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ネットはいつからリアルの仲間外れになったのだろうか

2006-02-09 23:55:08 | Net.body

ネットはリアルなのかヴァーチャルなのか。答えは簡単で、ネットはリアルでもありヴァーチャルでもある。でもそれは、いわゆる「現実社会」での会合、電話、手紙といったものがリアルであるということではない。「現実社会」もまたネットと同様にリアルでありヴァーチャルでもあるのだから。

ということで、ちょっと考えてみました。

なお、この記事では「」が非常に重要なので、その点だけは見落として欲しくない。例えば、現実リアル仮想現実ヴァーチャルリアリティというように「」がない語句は本意です。しかし、「現実」「リアル」「仮想現実」「ヴァーチャルリアリティ」というように「」で括った語句は本意ではないのです。誰かが「現実社会」とか「リアル」という言い方をしている場合には、そのまま書かざるを得ないので、そのようにしているだけです。

-現実と仮想現実

先ず、現実と仮想現実の違いを明らかにしておきます。勿論これは筆者の解釈でしかなく、残念ながら世界人類の共通の認識には至っていませんが。また、その他の用語についてもいくつか説明しておきます。

  1. 現実
    本来はこの世の中の全てのことなので仮想現実の実装も現実に含まれるのですが、この記事では敢えて「仮想現実の実装を含まない現実」が現実である、つまり仮想現実の反意語(対義語)であるものとする。
    また、リアル (real) もまた現実の言い換えでしかない同意語とする。

  2. 仮想現実
    人間の五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を利用して(錯覚させて)、様々な疑似体験をすること。
    現在の仮想現実の実装の主流は、コンピュータやネットワークを利用したものだが、それだけではない。
    また、ヴァーチャルリアリティ (VR: virtual reality) や単にヴァーチャル (virtual) という語句も仮想現実の同意語とする。更にこの記事では、仮想現実の実装(実現手段)も敢えて「仮想現実に含む」ものとする。
    なお、著名なSF『スタートレック』に登場するホロデッキが究極の仮想現実とも考えられるが、患者を治療する緊急医療用ホログラム(EMH:ドクター)が存在したり安全装置を外したホロデッキでは殺人もできるので、ホロデッキは行き過ぎた仮想現実なのかも知れない。

  3. 複合現実
    現実と仮想現実を組合せて様々な疑似体験をすること。
    また、ミックスドリアリティ (MR: mixed reality) という語句も同意語とします。
    更に、この記事では複合現実は仮想現実の一種であるとし、現実ではないものとする。

  4. ネット
    インターネット (Internet) の技術を利用して実現されている社会のこととし、魚網や虫取り網、各種スポーツで使う領域仕切り網などは、ネットに含まれないこととする。
    ネットには、ワールドワイドウェブ (WorldWideWeb) またはウェブ (web)、電子メール (e-mail)、携帯電話メール、チャット、インスタントメッセージ、ファイル転送、電子掲示板などが含まれるものとする。
    # ネットの基本は、誰もが参加することができるものです

  5. 「現実社会」
    「現実社会」は、現実社会のうちのネット以外の部分のこと。
    国会、組織における会合、井戸端会議、テレビ、ラジオ、電報、電話、携帯電話の通話サービス、ファクシミリ、レタックス、日本郵政公社メール(旧郵政省メール)、宅配便、駅や学校の掲示板、古文書、新聞、書籍、机の中に隠してある日記、今は彼女が書く番の交換日記などを含む。
    ただし、携帯電話メールや電子掲示板などは除く。また、IP電話やIPファクシミリなどIPが必須な機器であっても、利用者がインターネットを意識していない場合は、例外的に含むものとする。
    # 例えば一台の電話機が、利用者によってネットに含まれる場合と「現実社会」に含まれる場合がある

  6. SNS
    ソーシャルネットワーキングサービス (Social Networking Service) のことで、何をするにもIDが必須な会員制システム。また、SNSなウェブサイトのことをSocial Networking Siteと呼ぶ限定的用法もある。
    その実装にはIP(インターネットプロトコル)が不可欠であるため、インターネットの一部と考えられがちだが、その多くはインターネットには含まれない。その理由は、参加には何らかの条件付会員登録が必須で(誰もが参加可能ではなく)、会員や非会員のアクセスをサービス提供者がIDにより自由に制御できるため。
    # 読み出しが無条件に許可されている例外的なSNSもある
    なお、この記事では「現実社会」の反意語としてネットを定義しているため、SNSもネットに含まれるものとする。

  7. イントラネット
    イントラネット (intranet) は、企業・団体などの組織に閉じたネットワークで、その多くはIPで実装されている。
    これもまたインターネットではないが、「現実社会」の反意語としてのネットに含まれるものとする。

  8. その他会員向けサービス
    goo掲示板gooブログのように、メッセージや記事の投稿や管理は権限のある会員しかできないサービス。
    メッセージの投稿画面や記事の管理画面は権限のある会員にしか表示されないが、サービスの本意であるメッセージや記事の閲覧は誰でもできる。
    # アクセス制御している場合もあるけど
    これらも、「現実社会」の反意語としてのネットに含まれるものとする。

-「現実社会」に仮想現実はないのか?

いわゆる「現実社会」にも現実があることは、多くの方が納得されると思いますので、そこら辺は書きません。では、「現実社会」に仮想現実があるのかというと、勿論あります。

仮想現実を思い出してください。五感に訴えて疑似体験できれば何でもよく、その実装(実現手段)はネットやコンピュータだけではありません。景勝地の写真を眺めて旅行した気分になったり、H.G.ウェルズのラジオドラマ『宇宙戦争』を聴いて宇宙人が攻めてきたと思ったり、精進料理の「鰻」の蒲焼を食べて鰻を食べた気になったり、DVD再生機と眼鏡型画面で映画を観てその場にいる気になったり。まぁ色々あるわけです。

良い仮想現実だけではありません。妄想癖が非常に強い人との会合、電話、手紙のやり取りなどは、殆んど全てが「仮想現実」ですね。きっと、その人の存在さえ信じられなくなってきますよ。

「現実社会」には仮想現実がないと仰る方は、想像力が欠如しているのか、妄想とは縁のない人生を送ってきたのか、どちらかなのかも知れませんね。

-ネットに現実はないのか?

ネットにも仮想現実があることは、多くの方が納得されているようなので、これも書きません。というか、個人的にはネットに仮想現実は少ないと感じていますので、例を挙げろといわれると実は困るのです。

そんなことは置いといて、ネットに現実があるのかというと勿論あります。何故なら、疑似体験でなければそれは全て現実なのです。例えば今あなたが読んでいるこのブログの記事は、仮想現実でしょうか?そんなことはない筈です。この記事の実体はインターネットを通して送られてくるバイト列ではありますが、あなたの閲覧環境では日本語の文章として表示され、あなたは読んでいることでしょう。

ブログだけではありません。ニュースサイトに掲載されている記事、電子掲示板に書き込まれたメッセージ、家族や恋人とやり取りしている電子メール、友だちとお話しているインスタントメッセージ。どれをとっても全て現実です。

確かにその媒体は、新聞、書籍、テレビやラジオではありません。手紙でもなければ、電話でもファクシミリでもありません。それでもあなたは、ニュースを知ることができ、会話相手の考えが分かったり、文章だけではなく声を聞いたり顔をみることもできます。
# 触覚、味覚、嗅覚に訴えるものは少ないかも知れませんが

いわゆる「現実社会」との大きな差は、そのコスト(手間や費用)が大幅に軽減され、今まで困難だったことが容易になっただけなのです。

地球の裏側の人々とほぼリアルタイムに会話したり、手紙のやり取りをすることは、ネットがなければ高価で手間がかりますが、今は非常に安価にできます。自伝を書籍として誰もが読めるくらいの部数を出版することは、著名な作家でもなければ容易ではありません。しかし、毎日記事を書き、相手が望めば誰でも読むことができるようにしておくことは、ブログなら非常に容易です。

-ネットは全て真実なのか?

ここでちょっと問題になるのが、現実と真実の違いです。

ネットで現実に情報を得たり人間関係を築くことは、容易です。コストが低いので、容易過ぎるくらいです。しかし、それが全て真実とは限りません。現実に得た情報や人間関係が真実とは限らない点は、ネットも「現実社会」も一緒なのです。ただし、情報発信コストや会話のコストが「現実社会」よりもネットの方が格段に低く、騙ることも容易であるため、「現実社会」よりもネットの方が真実ではない現実が多いことも事実でしょう。

例えば、男性が女性を名乗ることは容易ですし、女性としての写真を掲載したり、女性としての声を流すこともできます。逆に、女性が男性を名乗ることも容易ですし、名乗らないことも容易です。その気になれば、相手を騙すことも「現実社会」よりは容易でしょう。

-ネットで感覚はたらくのか?

ネットと「現実社会」との大きな差は、はたらく感覚の差が大きいということです。現在のインターネット技術では、視覚と聴覚くらいしか活用できません。また、情報量にも大きな差があります。

例えばどこかでチャットをするとします。チャットの主力はテキスト(文章)ですから、使える感覚は視覚だけです。一部のチャットでは「音声」が使えますが、それでも視覚と聴覚くらいしか使えないのです。つまり「現実社会」でいうなら、電報と電話を同時に使うくらいの情報量しかないのです。

「現実社会」でチャットに相当する井戸端会議では、どうでしょうか。口談するのも筆談するのも、自由です。この時点で情報量はチャットと同じだけあります。更に顔色を知ることもできますし、場合よっては触覚や嗅覚や味覚も活用できます。
# 活用方法は、自由にご想像ください

これだけ情報量が違うのですから、ネットで誤解とか錯覚してしまうことは、多いかもしれません。しかしそれは、現実を誤解したり錯覚したりしているだけで、仮想現実とは違うのです。つまり、仮想現実は被験者が積極的(故意)に感覚を錯覚させて疑似体験するのですが、ネットでの誤解・錯覚は被害者の過失であったり、加害者の故意・過失によるものなのです。

-気になった記事

ここで気になった記事をいくつか。

先ずは、ネットはいつ「リアル」の仲間入りするのだろうかという記事で、勝手に要約すると以下のようになるのか。

  • ネット上の人格は「現実社会」の人格と異なっているので、鵜呑みにするな
  • ネットのコミュニケーションでは心は伝わりにくい
  • だからといって、ネット≠リアルというわけではない

まぁその通りだと思う。だけど、ちょっと記事のタイトルが好きじゃない。ネットはいつ「リアル」の仲間入りするのだろうかと聞かれても困るのだ。ネットは登場した時点からリアルだったし、メールにしてもニュースグループにしても、参加者名が名前@組織ということで、「現実社会」よりもむしろ匿名性が低くかったと考えられるし。

個人的には、ネットがいつからリアルの仲間外れになったのかを知りたいところだ。

次に、別の記事と気になった部分を。

ウエブと、手紙や電話などの明らかな違いは「見知っている相手」とのみのコミュニケーションであるか否かという事があげられると思います。

手紙も電話も基本的には知り合いから受け取るものです。

ダイレクトメールや勧誘の電話もありますが、ウエブのように見知らぬ人の書き込みを読んだり聞いたりする事はあまりないと思います。


ウエブはリアルかバーチャルか - 煩悩是道場
太字は、引用者による。

上の記事においては、ウェブと「現実社会」の前提条件が違いすぎると思う。つまり、「現実社会」で電話番号や住所(手紙の送り先)を公開しているのかどうかということだ。どう考えてもこの方は、自分の電話番号や手紙の送り先を知り合いにしか公開していないとしか思えない。

例えば著名な書籍を出版していて、そこにファンレターの送り先が明記されていたり、ましてや携帯電話の番号でも書いてあったら、見知らぬ人から大量のファンレターが送られてきて、電話もひっきりなしだと思いますよ。

しかし、ウェブ上では立派にブログを「出版」なさっている。それなら、見知らぬ人から大量のコメントが投稿されたりソーシャルブックマークが付いても、不思議じゃない。ウェブと「現実社会」を比較するには、ちょっと前提条件が違いすぎはしませんかね。

-結局なに?

ネットと「現実社会」のどちらにも、現実(リアル)もあれば仮想現実(ヴァーチャルリアリティ)もある。それに、ネット社会/非ネット社会と現実/仮想現実は、そもそも別次元のことだと思うのです。

つまり、ネットはリアルなのか?とか、非ネット社会にヴァーチャルはないのか?とかいうのは、右と左に対して、右は北なのか?とか、左は南になりえないのか?という質問だと思うのです。

ただし、そういう誤解をしている人は多いかも知れません。もしくは、ネットはオンライン/非ネットはオフラインと、ヴァーチャル/リアルがごっちゃになっているだけなのかも。


↑Bネットはいつ「リアル」の仲間入りするのだろうか - H-Yamaguchi.net 2006年02月06日01:01
ウエブはリアルかバーチャルか - 煩悩是道場 2006年02月09日



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1 コメント

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なげぇ (ゆやぁ)
2006-02-10 15:24:58
むぅー、長いからよくわからんが・・・

やっぱリアルじゃなきゃやーね

仮想とヵ・・・(*/∇\*) キャ謎

|彡モサッ!
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