私は武道家としても、一人の人間としても本当に未熟ですし、“格闘”で強いということであれば、私などより強い方々はそれこそ数えきれないほどおられます。
華々しいキャリアもありません。
“修行”ということであれば、修行僧の方々をはじめとして日々厳しい修行を積まれている方々には顔向けできない程度です・・・。
そんな私に唯一誇れることがあるとしたら、ただひたすら武道・空手を愛し、40余年一途に取り組んできたということのみです。
その中で、武道・空手は肉体的にも精神的にも弱く自信のない、そして秀いでたものも何もなかった私に、言葉では表わせられないほどのたくさんの宝を与え続けてくれました。
感動、充実、経験、弟子、友人、仲間、家族、役割、仕事・・・。
今の私の大切なものは全て武道・空手から頂いたものです。
私は自分のことを元来“好戦的”な人間ではないと思っています。
年齢を重ね、その想いは増々強くなっています。とくに残酷なことへの嫌悪感は年々大きくなってきています。
“強く”なりたいとは強烈に思いましたが、その強さも今思えば、人を倒したり、人と争ったりする中での強さではなかったような気がします。
ならばいっそ他の“修行”を選べばよかったとも思いましたが、“運命”というのはあるのか、何故か私は武道・空手に出会い、そしてその奥深さの全てに魅入られてしまいました。
具体としては“戦う”という身心と技を究めていく“道”に身を置きながら、戦うということに意義を見い出すことが困難になり、武道家としてかかえた矛盾に苦しんだ日々もありました。
しかし、武道とは“矛”を“止”める“道”という文字の原点と“空手に先手なし”という先人の言葉に救いを頂き、現在、この本で綴らせて頂いたような武道・空手観に至りました。
武道・空手が内包している人間開発に対する有益性は、はかりしれないものがあります。
そんな武道・空手に少しでも役に立ちたい、私でも何か役に立てることがあるはずだ・・・という想いから1995年に空手道豊空会という団体を発足しました。
以来、20余年、自らの身心を実験のフィールドとして様々なものを吸収しつつ、武道・空手をさらなる進化・深化・新化、真化したシステム“道”にし、提案、普及していくことを目標に活動しています。
そんな中、今般「本を書いてみないか・・・」というお話しを頂き、恐縮至極な思いでいっぱいではありましたが、これまで40余年の私の武道・空手に対する“愛”を皆様にお伝えさせて頂ける機会を与えて頂いたと思い、万が一にも武道・空手普及のほんの一助になるようなことがあれば・・・。という淡い期待を込めて一所懸命に綴らせて頂きました。
私は、武道、ひいては“道”という日本が生み出した素晴らしい文化を、その目的や方法を損うことなく、より多くの方々に取り組んで頂きたいと日々切に願っています。
神道・書道・茶道・華道、そして武道・・・。
“道”は、日本という国と日本人に希望と誇りを与える力があるということを確信しております。
もっともっと皆さんにいそしんで頂き、その素晴しい効果を実感して頂きたいと心より願っています。
是非お近くの“道”場へ!
武道・空手がいつの日か真に“矛”を“止”める“道”になることを祈って・・・。
“道”やりませんか!?
追記
武道・空手を愛し、一途に“この道”を歩んで参りました。その過程で様々な御先達の方々の御指導、御影響を頂きました。
そのお蔭で現在の私があります。この本の内容に関しましても、それらを集大成させたものと言えます。この場をお借り致しまして深く御礼申し上げます。
心より深謝申し上げます。
空手道豊空会始祖師範
田部井淳
華々しいキャリアもありません。
“修行”ということであれば、修行僧の方々をはじめとして日々厳しい修行を積まれている方々には顔向けできない程度です・・・。
そんな私に唯一誇れることがあるとしたら、ただひたすら武道・空手を愛し、40余年一途に取り組んできたということのみです。
その中で、武道・空手は肉体的にも精神的にも弱く自信のない、そして秀いでたものも何もなかった私に、言葉では表わせられないほどのたくさんの宝を与え続けてくれました。
感動、充実、経験、弟子、友人、仲間、家族、役割、仕事・・・。
今の私の大切なものは全て武道・空手から頂いたものです。
私は自分のことを元来“好戦的”な人間ではないと思っています。
年齢を重ね、その想いは増々強くなっています。とくに残酷なことへの嫌悪感は年々大きくなってきています。
“強く”なりたいとは強烈に思いましたが、その強さも今思えば、人を倒したり、人と争ったりする中での強さではなかったような気がします。
ならばいっそ他の“修行”を選べばよかったとも思いましたが、“運命”というのはあるのか、何故か私は武道・空手に出会い、そしてその奥深さの全てに魅入られてしまいました。
具体としては“戦う”という身心と技を究めていく“道”に身を置きながら、戦うということに意義を見い出すことが困難になり、武道家としてかかえた矛盾に苦しんだ日々もありました。
しかし、武道とは“矛”を“止”める“道”という文字の原点と“空手に先手なし”という先人の言葉に救いを頂き、現在、この本で綴らせて頂いたような武道・空手観に至りました。
武道・空手が内包している人間開発に対する有益性は、はかりしれないものがあります。
そんな武道・空手に少しでも役に立ちたい、私でも何か役に立てることがあるはずだ・・・という想いから1995年に空手道豊空会という団体を発足しました。
以来、20余年、自らの身心を実験のフィールドとして様々なものを吸収しつつ、武道・空手をさらなる進化・深化・新化、真化したシステム“道”にし、提案、普及していくことを目標に活動しています。
そんな中、今般「本を書いてみないか・・・」というお話しを頂き、恐縮至極な思いでいっぱいではありましたが、これまで40余年の私の武道・空手に対する“愛”を皆様にお伝えさせて頂ける機会を与えて頂いたと思い、万が一にも武道・空手普及のほんの一助になるようなことがあれば・・・。という淡い期待を込めて一所懸命に綴らせて頂きました。
私は、武道、ひいては“道”という日本が生み出した素晴らしい文化を、その目的や方法を損うことなく、より多くの方々に取り組んで頂きたいと日々切に願っています。
神道・書道・茶道・華道、そして武道・・・。
“道”は、日本という国と日本人に希望と誇りを与える力があるということを確信しております。
もっともっと皆さんにいそしんで頂き、その素晴しい効果を実感して頂きたいと心より願っています。
是非お近くの“道”場へ!
武道・空手がいつの日か真に“矛”を“止”める“道”になることを祈って・・・。
“道”やりませんか!?
追記
武道・空手を愛し、一途に“この道”を歩んで参りました。その過程で様々な御先達の方々の御指導、御影響を頂きました。
そのお蔭で現在の私があります。この本の内容に関しましても、それらを集大成させたものと言えます。この場をお借り致しまして深く御礼申し上げます。
心より深謝申し上げます。
空手道豊空会始祖師範
田部井淳