祖母の湯豆腐

あぁ…なんか無性に湯豆腐食べてぇ


私の誕生日に嫁に要求してみるも
『そんなテンションの上がらない物
　誕生パーティに喰えるかぃな』
と、嫁に作って貰えず…、
ならばと居酒屋に行き注文してみるも
『今日は湯豆腐の材料仕入れてない
　から、ごめんねぇ。。』
と言われ…
どうにも食えない日々が続く


…なんなんだ⁉︎
私に湯豆腐食べさせたら何かあるん

…まさか例の件がバレて、
政府から各所に通達が…？
…嘘だ


あぁ…しかしこうも喰えねぇとなると
余計に食べたい。
鍋に昆布と豆腐しか入ってない、
祖母が時々に作ってくれた湯豆腐が
食べたいなぁ…

あまり尊敬してなかった祖母だったケド
祖母の料理は好きだった。
なんであんなに美味かったのか？

やすろ家は旧家っつ～だけで
何だか偉ぶってて、
ちょっと昔から土地にいるってだけで
何が偉いんか？
中身は大して隣近所と変わらんろ。
排他的でプライドばかり高くて、
中身がねぇ癖に偉ぶってては滑稽やろ。

…と若造で未熟な私には感じられて
尊敬出来なかったですよ。
今にして思えば旧家なりの立場って…
まぁ…良いや。
湯豆腐から話が逸れそうだ



ってな訳で、
祖母の作り方を必死に思い返しながら
湯豆腐開始

壱：利尻昆布を入手。


弐：出汁をとります。
　　午前中のうちに鍋に水を張って
　　昆布投入。夕飯時まで放置。
　　


参：豆腐投入。鍋着火！


肆：豆腐の中まで火が通って、
　　良い感じにユラユラしてきたら
　　出来上がり。

伍：温めたツユで頂きます。


私、豆腐は木綿派ですが、
子供達は絹派らしい…。
パパ、初めて知りました



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