ただの独り言です。

特別に重要な意味はありません。お気になさらず。

GAKUYAと額屋02

2014-06-15 06:55:00 | 日記
沈んだ役者の背中が語っています。
「私のいったいどこがいけないのか?あれほどの喝采を受けながら、自身の心は一向に満たされない。」

それは本当でした。会場では今も鳴り止まない拍手の嵐、しかし役者はカーテンコールに向かう心が出来ていない。

そして、その役者を見下ろす一つの額。

この物語の始まりは、この楽屋の額が語りだすまでは、この役者の心情の反映のごとく、時が止まっているかのようでした。

ではいったい、額が語りだすとは、どのような事でしょうか?

そこには、演劇などで常に語られる、空間と時間の関係(役者と観客の間)を支配する縁と円の交差する山場をいかに創りあげていくか、その難しさと向き合う役者や演出家の戦いがあります。

喝采も時として、一人の人間の拍手から始まり、音の波長の円周に関する正弦波的要素を以て拡がることにより起こります。

しかしその時に周囲の人達が何も感じない状態ならば、縁がなく広がらない。

其のことを知り尽くした人たちが額士です。

この物語はその額士達の長い永い歴史との戦いです。




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