前回の続き。
目の前にスプーンが置かれたって事は、
三品目は、
「ことことブイヤベースです。」
ほいきた。
セロファンを開けば、海の幸の香りがプーンと鼻腔をくすぐる。
ズズ
うんめえ。
ブイヤベースを食べ終えた頃、列車は金田(かなだ)駅に停車。
列車を降りた乗客は、アテンダントに促され、駅前の郵便ポストに導かれた。
さてここで、この駅の名前を思い出して貰わねばならない。
金田駅→かなだ駅→カナダ
「ここで投函すれば、『カナダからの手紙』が出せると言う・・・ハハ」(アテンダント)
要するに駄洒落ざんすね。
でもさ、
そもそも曲が古すぎて、殆どの人はピンとこないと思われ・・・
「皆さん、発車の時間でーす。」
席に戻るとすぐに、テーブルに運ばれてきたのは、
「本日のメイン、和牛のローストでございます。」
「こちらは付け合わせの焼きカレーです。」
ほほう、なるほど。
ならば、
こうだ。
グビ
田川伊田駅到着。
ホームの向こうに聳えるのは、
『あんまり煙突が高いので♩さぞやお月さん煙たかろ♫サノヨイヨイ♪』
有名な炭坑節で、お月さんを悩ませたという二本煙突である。
ホームには、地元特産品が並べられている。
観に行ったよ、この映画。
懐かしいな。
出発時刻になり、列車に乗り込む。
コトコト揺られる私達の目の前に、最後のデザートが置かれた。
「枡パルフェでございます。」
地元酒蔵のお酒がベースなんだそう。
油須原駅
九州最古の木造駅舎との事。
気象告知板
昔は、こんなのがあったんだ。
駅長室
『規律と意欲 明るい職場』
標語がいいね。
改札口
出礼所
猫の足跡?
コンクリートが乾く前に、歩いちゃった慌てん坊がいたようだ。
現存する九州最古のトンネル、石坂トンネル。
思えば今年2月、このトンネルを見に行ったのが、今回の旅のきっかけである。
こちらはトンネルはトンネルでも、自然が作った木のトンネル。
枯れ枝や倒木など、この区間の線路管理はさぞや大変だろう。
そして列車は終点行橋駅へ。
美味しい料理に、明治産業遺産の一翼を担った沿線風景。
ことこと列車の旅は、これにて終了である。