大規模なロックフェスの大トリと移動直後の地方公演は、肉体的に難儀である
重責からの解放とやり遂げた充足感が齎す二次的な産物 ― 疲労感
しかしながら、その道の百戦錬磨の兵たちにとっては日常であり、心構えもあるはずである
昨年はSEで幕を開けたSearching For Freedomがマイケル自らの演奏で幕を開けるという心憎い演出に一瞬喜んだものの、何か引っかかる....
次の瞬間、マイケルが発するアナウンスが甘めのバリトンとは程遠い濁声だったことに違和感を覚えた
もしかして.....体調不良?!
昨今のマイケルは、エモーショナルな表現力が薄れてきつつあるものの技術面ではむしろ盤石だったはずが、とりわけインストにおけるミスの連発に不安を抱いた
何がマイケルをそうさせたのか.....?
彼の不調の原因は、疲労ではない
精神的なものだ
私自身初めての体験だったが、客の入りが6割強という有様で、にわかには信じ難く、何度も2階席を仰いだものである (*1)
私を含めた県外からの遠征サポーターが1割弱だったとすると、客席は半分しか埋まらなかったことになる
前日のラウパへの県外参戦者が多かったにせよ、寂しい現実ではある
その予感は無きにしも非ず
実際、私自身はマンネリを感じていた
独創性と新鮮味への努力を怠ったツケが回ってきたのではないかと思われてならない
Love is Not a GameがNo Time For Losersに、Shoot ShootがNatural Thingに変更され、Lights Outのおまけは付いたものの、昨年の選曲とほぼ同じではあまりに工夫がない
観客の減少はMichael Schenker Festへの戒めである
その結果に対してもしもやる気が失せたのだとしたら、それはお門違いである
まずはしっかりと反省すべきである
全体的に締まりがなかった
彼らの狎れが緊張感を奪い、もどかしさすら感じた
念願のBroken Promisesの披露も、グラハムの覚束ない歌唱に失望させられた
そう、今回は全く冴えなかった
Lights Outでの彼は“無理矢理歌わされた感”が伺え、サプライズ感よりも情けなさが勝った
Natural Thingのギターソロにおけるタイソン(*2)の飛び入りも、驚きよりも彼のアイコンタクトにまともに応じられないマイケルの余裕のなさが.....情けなかった
そんなマイケルの不調を払拭するかのようなゲイリーの張り切りとロビンの安定した歌唱力が、印象的だった
今回ロビンの歌う機会が増えたのも彼の変わらぬ高いプロ意識の賜物だろう
Lights Outにおけるグラハムとは対照的なふたりの生き生きとした素振りが、実に暗示的で ― つまりはゲイリーとロビンの活躍あればこそのまずまずの出来であった
約2時間の宴は、いつもよりも長く感じた
勿論、初めての感覚である
10列目だったプレミアムシートが.....ちょぴり切ない
但し、ライティングの妙と撮影OKの初体験は、プレミアムだったと言えるかもしれない
SET LIST:
Searching For Freedom
Into The Arena
Let Sleeping Dogs Lie (fea. Gary Barden)
Victim Of Illusion (fea. Gary Barden)
Cry For The Nations (fea. Gary Barden)
Attack Of The Mad Axeman (fea. Gary Barden)
Armed And Ready (fea. Gary Barden)
Coast To Coast
Desert Song (fea. Graham Bonnet)
Dancer (fea. Graham Bonnet / Gary Barden、Robin McAuley)
Broken Promises (fea. Graham Bonnet)
Assault Attack (fea. Graham Bonnet)
Captain Nemo
No Time For Losers (fea. Robin McAuley)
This Is My Heart (fea. Robin McAuley)
Save Yourself (fea. Robin McAuley)
Bad Boys (fea. Robin McAuley)
Rock Bottom (fea. Robin McAuley)
Doctor Doctor (fea. Gary Barden、Graham Bonnet、Robin McAuley)
Natural Thing (fea. Robin McAuley / Tyson Schenker)
Lights Out (fea. Gary Barden、Graham Bonnet、Robin McAuley)
【註】
(*1)....メインホールのキャパは2754人 (1階:1706人 2階:1048人)
コンサート、コンクールなどの挙行に利用されるも、生音に不向きな会場と言われている
(*2)....マイケルとタイソンの共演は過去に海外のロックフェスで披露済だが、日本では初めてである
余談だが、グッズ販売ブースで甲斐甲斐しく働くタローの姿は頼もしく、改めてカッコイイと思った
マイケル、タイソン、タローの親子が揃った今回の公演はある意味サプライズであった
お会いできませんでしたね(^^;
ずばりJICKさんの感想はいかがでした?
ラウパのマイケルは調子良かったですか?
実は...
開演前にJICKさんが私の脇の通路を歩いている姿を目撃しています(笑)
3列目か4列目あたりのほぼ中央の座席をお仲間の方々と陣取っておられて、かな~~り羨ましかったです☆
ホールならではの醍醐味もあまり感じられず、奮発した甲斐がなかったことが非常に残念です.....
友人は4列目で陣取ってはないですよ、たまたま近かっただけです(笑)
マイケルはラウパの方が多少は良かったかな?くらい。
風邪ひいて体調悪かったらしいですね。
グラハムはもうちょっとマシでした(笑)
ホールは私の位置で中野サンプラザだったら、もっと音的には悪かったと思います。
位置にしては、ちゃんとまともな音が聴けました。
もしかしてラウパも良席だったのでは?
マイケルは風邪をひいていたとのことですが、やはり釈然としません
思い出の大阪参戦が3度目の正直ならぬ‘3度目は期待外れ’だったことにやや落ち込んでいます....
ちなみに、私は中野サンプラザの方が音響的にはいいと思いました
バランスは良かったですが、広がりがあまり感じられず、名ばかりのプレミアムシートだったこともがっかりの要因のひとつでした....