トヨタのMIRAIってどうだろう

水素で動く電気自動車、トヨタMIRAI。
どんな車なのかを買って乗って調べてみます。

MIRAIを選んだ理由

2019-12-11 00:55:58 | 購入まで
購入記を一通り書き終わったところですが、なぜMIRAIを選んだのかをまだ書いていませんでした。数あるなかからこの車を選んだ理由をまとめておきます。

(1)純電動車(ピュアEV)に乗ってみたかった。

いままでに私は14台ほどの車を乗り継いできました。エンジンに関しては、ガソリンからディーゼル、ハイブリッドまで所有したことがあるのですが、純電動車はまだ所有したことがありません。

モーターだけで動くピュアEVをはじめて運転したのは、およそ10年前のことです。三菱のi-MiEV(アイ・ミーブ)。


当時、私はガソリンターボのiに乗っていました。デザインが可愛らしくて扱いやすく、ターボエンジンはまずまず力があって、とても気に入っていたのを思い出します。14台の中で、最も長く所有したのもこのiです。

担当セールスさんも積極的な方で、新車が入るといつも試乗を勧めて下さいました。その中にi-MiEVがあったのです。

ピュアEVであるi-MiEVの走りは、パワフルでコントローラブル。アクセルを踏む右足の加減一つで車を自由に操ることができます。モーターで車を走らせるってこんなに楽しいんだと、目から鱗が落ちる思いでした。

そのまま商談に入りそうな勢いだったのですが、残念ながら、当時のEVはまだ航続距離が短く、割と長距離を走る私には無理なことがわかりました。

(2)自宅に充電施設はないが、水素ステーションが近くにある。

i-MiEV以来、しばらくピュアEVには乗っていませんでした。しかし、意外なところで、今度は乗客として乗る機会が訪れました。


トヨタが発売した燃料電池バスです。2017年3月から東京都営バスとして走りはじめました。

たまたま、自分がよく使う路線に投入されたので乗ってみたのですが、静かでなめらか。運転はもちろんしていませんが、極低速域から力強いことも伝わってきます。

このバスは、MIRAIの燃料電池とパワートレーンを2組乗せたような構造をしています。バスがこんなに良いなら、もとのMIRAIもすごくいいのではないかと思わせるような完成度。俄然興味が湧きました。

ただし、この時は、MIRAIの新車を注文すると数年待ちといったような状況。何時来るかわからないような車を注文するのも難だなあ、という感じでした。

ところで、ピュアEVの選択肢には、バッテリーを搭載する電気自動車(BEV)もあります。10年前のi-MiEVではネックになった航続距離も、400kmを超えるものが出てきました。

しかし、私は集合住宅住まいで、自宅に充電設備を設置することができません。急速充電器はずいぶん発達していますが、400km強程度走れるBEVを「満タン」にするには1時間程度がかかります。

一方、燃料電池車(FCEV)であれば、水素を満タンにするのには3分程度しかかかりません。しかも都合がいいことに、水素ステーションは自宅から5キロ圏内に複数所在しているのです。

ガソリンスタンドのように、24時間営業している水素ステーションはまだありませんが、自宅の近くのステーションは比較的長い時間営業しているので、普段使いにはそれほど困ることがなさそうです。

(3)手ごろな価格で、すぐに手に入る車があった。

これは、購入記でお知らせした通りです。

以上、(1)から(3)のどれが欠けても、MIRAIを買うことはなかったと思います。

特に、(2)については、恵まれていたとしかいいようがありません。現時点では、FCEVは誰にでも勧められるような車ではないですね。

せっかくのチャンスですので、MIRAIを存分に楽しみたいと思っています。

契約しました

2019-12-07 20:30:46 | 購入まで
車両の状態に問題はなかったので、そのまま購入条件の交渉に入りました。

車両本体価格は284万円(税込、以下同じ)で、諸費用込み価格は295万円。カーセンサーに案内してあった金額と寸分違いません。

ミライの自動車税種別割ですが、2019年10月1日以降に新規登録した車両の本則額は25000円。この金額は、燃料電池車に限定されません。電気自動車であれば性能にかかわらずすべて同じです。

さらに東京都では、電気自動車について、平成21年度から令和2年度までに初回新規登録を受けたものは初回新規登録時の自動車税種別割(月割)及び翌年度からの5年度分の自動車税種別割が免税になります。

今回買おうとしている車は、平成30年度に新規登録されているので、30年度の自動車税と令和元年度から令和5年度までの自動車税がゼロ。自動車税環境割も自動車重量税もゼロですので、諸費用は10万円ちょっとで済むわけです。

295万円をどうやって払うかですが、この販売店では、中古車にも残価設定ローンの設定が可能でした。それ自体はあまり珍しくはないのですが、これは!と思ったのは、2年後の残価40%という設定があったこと。

私は、あまり長く車を乗り続ける方ではないのですが、ミライに関しては、東京モーターショーで新型車の登場が予告されています。


正直、現行ミライを寄せ付けないカッコ良さですし、中身も相当に進化しているようです。航続距離は伸びて、パワーもアップ。

価格も大幅に下がるらしいのですが、その分補助金も減ると思いますので、実質的な購入価格はそれほど変わらないように思います。それでも十分魅力的です。発売されたらたぶん欲しくなることでしょう。

というわけで、2年くらいで「出口」を見通せる購入プランがあればいいなあと思っていたのですが、まさにピッタリのプランがあったわけです。

さらにありがたいことに、金利は新車よりも低い3.9%。295万円の借入額に対して、実質返済額は197万円(総返済額311万円−車両返却分114万円)。新車の場合の、借入額495万円、実質返済額208万円(総返済額578万円−車両返却分370万円)、とあまり変わらないようですが、金利分は新車の83万円に比べて中古車は13万円弱に減ります。

新車の場合は「4年縛り」がありますし、仮に補助金返還前提で途中で売却したとしても、据置額の370万円には遠く及ばないはずなので、自己負担はかなりの金額になると思われます。

中古車の場合は、「4年縛り」がないのはもちろん、元の据置額が低いですし、金利分も安いですから、2年経つ前に売ってしまってもダメージは小さくてすみます。



こうなれば善は急げ。付属品などの細かい条件を詰めて、契約のハンコを押しました。

試乗ではじめてミライのハンドルを握った翌日のことです。


販売在庫の確認

2019-11-29 03:46:24 | 購入まで
電話した翌日、販売店に実車確認に行きました。MIRAIは人気車ではありませんが、中古車は水物。早めに動くに越したことはありません。



販売店は、神奈川県のトヨペット系中古車専売店。ディーラー系の「認定中古車」ですから、車両の状態がWeb掲載の情報と大きく違うことはないだろうと思うわけですが、それでも一通りの確認は必要です。

車検証をみると、初度登録は2018年4月で掲載の情報通り。前の所有者は同系列の新車ディーラーでした。販売店で試乗や業務のために用いられていた車と推測できます。

ただし、この車の製造時期は2016年秋頃と推定できます。なんらかの理由で長期在庫となっていて、結局、ディーラー自らが自社で登録した車のようです。



車の製造時期を判定する方法は色々ありますが、ミライ独自のやり方として、水素タンクの充填期限を確認する方法があります。水素タンクは、使用期限(充填期限)が製造から15年と定められています。

タンクの充填期限は、フューエルリッドの裏側に貼ってあります。この車の充填可能期限は2031年8月ですから、タンクの製造時期が2016年8月であることがわかります。「カンバン方式」でお馴染みのトヨタが、部品としてのタンクを在庫として長期間寝かせるはずはなく、タンクは製造とほぼ同時に組み立てラインに乗り、車として完成されたと考えられます。

タンクは、使用期間内に定期的に再検査を受ける必要があります。最初の検査は4年1カ月、その後は2年3カ月が期限。これはあくまで製造からの期間で、初度登録からの期間ではないことに注意が必要です。タンクの点検は有料。

完成即登録というケースなら、最初の車検までタンクのことは考えないですみますが、長期在庫になっていた車の場合は、検査期限が車検よりも早く来てしまうことがあります。この車も、初回のタンク点検期限は2020年9月ですから、車検どころか、1年点検の前にタンクを点検しなくてはなりません。

なお、車両としての保証は、通常の車両と同じく、初度登録が起点になります。タンク以外に特別な配慮は必要ないようです。



走行距離は1740kmで、これも掲載の情報通り。試乗車だったとすれば、1年半で1800kmとはずいぶん走っていないと思うわけですが、MIRAIの試乗を希望する人は少なそう。業務に使うにも、水素ステーションの少なさを考えればあちこち乗り回すわけにはいきませんね。



内外装の状態は、1年半1800キロ走行という履歴の通りでまったく問題ありません。しかし、業務用車ということで、扱われ方はそれなり。内装にはあちこちに蹴り跡があったりします。もっとも、大きな損傷はなく、クリーニングすればほぼ元通りになりそう。



フロントの機器ルームはほぼ新車同様。



タイヤの溝も十分残っています。タイヤの製造時期は2016年37週(9月上旬頃)で、車の製造時期が2016年秋頃であるという推定を裏付けます。



付属品も、欠けているものはなさそうです。メーカーオプションのナビ、ディーラーオプションのドライブレコーダーやサイドバイザー、三角表示板も装備されていました。

さらにあちこち調べてみて、車両の状況に問題のないことが確認できたので、そのまま購入交渉に入ることにしました。

中古車を探す

2019-11-21 04:50:12 | 購入まで
ということになりまして、早速、中古車情報サイトでミライの売り物を検索してみました。中古車はタマがなければ話になりません。

「カーセンサー」で探してみたところ、ミライの在庫は20台あまり。年式については、「4年縛り」を終えた2015年式がメインかなと思っていたのですが、意外に16年以降の車もありました。

価格は平均で250万円くらい(車両本体価格、以下同じ)。安いものは180万円くらいからありますが、高いものになると345万円とかいうものもあります。確かに、2017年式で走行距離0.3万キロ。並んでいる車の中では、年式、走行距離とも上位です。

新車価格700万円オーバーのミライは、2年経つと半額以下になってしまうわけで、値落ちの大きさは輸入車を彷彿とさせるほどです。もっともこれは、補助金分が最初から織り込まれているからでしょう。

補助金分を割り引けば、実質的な新車価格が450万円程度と考えられるわけで、そうすれば2年落ちで300万円強という価格は理解できます。ですが、決して人気車ではないことも伺えます。

国のCEV補助金(202万円)は、中古車を明示的に排除する旨の規定はないようですが、申請の期限が「初度」登録、つまり初めて登録された日から1カ月以内とされています。中古車マーケットで流通しているような車の申請は事実上無理だと思われます。また、仮に初度登録から1カ月以内であったとしても、1度補助金を受けている車は交付対象外となります。

中古車の場合は補助金を使うことは無理ですが、補助金のおかげで中古価格が割安になっているわけで、その意味では中古を買っても補助金の恩恵には預かれるといえます。むしろ、「4年縛り」が発生しない分、新車よりも有利な点があります。

さて、在庫の中に、2018年式で走行0.2万キロという車があるのをみつけました。価格は284万円。



状態の割には安いので、何かワケあり車かと思ったのですが、特にそういうわけでもなさそうな感じ(ネットの情報だけでわかるはずもないのですが)。

しかも、販売しているのは隣県のディーラー。実車の確認は容易です。

すぐに連絡を入れ、「詳しく話を聞きたい」旨を伝えました。幸い、まだ商談には入っていないようです。

新車よりも中古車?

2019-11-20 23:51:36 | 購入まで
ミライの新車を買うと、どのくらいの支払いが必要になるのかがわかりました。

新車を買う場合は補助金の利用が不可欠になりますが、問題は納期です。一時期、3年とかいわれていたようですが、現在ではおよそ3カ月程度で納車が可能。それでも、11月に注文したとしても納車は2月頃。本年度の補助金の枠が残っているかどうかは微妙です。

そもそも、来年度も補助事業が継続されるかどうかも不明。もし、同内容で継続されたとしても、申請できるのは来年の6月で、それまでの間、202万円は自分で立て替えておかなくてはなりません。東京都の補助金については細かく調べていないのですが、同様の問題が生じることでしょう。

また、補助金を受け取ると、4年間は原則として売却することができません。もちろん、補助金の一部を返納すれば売却は可能ですが、今度は売却額が問題になります。

かりに、303万円の補助金を除いた金額で、4年後残価50%の残価保証ローンを組んだ場合、支払いのかなりの部分が利息に消える計算となり、ローン残債はあまり減りません。ざっくりとした計算ですが、2年間毎月4.4万円を払い続けても、借金は470万円程度が残ります。

2年後のミライの下取り価格が、残債である470万円を上回っていれば、負担は補助金の返納分だけですむわけですが、そんな高値で売却するのはおそらく無理。中古価格を見る限り、せいぜい200万円ちょいというところではないでしょうか。残りの270万円程度は全額自己負担となります。

4年後の残価「保証」50%というのは、あくまでも4年間の保有に対するものであって、2年くらいで売却するとすべての計算が狂うことになります。残価「保証」ローンのお得さは、そのリスクを受け入れる代償でもあるわけです。

というわけで、このあたりまで検討を進めてみると、最初から中古車にすればいいんじゃないかという気になってくるわけです。中古車情報サイトをみると、「4年縛り」を終えたと思われる2015年式だけでなく、16年以降の比較的新しいものもマーケットに出ています。無理に新車にすることもなさそうです。