
フィレンツェの町の中に小さなエノテカ(ワイン屋さん)がある。むろん、エノテカはたくさんあるので、どの店かをまず特定。http://www.lonelyplanet.com/italy/florence/shopping/food-drink/galleria-chianti

ここには、ロベルトという名の気のいいおにいさんというかおやじ(?)がいる。
彼は革細工の店でしばらく職人をしてお金を貯めて、このエノテカを買った。7年ほど前、バックパッカーで旅をしてたまたま立ち寄ったフィレンツェでふらっと立ち寄ったのが彼の店だった。置いてある銘柄はトスカーナの名品揃い。そして見事なくらいに土地の物しか置いていないのだ。ほかにオリーブオイルとグラッパ。彼のおすすめはトスカーナのワイン。観光客用に別の地方のワインも少しだけあるのだが、あからさまにワインがわからない観光客用だよと英語で笑いながら言う。「おれたちは一番いいのは自分と家族のために取っておくんだ。どうでもいいのを外国に輸出するんだよ。水で薄めて色付けてね。はははは。」
店内のラジオからは以外にも英語の曲。きさくで、意味がわからないイタリア語の世界からほっと一息つける。http://www.youtube.com/watch?v=oI3FoekcbfI 懐かしい曲だったので、足を止め曲を聴きながらワインを見て彼の話を聞き始めた。商品を自分で買い付けているだけあって、畑から何から非常に詳しい。もう、これは愛にちかい。この店内のすべてのワインが彼のセレクションなのだ。曲が変わる。http://www.youtube.com/watch?v=4DP8E_fz-XA&feature=related あら、またなつかしい曲。終わるまで聴きたいので、またまた説明を求める。そのワインの知識たるや、ちょっとワイン教室に通って得た、ワインアドバイザー試験用の机上の知識がいかに薄っぺらいかをひしひしと感じさせる。だって、どんな畑か、日当たりか実際に見て知っているし、作っている家族だって付き合いがあったりするんだもんね。あの畑のこっちがわの斜面で作ったのを買い付けたいって注文ができたりする。ああ、この人はワインに生きているんだなーと感心。店の地下には年代物のワインが並ぶ。
「誕生年のビンテージも探してみせるよ。何年?」
「19○○年」
「えー、俺より7歳上!!」
「えー7歳下!!」
相手がかなり年下だとわかったので、一挙に気楽になった。店を手伝ったり、日本に送るワインを物色したりしてその夕方を過ごした。
「そこに座れば?」
「は?段ボール?発送用ワイン入っているでしょ。」
「大丈夫、つぶれないよ。君の体重では。」
座ってみる。意外と強度がある。彼の言った通りだ。ああ、なるほどね。ラテンの人は規則無視というイメージがあるが、ちゃんと危険度を計算して行動している。例えば赤信号を無視するとき、多くの場合、ちゃんと対向車が来ないのを見越して無視しているのだ。リスクは負っていない。
その夜は彼の店の近くの教会でオペラのアリアの発表会を聴いた。帰り道、エノテカによると店じまいだからフィレンツェをナイトツアーしてやるよと彼。Vespaに二人乗りして夜景を見に行った。渋滞の車の列を後目に、飛ばすこと飛ばすこと。ワインをグラスに一杯飲んで運転しているので、立派な飲酒運転なのだが、ロベルトの判断力は全く鈍らない。つまり影響がでない分量しか最初からのんでいないのだ。
まるで高校生のような明るいノリで、観光案内をしB&Bまで送ってくれた。
彼の店では5万円ほどワインを購入。ドイツのアンジェラへのお土産を手荷物にして、他は日本へ直送。
最近はその後のロベルトをFACEBOOKで見るようになった。実をいうとFACEBOOKを始めたのは彼のインビテーションがあったからである。彼の生き方は日本人からしたら究極の贅沢かもしれない。地元で革製品の職人で稼いだお金をもとでに自分の店を持って、地場産品を扱って、誇りを持って楽しく生活をしている。本当の豊かさというのはこういうことかもしれないね。全く生きる上で無理がないのだ。世界中に彼の顧客がいるけれど、その当時の彼はインターネットカフェで、人差し指2本でコンピュータのキーボードをたたいて商売をしていた。ワインはどこでも買えるだろうけど、フィレンツェのロベルトから買おうっていう買い方をしている人が大勢いる。確かに買い方としては、とても贅沢だよね。
そして商売のしかたもかなり贅沢。世界共通の価値であるワイン、その中でも自分が生まれ育った土地トスカーナのみを扱い自分の生活を守り豊かにし顧客を喜ばせ、生産者も豊かにしている。なんて、人間的な生き方!彼が土地に根差しエノテカとして生活することで、どれだけの人が幸せになっていることか。
今や彼には美しい奥さんとかわいい子供が二人。たまにスイスアルプスでスキーをする一家の動画がアップされる。
フィレンツェなら、無理せず豊かに生きることは可能で、町全体がロベルトのような人で成り立っている。彼はFacebookに標題と同じ自分のページを持っていて、そこにはワインにまつわる素晴らしい記事が掲載されている。全てイタリア語だけど。。。ところで、彼のエノテカでの長居のきっかけとなったのは、アル・スチュアートの曲で、歌詞は以下のとおり。
。
King Of Portugal
Al Stewart/Peter White
Dreamed I was the King of Portugal
In a big four poster bed
Noble tapestries from wall to wall
And a crown upon my head
Bells ring and servants bring
The jewels and the robes
For the night to begin
Would you love me forever
If I had everything
Would you love me forever
If I were a king
Then it seemed that I was travelling
Through the granite hills of Dao
With a vineyard spread in front of me
In a carriage headed south
Night came with the skies aflame
And all that I saw
Was all mine to claim
Would you love me forever
If I had everything
Would you love me forever
If I were a king
There are those that can tell you
What your fantasies mean
But I don't feel the need to
Understand everything
Would you love me forever
If I had everything
Would you love me forever
If I were a king

ここには、ロベルトという名の気のいいおにいさんというかおやじ(?)がいる。
彼は革細工の店でしばらく職人をしてお金を貯めて、このエノテカを買った。7年ほど前、バックパッカーで旅をしてたまたま立ち寄ったフィレンツェでふらっと立ち寄ったのが彼の店だった。置いてある銘柄はトスカーナの名品揃い。そして見事なくらいに土地の物しか置いていないのだ。ほかにオリーブオイルとグラッパ。彼のおすすめはトスカーナのワイン。観光客用に別の地方のワインも少しだけあるのだが、あからさまにワインがわからない観光客用だよと英語で笑いながら言う。「おれたちは一番いいのは自分と家族のために取っておくんだ。どうでもいいのを外国に輸出するんだよ。水で薄めて色付けてね。はははは。」
店内のラジオからは以外にも英語の曲。きさくで、意味がわからないイタリア語の世界からほっと一息つける。http://www.youtube.com/watch?v=oI3FoekcbfI 懐かしい曲だったので、足を止め曲を聴きながらワインを見て彼の話を聞き始めた。商品を自分で買い付けているだけあって、畑から何から非常に詳しい。もう、これは愛にちかい。この店内のすべてのワインが彼のセレクションなのだ。曲が変わる。http://www.youtube.com/watch?v=4DP8E_fz-XA&feature=related あら、またなつかしい曲。終わるまで聴きたいので、またまた説明を求める。そのワインの知識たるや、ちょっとワイン教室に通って得た、ワインアドバイザー試験用の机上の知識がいかに薄っぺらいかをひしひしと感じさせる。だって、どんな畑か、日当たりか実際に見て知っているし、作っている家族だって付き合いがあったりするんだもんね。あの畑のこっちがわの斜面で作ったのを買い付けたいって注文ができたりする。ああ、この人はワインに生きているんだなーと感心。店の地下には年代物のワインが並ぶ。
「誕生年のビンテージも探してみせるよ。何年?」
「19○○年」
「えー、俺より7歳上!!」
「えー7歳下!!」
相手がかなり年下だとわかったので、一挙に気楽になった。店を手伝ったり、日本に送るワインを物色したりしてその夕方を過ごした。
「そこに座れば?」
「は?段ボール?発送用ワイン入っているでしょ。」
「大丈夫、つぶれないよ。君の体重では。」
座ってみる。意外と強度がある。彼の言った通りだ。ああ、なるほどね。ラテンの人は規則無視というイメージがあるが、ちゃんと危険度を計算して行動している。例えば赤信号を無視するとき、多くの場合、ちゃんと対向車が来ないのを見越して無視しているのだ。リスクは負っていない。
その夜は彼の店の近くの教会でオペラのアリアの発表会を聴いた。帰り道、エノテカによると店じまいだからフィレンツェをナイトツアーしてやるよと彼。Vespaに二人乗りして夜景を見に行った。渋滞の車の列を後目に、飛ばすこと飛ばすこと。ワインをグラスに一杯飲んで運転しているので、立派な飲酒運転なのだが、ロベルトの判断力は全く鈍らない。つまり影響がでない分量しか最初からのんでいないのだ。
まるで高校生のような明るいノリで、観光案内をしB&Bまで送ってくれた。
彼の店では5万円ほどワインを購入。ドイツのアンジェラへのお土産を手荷物にして、他は日本へ直送。
最近はその後のロベルトをFACEBOOKで見るようになった。実をいうとFACEBOOKを始めたのは彼のインビテーションがあったからである。彼の生き方は日本人からしたら究極の贅沢かもしれない。地元で革製品の職人で稼いだお金をもとでに自分の店を持って、地場産品を扱って、誇りを持って楽しく生活をしている。本当の豊かさというのはこういうことかもしれないね。全く生きる上で無理がないのだ。世界中に彼の顧客がいるけれど、その当時の彼はインターネットカフェで、人差し指2本でコンピュータのキーボードをたたいて商売をしていた。ワインはどこでも買えるだろうけど、フィレンツェのロベルトから買おうっていう買い方をしている人が大勢いる。確かに買い方としては、とても贅沢だよね。
そして商売のしかたもかなり贅沢。世界共通の価値であるワイン、その中でも自分が生まれ育った土地トスカーナのみを扱い自分の生活を守り豊かにし顧客を喜ばせ、生産者も豊かにしている。なんて、人間的な生き方!彼が土地に根差しエノテカとして生活することで、どれだけの人が幸せになっていることか。
今や彼には美しい奥さんとかわいい子供が二人。たまにスイスアルプスでスキーをする一家の動画がアップされる。
フィレンツェなら、無理せず豊かに生きることは可能で、町全体がロベルトのような人で成り立っている。彼はFacebookに標題と同じ自分のページを持っていて、そこにはワインにまつわる素晴らしい記事が掲載されている。全てイタリア語だけど。。。ところで、彼のエノテカでの長居のきっかけとなったのは、アル・スチュアートの曲で、歌詞は以下のとおり。
。
King Of Portugal
Al Stewart/Peter White
Dreamed I was the King of Portugal
In a big four poster bed
Noble tapestries from wall to wall
And a crown upon my head
Bells ring and servants bring
The jewels and the robes
For the night to begin
Would you love me forever
If I had everything
Would you love me forever
If I were a king
Then it seemed that I was travelling
Through the granite hills of Dao
With a vineyard spread in front of me
In a carriage headed south
Night came with the skies aflame
And all that I saw
Was all mine to claim
Would you love me forever
If I had everything
Would you love me forever
If I were a king
There are those that can tell you
What your fantasies mean
But I don't feel the need to
Understand everything
Would you love me forever
If I had everything
Would you love me forever
If I were a king