小郡の溜池に、鬼蓮が繁茂しているという。
大保池。
面白いのは、60年前にこの池から姿を消した鬼蓮が、突如再び、その姿を現したと言う点である。
識者によれば、
『池を横断する市道の拡幅工事が刺激になったのでは?』
との推測も。
葉に浮かぶトゲは、正に鬼の名に相応しい。
これなどは、優に直径1mを越えている。
水面を覆い尽くす鬼蓮。
数羽の鷺が、葉の上をのんびりと歩いている。
私でも歩けそうな気になってくるが、
無論、いかなる忍者道具を以てしても、そんな事は不可能である。
ヒシの花。
これは花芽では無く、生まれたての葉っぱ。
説明板によると、
花には水中の閉鎖花と、水上の開放花とがあり、開放花はこう言う姿との事。
花期は8~9月。
だが、水面の何処を探しても見当たらない。
「もしかしたら、あれ?」(家内)
もしそうだとしたら、既に終わってしまったのかも。
花は来年の宿題である。
鬼蓮は日本の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
福岡県では絶滅危惧Ⅰ類である。
よくぞ復活したと、拍手したいところだが、
元々鬼蓮は休眠性を持っており、突然現われたり、消えたりするものらしい。
何とまあ、気儘な植物なんだろう。
これではそのうち、
『世知辛い浮世が嫌になったぜ。今から60年ばかり寝よっと』
なんて事になりかねない。