・生産者:シャトー・ムートン・ロートシルト
・生産国:フランス ボルドー地方 メドック地区 ポイヤック村
・輸入者:
・格付け:AOCポイヤック グラン・クリュ・クラッセ 1級
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:5~10万円


「羊に乗った、超絶美形の爆裂王女さま」再降臨。


輝きのある、ルビーがかった濃い色合い。
25年ものにして、まだまだ熟成した感じの色ではない。
「王女さま、大学卒業前で大忙し」といった感じだ。


香り。
ふくよか。
ふわりと香る、黒果実。
杉の木。
カシス。
赤ピーマン。
パプリカ。

味わい。
滑らかなアタック。
豊かなタンニン。
まるでビターチョコレート。
丸みのある、芳醇な甘み。
まるでモカコーヒー。

余韻は長め、15~20秒。



もう、ジレンマは感じない。
しみじみと、美味い。
あまり言葉が出てこない。
どんなに言葉で表現しても、断片的にしかならないのだ。
そう、実際に、「飲む」しかない。


実際に体験することでしか、本当に理解はできないものだ。
「5万円のワインを飲んだ」とか。
「親が死んだ」とか。
「子供が生まれた」とか。
「一泊15万円のスイートルームに泊まる」とか。
「あらゆる人に批判される」とか。


1990のラベルの絵は「フランシスコ・ベーコン氏」の作品。
イギリス生まれの同氏は、どの系統にも属さず、独自のスタイルを貫いた「独創の人」。
「我が道を行き」「決して腐らない」を実現した人物である。
独創。独走。
ムートンも言わば、独創、独走の存在である。



エノテカさん「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」ページ↓
https://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=105




7.シャトー・ラトゥール1990
CHATEAU LATOUR



・生産者:シャトー・ラトゥール(フランソワ・ピノー)
・生産国:フランス ボルドー地方 メドック地区 ポイヤック村
・輸入者:
・格付け:AOCポイヤック グラン・クリュ・クラッセ 1級
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:10~20万円


最高のワインをもてなすために、グラスは「バカラ」。


輝きのあるルビー色。
ほのかにガーネットが入る。

香り。
豊か。
甘みがある。
カシスや黒果実。
樽。
杉の木。
バナナ。

味わい。
滑らかなアタック。
甘み、コク、タンニンは強い。
だがバランスしていて突出しない。
ぎゅーっと凝縮した感じ。
まだまだ出てきそう。
が、今飲んでも十分美味い。


余韻が非常に長い。
20秒以上。
まるで「天の河」。
宇宙がある。


ここは、宇宙だ。
無限。
無限の広がり。
これを前にすると、途端に寂しくなる。
孤独を感じるのだ。
宇宙ほど、孤独を感じさせるものはない。


孤独に耐えきれなくて、振り向く。
振り向くと、ああ、最愛の人が居る。
私のパートナーが、居る。
抱き合う。
抱き合うことで、自分の存在を感じられるのだ。
そう。
私は、孤独ではない、と。


私は孤独ではないと感じさせてくれるのは、君のおかげなのだ、と。
君がいないと、私は生き続けることができない、と。
君の存在ほど、私にとって大事なものはない、と。
君の存在こそが、私の存在を確認させてくれる。
君が存在しなければ、私もまた、存在しない。



シャトー・ラトゥール。
このワインは、飲んだ人を、「哲学者」にしてくれる。
そういった意味で、「付加価値は計り知れない」。
正直、ヴィンテージとか値段とか、どうでもいい。
飲んだ者にしか見えない境地がある。




サイト「年号ワイン.com」さん「シャトー・ラトゥール1990」ページ↓
http://www.nengou-wine.com/list/detail.htm?wid=3151




8.シャトー・コス・デストゥルネル2002
CH. COS D`ESTOURNEL


・生産者:シャトー・コス・デストゥルネル
・生産国:フランス ボルドー地方 メドック地区 サン・テステフ村
・輸入者:
・格付け:AOCポイヤック グラン・クリュ・クラッセ 2級
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:2万円

ここだけの話。
ひそかに、「1級より美味い」と言われているらしい。
これがその「コス」。
スーパーセカンドの筆頭株。

このワインは、開けても開かない。
デキャンタしても開かない。
開栓して1日経って、ようやく開き始める。
開けて3日目にして、ようやく全開な感じ。



開けて3日目のコメントを記す。
エッジにややガーネット色を持つ、極めて濃い赤黒色。
香り。
スパイシー。
若干甘みがある。
カシスや黒果実。
樽。
杉の木。
バナナ。
黒コショウ。
カカオ。
くるみ。
チョコレート。
とにかく「チョコレート」の感じが強い。

味わい。
滑らかなアタック。
甘み、コク、タンニンは強い。
だがバランスしていて突出しない。
美味い。
カベルネソーヴィニョンの強さとメルロの柔らかさの、合体。
これってまさに。
「信頼と尊敬が通っている、いつまでも仲睦まじい夫婦」のイメージ。


メチャクチャ美味い。
モロ、ボルドー。
今回の「ワイン特集」の中で、一番美味い(それヤバくない?)。

ただし。
何事も一長一短があるもの。
このコス2002は開けて3日目ぐらいが一番美味しい。
しかし、開けて6日目になると、急速に味が落ちる。
7日目になると、劣化が始まる。


エノテカさんサイト「シャトー・コス・デストゥルネル」ページ↓
https://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=80




おわりに~シャトー・ディケム1990
Chateau d'Yquem



・生産者:シャトー・ディケム
・生産国:フランス ボルドー地方 ソーテルヌ地区
・輸入者:
・格付け:AOCソーテルヌ プルミエ・グランクリュクラッセ・スーペリュール
・Alc度数:
・容量:750ml
・価格:5万円~


「世界で一番美味いお酒が10品あるのですが、その一つを飲んでみませんか?」
そう、問われたら。
あなたは、どうする?
試しに、「その10品の中に、シャトー・ディケムはあるんですか?」
と訊いてみる?
よね。ワイン好きならば。


「世界三大貴腐ワイン」の一つ。
造りに一切の妥協はなく、飲み頃に達するまでに20年はかかるという。
ラベルに透かしが入っている点なども、興味深い。


黄金を超えて、琥珀色。
ぬめりとした液感。


香り。
まだ開いていない感じもあるが。
しっかり甘い。
果実のシロップ漬け。
アプリコット。
蜂蜜。
樽の香りもしっかり。
甘さを基調としながらも、とにかく複雑。


味わい。
滑らかなアタック。
豊かな甘みが広がるが、それが「百の果実」へと展開。
その「百の果実」が全て、一つの樽(225L)に詰め込まれ。
ぎゅーっと凝縮。
そして3年後。
その樽の下部に予め取り付けられていた蛇口。
そこから、一滴、ほんの一滴ほど、液が出てくる。
その液を、ゴックン。
その、液の味。

バランス。
エレガンス。
樽の香りがしっかり。
百の果実。
トロピカルフルーツ。
絢爛な印象。
金・白・ベージュ色。
サン・ピエトロ聖堂のペテロ霊廟ほどの。
いや、このワインには黒色を感じないので、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間だ。


余韻が長い。
非常に長い。
30秒を超える。
これは。

全身に染み渡る、味わい。
目を閉じて、この、全身に染み込んでいく味わいに身を任せずにはおれない。


ソーテルヌの貴腐ワインはとにかく「甘み」が特徴。
だが、ディケムは別次元。
甘さより、「深みへ深みへ、沈み込んでいくような」奥行きと複雑さがある。
この深さ。
この深さの点においては。
正直、「メドックの1級を超えている」かも。
もはや、油絵である。
モネの「ジヴェルニー近郊のセーヌ川の朝」。
延々と見つめていられる絵画のようだ。



シャトー・ディケムが、一体どれだけすごいのか?
それを心底体験させてくれる方法。
その方法とは?
「抜栓し、再栓して、「6カ月かけて飲むこと」である」
つまり、抜栓日からおよそ180日かけて、瓶を空に持って行くということだ。


で、それがどのように、ディケムのすごさを教えてくれるのか?
実証体験を紹介しよう。


抜栓から実に6ヶ月後。
グラスに注いだ直後から5分後は、やばい。
「ああ、イッチャッタかも」
蜂蜜やロウ、床を拭いたゾウキンのような、いはゆる「酸化臭」がするのだ。





ところが。
10~20分経過後。
なんと!
復活する。
あの、「百の果実を樽に詰め込んだ」感じが蘇るのだ。


蘇る。
決して、決して、決して、屈しない。
これが。
シャトー・ディケムの力。
正直、5大シャトーよりも上を行っている。
5大シャトーより上を行く唯一のシャトー。
それがこの、シャトー・ディケム、なのだろう。
これより美味いワインを探すことは、正直不可能だろう。
ということで、ここらでワインワールドの旅は終焉だ。


所詮は、酒。
どこまで行っても、所詮は酒。
されど、酒は、多くのことを学ばせてくれることもある。
要は、扱いかたにある。
そう、酒は。
扱い方によっては。
体にも心にも「百薬の長」なのだ。
と、実感する時も多々ある。




ありがとうございました。
では、またいつか。
バイバイ。




楽天市場さんサイト「シャトー・ディケム1990」ページ↓
http://item.rakuten.co.jp/wineuki/0101082001883/





0740安くて美味しいSpecialワイン特集~ワインワールドの旅~ファーストクラス2(完)





0739 ニルヴァーナに触れば、すべてが分かる。

2017-03-06 19:34:40 | 日記
0739 ニルヴァーナに触れば、すべてが分かる。





そう。
「好き嫌いの無い、何でも食べる子供」は。
お母さん、或いは時々お父さんに、こう思わせるのだ。
「私の、とっておきの得意料理を出してやろうか」と。
うしししし。と。



つまり。
愛情を引き出すのである。
好き嫌いなく、何でも食べる子供は、親の愛情をより一層引き出すのである。
言い換えれば、「好き嫌いなく何でも食べる」ことこそが、世界からより一層愛されるコツなのである。



そして。
「好き嫌い」を解脱した、悟りを開いた人(ニルヴァーナ)は、こう教えてくれる。
「好き、嫌いというのは、あなたの内側にだけ、あるものなのです」
「あなたの外側には、ないのです」
「つまり、あなたの好き、嫌いという気持ちはあなたの思い込みであって」
「実は、外側の出来事には、何ら関係がないのです」
と。



そう。
ニルヴァーナに触れば、すべてが分かる。
すべて、すなわち「これまでの考え方」が、だ。




「この仕事、嫌いだ」と思う時。
嫌う原因は、仕事の内容にあると思っているだろう。
しかし、本質は、そうではない。
単にあなたの中の「好き嫌いという、勝手な思い込み」に過ぎないのだ。




「この連中、嫌いだ」と思う時。
嫌う原因は、その連中の言動にあると思っているだろう。
しかし、本質は、そうではない。
単にあなたの中の「好き嫌いという、勝手な思い込み」に過ぎないのだ。




「この店、嫌いだ」と思う時。
嫌う原因は、店員や店の仕組みにあると思っているだろう。
しかし、本質は、そうではない。
単にあなたの中の「好き嫌いという、勝手な思い込み」に過ぎないのだ。




「この人生、嫌いだ」と思う時。
嫌う原因は、人生の内容にあると思っているだろう。
しかし、本質は、そうではない。
単にあなたの中の「好き嫌いという、勝手な思い込み」に過ぎないのだ。




「この配偶者、本音は嫌いだ」と思う時。
嫌う原因は、配偶者の言動にあると思っているだろう。
しかし、本質は、そうではない。
単にあなたの中の「好き嫌いという、勝手な思い込み」に過ぎないのだ。




要するに、あなたが狭かったのだ。
言い換えれば、「あなたはまだまだ新たな経験をする余地を残している」ということだ。
ではその「勝手な思い込み」を、どうやって排除するか?
それは、簡単。
「好き嫌い」を解脱した、悟りを開いた人(ニルヴァーナ)の言葉を、思い出せばいいのだ。




「好き、嫌いというのは、あなたの内側にだけあるものであり、あなたの外側にはないのです」
「つまり、あなたの好き、嫌いという気持ちはあなたの自意識であって、外側の出来事には、何ら関係がないのです」
「好き、嫌いという気持ちは自身の意識であって、外側の出来事には何ら関係がないのです」




本質の理解。
好き嫌いは内にあるものであり、外の現象には何ら関係が無い。
好き嫌いはただ単に、これまでの自分が造り上げてきた反応に過ぎない。
そして、反応は、今すぐ変えることができる。
何故なら、好き嫌いという気持ちは自意識であって、外側の出来事には何ら関係がないのだから。
自意識とは、自分で自在に操れる意識のこと。




「好き、嫌いという気持ちは自身の意識であって、外側の出来事には何ら関係がないのです」
嫌な出来事に出会うたびに、この本質を思い出そう。
そうすれば、あなたはまた一つ、拡大される。
より、こだわりから離れる方へと。




「好き、嫌いという気持ちは自身の意識であって、外側の出来事には何ら関係がないのです」
嫌な出来事に出会うたびに、この本質を思い出そう。
そうすれば、あなたの人生は、少し変わるだろう。
より、本質的なルートへと。



0739 ニルヴァーナに触れば、すべてが分かる。(完)






0738安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅Vol.17

2017-03-06 16:50:48 | 日記
0738安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅Vol.17






326.シャトー・デュ・ルトゥー 2007
327.カッシェロ・デル・ディアブロ レゼルバ・プリバダ ソーヴィニョン・ブラン 2015
328.カッシェロ・デル・ディアブロ メルロ 2014
329.ルイ・ロデレール ブリュット プルミエール
330.ルイ・ラトゥール プィィ・フィッセ2005
331.コント・ラフォン サンセール2007
332.ジョルジュ・デュブッフ マコン・ヴィラージュ 2014
333.ビッグ・バンチ ソーヴィニョン・ブラン2014
334.ボデガ イヌリエータ オルキデア ソーヴィニョン・ブラン2012
335.ルートワン ソーヴィニョン・ブラン2015




326.シャトー・デュ・ルトゥー 2007
Chateau Du Retout


・生産者:Chateau Du Retout
・生産国:フランス ボルドー地方 オー・メドック地区
・輸入者:コルドンヴェール株式会社
・格付け:AOCオー・メドック クリュ・ブルジョワ
・Alc度数:13%
・容量:750ml
・価格:2000円


ワイン品評世界一の、フランス。
それは確かに、正しい。
だが、チリ、NZを始め、日本を含めた「ワイン新興国」の発展拡大は、目覚ましい。
しかし、だからこそ。
ワインの本場フランスの「品質の高さ」が、明るみになる流れが生まれていると言えよう。
「ニューワールド台頭時代において生まれる、オールドワールドへの崇拝」
という流れが。


オールドワールド「フランス」のワインには、大きな特徴がある。
それは、何か?
それは、「複雑さ」「ミネラルさ」「バランス」が、秀でているという点である。
「複雑」「ミネラリィ」「バランス」を顕著に感じたならば、そのワインは「フランス産である」と言ってもいいほどだ





シャトー・デュ・ルトゥー 2007
開けた日はイマイチだったが。
2日目にして本領を発揮した。


写真は2日目のもの。
澄んだ、エッジにややブラウンやオレンジを持つ、濃い赤黒色。
滑らかな液感。
上質のワインであると伺える。
液の脚は中程度。

香り。
豊か。
インク。
ピーマン。
黒果実。
バナナ。
カシス。
杉。
黒スグリ。
これは、典型的なボルドーの香りだ。

味わい。
ややインパクトのあるアタック。
強めのタンニン。
直後、油性マジックの香りのような、揮発性を伴う酸味。
甘味はあるが、一枚下のレイヤ-だ。


豊かなタンニンと、フレッシュ感のある酸味が、舌の上に残る。
ああ、ボルドーらしいなあ。
余韻は、15秒ぐらい。


コス・デス・トゥルネル。
カントメルル。
ランシュ・ムサ。
に、かなり似ている。


お客さんに「ボルドーの赤ワインですよ」と堂々と振舞える。
しかもコスパ良し。


サイト「Vinica(ヴィニカ)~飲んだワインを簡単に記録できる無料のワインアプリ。ワイン名や生産地、生産者などの情報はVinicaが調べます」さん「Ch.du Retout」ページ↓
https://vinica.me/Ch-du-Retout-w14902



327.カッシェロ・デル・ディアブロ レゼルバ・プリバダ ソーヴィニョン・ブラン 2015
Casillero del Diablo Reserva Privada


・生産者:コンチャ・イ・トロ社
・生産地:チリ 北部 リマリ・ヴァレー
・輸入者:メルシャン株式会社
・格付け:
・AL度数:%
・内容量:750ml
・売価格:2000円
・主品種:ソーヴィニョン・ブラン


「デビルシールずれてるじゃーん。ちゃんと貼ってよねー」
という細かい人がいたら、その人はA型。


「レゼルバ・プリバダってー、どういう意味なんですかー?」
という詮索好きな人がいたら、その人はAB型。


「何でもいいよー、飲めりゃ。さ、飲も飲もー」
という大ざっぱな人がいたら、その人はO型。


「お客さん大丈夫ですか?てか、ちょっ、困るんですけど…」
と店員さんに言われる、床で腕組んで仰向けに寝てる人がいたら、その人はB型。


以上、ワイン居酒屋血液型診断。





カッシェロ・デル・ディアブロの上級版。
チリ北部、リマリ・ヴァレーのもの。
「プリバダ」とは、「プライベート・コレクション」の意味。


ちなみに、チリワインで品種を表示する場合、その品種を75%使用していなければならない。
ヴィンテージの表示も同様に75%以上。
チリワインの規制を管轄しているのは「サグ(S.A.G.)=農業保護局農牧局」。


チリの白ワインと言えば、シャルドネ。
と答えるのが普通だろう。
ところが、チリの白ブドウ栽培面積一位は。
実は「ソーヴィニョン・ブラン」なのだ。


澄み切った、淡い緑色を帯びた色合い。
脚速度は中程度。
ディスクも中程度。


香りは豊か。
複雑。
青草。
柑橘系。
グレープフルーツの皮。
ミントなどのハーブ。


ソフトなアタック。
辛口。
酸味は中程度からやや多め。
しなやかな印象。


フレーヴァーはフルーティ。
グレープフルーツの皮に「草いきれ」のニュアンス。
余韻は長い。
後味は、やはりフルーティ。
総合印象は、リッチ。
特徴は、とにかく「果実味寄り」なところ。



ソーヴィニョン・ブランで「スマート&ミネラリィ」とくればたいていフランスだが。
このワインは「パワフル&フルーティ」。
よって、「ニューワールドもの」となる。
さらに、「甘味よりではない」ことから、カリフォルニアではないと推測される。


「プリバダ」ってどういう意味か知ってる?

それを知るには。
ワイン居酒屋で「プリバダお願いしまっす!」って頼んでみよう。



きっと「プリプリの婆さん(120歳)」が出てくるから。



「ちょっとー。このお婆さん、動きがぎこちなくなーい?中身ロボット?」
という細かい人がいたら、その人はA型。


「お婆さん、肌キレー。普段何食べてるんですかー?」
という詮索好きな人がいたら、その人はAB型。


「おっし!婆さんも一杯やっとくか!すんませーん!グラス一個貸して下さーい」
という、振舞い好きな人がいたら、その人はO型。


床で回転して、うつ伏せに寝てる人がいたら、その人はB型。


キリンさんサイト「レゼルバ・プリバダ ソーヴィニョン・ブラン」ページ↓
http://www.kirin.co.jp/products/wine/cyt/wines/diablo/lineup/wine15.html#




328.カッシェロ・デル・ディアブロ メルロ 2014
Casillero del Diablo




・生産者:コンチャ・イ・トロ社
・生産地:チリ 
・輸入者:メルシャン株式会社
・格付け:
・AL度数:%
・内容量:750ml
・売価格:1500円


澄んだ、濃い紫を帯びた赤黒色。
脚速度は中程度。

香りは中程度。
豊かな印象。
スミレ。
バラ。
ライム。
ブルーベリー。
小豆。
チョコレート。
アンズジャム。

ソフトなアタック。
辛口。
酸味は少なめ。
滑らかな印象。

ボディはミディアム。
タンニンは少ない。
苦味も少ない。
フレーヴァーはリッチでフローラル。
総合印象は、上品。


「渋くないけど果実味たっぷりの美味しい赤ワイン、飲みたくない?」
「うん!飲みたーい!」
という場面の100%御用達!
渋味が苦手な女性には、特に「メルロ」品種が最もおススメだ。


渋くない。
果実味たっぷり。
美味しい。
しかも、1500円ならコスパ高い。


キリンさんサイト「メルロー~名ソムリエ(森上久生氏)が魅力を斬る」ページ↓
http://www.kirin.co.jp/products/wine/cyt/wines/diablo/selection/selection3.html



329.ルイ・ロデレール ブリュット プルミエール
LOUIS ROEDERER BRUT PREMIER 



・生産者:ルイ・ロデレール社
・生産地:フランス シャンパーニュ地方 ランス市
・輸入者:エノテカ株式会社
・格付け:AOCシャンパーニュ
・AL度数:12%
・内容量:375ml
・売価格:3500円
・主品種:Ch・PN・PM



AL度数が11%以上ないと、AOCシャンパーニュを名乗れない。
また、ヴィンテージ非表示もの(ノン・ミレジメ)は、瓶内熟成期間を最低15カ月経ることが義務付けられている。
ちなみに、ヴィンテージ表示もの(ミレジメ)は、瓶内熟成期間が最低36カ月の義務。

BRUT(ブリュット)とは、辛口の意味。
具体的には、液体1L当たりの糖分含有量が12g前後のもの。


N.M.との表記がある。
これは、「ネゴシアン・マニピュラン」を意味する。
それは、「原料ブドウを一部又は全部購入して製造するメーカー」という意味。


外観。
澄み切った、淡い、緑がかった色合い。
粘度は弱め。
泡は非常にきめ細かい。


香り。
香りは、非常に豊か。
グラスに注いでいるうちからもう、香って来る。
豊かで複雑な印象の香り。


とにかく、洋梨、青リンゴ、レモン、グレープフルーツなど。
淡色果実の香り。
複雑な印象。


味わい。
ややインパクトのあるアタック。
超微細な泡が、舌の上で弾け、口の中から「シュワワ~」と音がする。
かなり辛口だ。
酸味は多い方。
複雑な印象の味わい。


フレーヴァーはフルーティ。
ミネラル感はほとんど感じない。
余韻は長い。
後味は、フルーティだが、複雑さをもった酸味が延々と舌の上に残り続ける。
ところが、その酸味で余韻が切れるのかと思いきや。
なんと、「青リンゴの甘味が復活」するのだ。


これは、実に実に見事なシャンパーニュ。
飲み込んだ後の「余韻」にこそ、このワインの本体がある。
総合印象は、「ベリーリッチ」。


特筆点は、なんといっても「余韻」だ。
酸味主体の味わいが、余韻で揮発し、甘味が残るという構造。


具体的に言えば。
①口に含むと、「酸味の柱」を「甘味の皮」で覆っている姿がある。
②飲み込むと、「酸味が皮にまで浸透してきて、柱と皮は有機結合し、酸味一色」になり、揮発する。
③ところが、中枢では化学変化が起こっており、甘味が生成されていて。
④余韻のラストの方では、酸味が消えて甘味を感じられる。


といったものだ。
これは、実に見事。
こんな芸術的なシャンパーニュも、なかなかない。
いや、シャンパーニュ自体、もともと「芸術的」というステージのモノなのではあるが。
このルイロデは、「解かる人だけが解かる」という陰ものアートではなく。
「みんなにアピールしてくる」という陽ものアートである。
誰にでも分かる芸術である。

といった点から。
シャンパンの入り口としては、この「ルイロデ」こそふさわしいのではないか、と思われる。
モエシャンやヴヴクリばかりが有名で圧倒的流通量なので、ついそちらを入口にするというか、入口になってしまうのではあるが。



サイト「さよなら、現代アート」さん「ピカソの芸術を「わからない」と言わないでほしい『ピカソは本当に偉いのか?』」記事↓http://bijutsu.me/35/




このワインについて、「嬉しい悲鳴」的な問題が、2つある。
一つは「これを食前酒で飲んじゃうと、「料理が必要なくなる」」という点。
料理そっちのけで味わっちゃうよなあ。



もう一つは、「この後に持ってくる白ワインと赤ワインに困る」という点。
この後がチリとかオーストラリアの果実味バンバン系だと、逆効果になりそ。
よって、ルイロデをチョイスしたら、次の白も赤も必要ない。
これ一本で、ラストまで通した方が、無難。




330.ルイ・ラトゥール プィィ・フィッセ2005 
Pouilly Fuisse


・生産者:ルイ・ラトゥール社
・生産地:フランス ブルゴーニュ地方 マコネ地区
・輸入者:アサヒビール株式会社
・格付け:AOCプィィ・フィッセ
・AL度数:%
・内容量:750ml
・売価格:2500円
・主品種:シャルドネ


輝く、やや濃い、黄金色を帯びた黄色。
脚は中程度。
白ワインでも、熟成が進むと、こんなに黄色くなるんだな。


ディスクは中程度からやや厚め。
粘性は中程度。

アロマ。
中程度。
即印象は「複雑」。
熟した果実。
干し草。
麦わら。
果実干しもの。
漬け物。

ブーケ。
中程度の熟成が感じられる。
複雑。
麦わら。

味わい。
ソフトなアタック。
辛口だが、キュッと来ない。
酸味は少なめ。
滑らかな印象。

フレーヴァーはミネラリィ&フルーティ。
余韻はとても長い。
後味はフルーティ以上にミネラリィ。
余韻には、シェリーFINOにある「ランシオ」「ローストナッツの風味」を伴う。
余韻で甘味も出てきた。
総合印象は、複雑でリッチ。


特徴。
酸味主体、豊かなミネラル、ローストナッツの余韻を持つ。
熟成感がある。
白ワインなのに、すっげー「濃くて深みがある」。



アサヒさんサイト「ルイ・ラトゥールプィィ・フィッセ」ページ↓
https://www.asahibeer.co.jp/products/wine/brand/latour/latour/TG974.html



331.コント・ラフォン サンセール2007
Sancerre Comte Lafond



・生産者:ラドゥセット家(シャトー・デュ・ノゼ)
・生産地:フランス ロワール地方 サントル・ニヴェルネ地区 サンセール村
・輸入者:株式会社
・格付け:AOCサンセール
・AL度数:%
・内容量:375ml
・売価格:2000円
・主品種:SB100%




「コント・ラフォン」と言えば?
ブルゴーニュの著名なドメーヌだ。
しかーし、実はロワール地方にも、コント・ラフォンという名が付くワインがあるのだ。
それがこのサンセール。
どうやら、ラドゥセット家のご先祖様「コント・ラフォン爵」にちなんで名付けられたらしい。


澄み切った、淡い、緑を帯びた黄色。
脚はややゆっくり。

ディスクは中程度。
粘性は中程度。

アロマ。
中程度。
即印象は「複雑」。
柑橘果実。
草。
果実干しもの。
レモングラスやハーブ。

ブーケ。
中程度の熟成が感じられる。
複雑。
レモングラスやハーブ以上に、麦わらや枯れ葉。

味わい。
ソフトなアタック。
辛口だが、キュッと来ない。
酸味は中程度からやや多め。
滑らかな印象。

フレーヴァーはミネラリィ。
余韻は長い。
後味はフルーティ以上にミネラリィ。
総合印象は、複雑。


特徴。
酸味主体の爽やかな味わいでありながら
「豊かなミネラル」を持つ。
やっぱりフランスらしい。
シャルドネほどの膨らみや甘味はなく、薄緑の植物を連想させる味わい。
だが、フレッシュな感じはなく、熟成感がある。
これは、美味し。


余談。
なぜ、フランスのワインは、「複雑」で「ミネラリィ」な味わいなのか?
なぜ、日本のワインは「複雑さもミネラル感も欠いていて」、「土臭いブドウジュースのよう」なのか?
その答えは、解からない。
日本を代表する醸造家、高畠ワイナリーの「川邊さん」に訊くしかないだろう。
なので、ここからは推測。


なぜ、フランスのワインは、「複雑」で「ミネラリィ」な味わいなのか?
なぜ、日本のワインは「複雑さもミネラル感も欠いていて」、土臭いブドウジュースのようなのか?
それは「根の伸び具合の差」によると思われる。


フランスは、「アルカリ性土壌」かつ「夏場に雨が少ない」。
しかも、AOC法により、水をやってはいけない。
これにより、アルカリ性でよく育つブドウは、水を求めて思い切り根を下へ伸ばすのだ。
その結果、ミネラル感のある果実をつけるということ。
ということは、「樹齢の高いブドウ」ほど、複雑さやミネラル感は多いということ。


逆に日本は、「酸性土壌」かつ「夏の前と後に雨が多い(9月なんて台風シーズン)」。
しかも、AOC法などない。
これにより、アルカリ性でよく育つブドウは、根を下へ伸ばせない。
そして、地表に水が多いので、地表近くに細根を伸ばすだけとなる。
その結果、ミネラル感のない、水っぽい果実をつけるということ。


このような。
ブドウが本来持つ「アルカリ性を好む」「水は少なめが良い」というイニシエーターと。
ブドウが育ち易い「アルカリ性の土壌」「雨が少なめの気候」というファクターと。
「化学肥料禁止」「散水規制」という法律で働きかけている、というプロモーターで。
フランスのワインの、「複雑」で「ミネラリィ」は成り立っている、のであろう。

日本は。
「酸性土壌」てあり。
「雨が多い」。
しかも、ワイン用ブドウの栽培に対し「化学肥料禁止」「散水規制」という法律などは、ない。
だからして。
日本のワインは、フランスのワイン、殊に「ボルドー」や「ブルゴーニュ」「シャンパーニュ」には、遠く及ばないのだ。
正直、これが現実。
よって、日本国内での「とんでもなく美味いワイン」というのは。
作り手の「ブドウに対する理解力」に関わっているのではなかろうか。
以上、推測。




「プリストル・ジャポン株式会社」さんサイト「ワイナリーのご紹介~コント・ラフォン」ページ↓
http://www.bristol-japon.co.jp/mx/winery_comtelafond.html



332.ジョルジュ・デュブッフ マコン・ヴィラージュ 2014
GEORGES DUBCEUF MACON-VILLAGES



・生産者:ジョルジュ・デュブッフ
・生産地:フランス ブルゴーニュ地方 マコネ地区
・輸入者:サントリーワインインターナショナル(株)
・格付け:AOCマコン・ヴィラージュ
・AL度数:12.5%
・内容量:250ml
・売価格:650円
・主品種:シャルドネ



澄み切った、淡い、緑がかった色合い。
脚、ディスクは中程度。

香り。
中程度。
シンプルな印象。
花。
柑橘果実。
若干穀物。

味わい。
滑らかなアタック。
辛口。
酸味は少なめ。
滑らかな印象。
ほのかにミネラリィ。
フローラルなフレーヴァー。
余韻は豊か。
ミネラル感と甘味がどこまでも続く。

総合印象は上品。

特徴。
フランス(ブルゴーニュ)のシャルドネだけあって。
やはり「果実味バンバン」ではなく、しっとりした奥深い味わい。
香りも強めではない。
マコン地区はブルゴーニュ南部であり、トロピカルフルーツのニュアンス寄りではある。
しかし、このワインはさほどにトロピカルではなく、スッキリ系。
スッキリ系だが、ボディが厚く、酸味基調ではなく、青草の香りもないことから、「シャルドネだろう」と推測可能。

実に見事!
インパクト自体は、チリのシャルドネの方が強い。
だが。
飲んでも飲んでも飲み飽きない、深みのある味わい。


飲んでも飲んでも飲み飽きない、スッキリ系。
これは、新潟や山形の日本酒に通じるモノがある。

ブログ「酒友 醸造研究」さん「『日本酒VS白ワイン対決!ブラインドで日本酒と白ワインは見分けられるか?を検証す
る会』レポート!」記事↓

http://ameblo.jp/esaka-sakatomo/entry-11799209758.html



333.ビッグ・バンチ ソーヴィニョン・ブラン2014
Big Bunch Sauvignon Blanc


・生産者:Massive Wines
・生産地:ニュージーランド北島 ホークス・ベイ
・輸入者:コルドンヴェール株式会社
・格付け:
・AL度数:12%
・内容量:750ml
・売価格:1000円
・主品種:SB


ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランと言えば?
「南島のマールボロでしょ」
というのが、一般的な言葉である。
しかし、だからこそ。
マールボロ地区以外のソーヴィニョン・ブランを試してみたい。


澄み切った、淡い、緑がかった色合い。
脚、ディスクは弱め~中程度。

香り。
豊か。
鉱物系。
青草。
ウリ。
スイカ。
花。
淡い色の果実。


味わい。
水のようなアタック。
辛口。
舌に沁み込む見事な酸味。
ボディとなるのは、スレンダーな甘味。
とてもシャープな印象。
酸味のある青い果実のフレーヴァー。
余韻は中程度10秒。
トロピカル3.5。
酸味6.5。


総合印象はシンプル。
酸味と甘みがうまくバランスしている。
といっても、ソーヴィニョン・ブランのバランスと言えば次のようなものだ。
甘味3.5。
酸味6.5。

ただ、このワインの甘味は、「トロピカルフルーツ」の感じが濃い。

特徴。
深みはない。
果実味が強い。
鉱物系のニュアンスも強い。
トロピカルな感じ。
アルコールからくるボリュームは強い。


サイト「Vinica(ヴィニカ)~飲んだワインを簡単に記録できる無料のワインアプリ。ワイン名や生産地、生産者などの情報はVinicaが調べます」「Big Bunch Sauvignon Blanc」ページ↓
https://vinica.me/Big-Bunch-Sauvignon-Blanc-w103224



334.ボデガ イヌリエータ オルキデア ソーヴィニョン・ブラン2012
BODEGA INURRIETA ORCHIDEA



・生産者:BODEGA INURRIETA
・生産地:スペイン ナバーラ州
・輸入者:
・格付け:DOナバーラ
・AL度数:12%
・内容量:750ml
・売価格:1300円
・主品種:SB100%



澄み切った、緑がかった、黄色。
ソーヴィニョン・ブランにしては、濃い。
脚、ディスクは中程度。

香り。
豊か。
甘味。
穀物。


味わい。
滑らかなアタック。
辛口。
主張しない酸味。
ボディとなる、穀物系の甘味を持つ味わい。
ゆったりした印象。
青い果実のフレーヴァー。
果実味は強め。
アルコール感も強い。

余韻は中程度12秒。
トロピカル3.5。
酸味6.5。

特徴。
とにかく、ボディが厚い。
チリのシャルドネと見まごうほどのボディ。
正直、ソーヴィニョン・ブランでこれほどのボディを持つのは、ほとんどない。

だからして。
思いっきり「シャルドネ」と答えそうな味わい。
では、どうやって判別するか?
手掛かりは、「風味に鉱物系がない」「余韻で酸味が主張」という点。
「風味に鉱物系がない」で、チリやオーストラリアの路線は消える。
「余韻で酸味が主張」の点で、シャルドネの路線はやや消える。
「果実味強め」で「アルコール感も強い」となれば、「フランスではない」となる。
要するに、消去法なのだ。

で、「鉱物系がない」のに「厚い感じ」。
といったところで、とうとう「スペイン」が出てくる。
ただし、「スペインでも、ソーヴィニョン・ブランが栽培されている」という知識があってのことだが。



サイト「寺島酒店」さん「オルキデア・シュール・リー(白)[2015](ボデガ・イヌリエータ)(ペニンガイド2017にて90点)」ページ↓
http://terashima.shop8.makeshop.jp/shopdetail/007000000021/



335.ルートワン ソーヴィニョン・ブラン2015
ROOT:1



・生産者:フェリペ・トッソ
・生産地:チリ カサブランカ・ヴァレー
・輸入者:
・格付け:
・AL度数:%
・内容量:750ml
・売価格:1100円
・主品種:SB

「ルートワン」
直訳は、「原点は一つ」の意味。
それはつまり、「接ぎ木をしていない樹」ということ。
このワインは、「フィロキセラ災厄に遭わなかったチリの付加価値を全面的に商品に反映させている」、ということだ。


ボトルが非常に興味深い。
というのも、ラベルが「シール」ではなく、「瓶に直接プリント」式なのだ。
だから、絶対に剥がせない。
しかも、英語で文字がびっしり描かれている。
それで、ずーっと見入ってしまえるのだ。


澄み切った、淡い、緑がかった色合い。
脚、ディスクは弱め~中程度。

香り。
しっとり。
青草。
ハーブ。
シトラス。
ウリ。
スイカ。
花。
淡い色の果実。


味わい。
水のようなアタック。
辛口。
舌に沁み込む見事な酸味。
ボディとなるのは、スレンダーな甘味。
クリスプ(「パリッとした」の意味)な印象。
透明感のある水色のイメージ。


「酸味のある青い果実」のフレーヴァー。
だが余韻はあっさりとしてクリーン。


飲みやすい。
飲みやすいし、飲んでいる途中でこう思う。
「このワインなら、料理は何でもこいだな」
何にでも合いそうだ。


というのも。
特徴が突出していないから。
まさに水の如し。
上善如水である。

これはいい。
なんか、「気楽」だ。
まるで「好き嫌いの無い、何でも食べる子供」のよう。
何でも食べる子供は、気楽なのだ。
何を作って出しても、「美味い美味い」と食べてくれるから。
何の心配もいらない。

何の心配もいらない。
何を作って出してもいい。
なら、私の「とっておきの得意料理を出してやろうか」。
うしししし。

そう。
「好き嫌いの無い、何でも食べる子供」は。
お母さん、或いは時々お父さんに、こう思わせるのだ。
「私の、とっておきの得意料理を出してやろうか」と。
うしししし。
と。

つまり。
愛情を引き出すのである。
好き嫌いなく、何でも食べる子供は、親の愛情をより一層引き出すのである。
言い換えれば、「好き嫌いなく何でも食べる」ことこそが、世界からより一層愛されるコツなのである。

そして。
「好き嫌い」を解脱した、悟りを開いた人(ニルヴァーナ)は、こう教えてくれる。
「好き、嫌いというのは、あなたの内側にだけ、あるものなのです」
「あなたの外側には、ないのです」
「つまり、あなたの好き、嫌いという気持ちはあなたの思い込みであって」
「実は、外側の出来事には、何ら関係がないのです」
と。

そう。
ニルヴァーナに触れば、すべてが分かる。
すべて、すなわち「これまでの考え方」が、だ。


(0739へ続く)



「ルートワン」オリジナルサイト日本語版↓
http://www.root1wine.jp/index.html



0738安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅Vol.17(完)