Menton Capital's office

政府、中央銀行、そしてメディアによる我々への欺瞞

そして来る未曾有の世界規模とされる大恐慌への処方箋として

今日の3大高

2010年11月09日 | Weblog
 FRB議長であるバーナンキ氏が「株高が個人消費を刺激する」との見解を表明したことで、中央銀行総裁の技量が明らかになったのではないだろうか。超エリートの考える景気回復とは株高と言っているわけだ。エリートとは、やはり所詮こんなものである。
 また彼らはインフレ推進派であるだけに今回の追加金融緩和は今ところ成功しているわけだ。株式、債券、商品の3大高により、彼らは景気回復への道筋が見えるとでも言わんばかりの行動だが、これはただのバブルに過ぎない。
 チャートで見てもらえれば一目瞭然だが、ほぼすべての市場に買われすぎが確認できる。異常気象で持ち上げられた商品市況には更なる投機マネーが入ったようだ。以上からしてもバーナンキは投機が実需を刺激すると言っていることになる。過去に投機がリセッションを抑え、景気回復に向かわせるといった事象が在っただろうか。
またインフレ資産が買われる一方で、米ドルとGSR(ゴールド・シルバー・レシオ)は売られすぎとなっている。GSRにおいては週末52.09ポイントにまで下落した。もちろんこの状態は現在、末期であることはチャート上のテクニカルが教えてくれている。そして問題はいつ反転するかという所だが、何度も言うようにそれは遠い未来ではないはずだ。

週明けの日本市場は週末の流れを引き継いで、106円高の9732円にまで上昇した。先週木曜から3営業日で市場は大変持ち直している。世間では世界各国の株式市場に遅れていた日本市場が、遅れを取り戻し始めたという声も出ていることだろう。
確かに日経平均は世界的にベアであり、回復が非常に遅れていた。しかしこの日経平均をドル建てで見ると現在の水準は約119ドルである。そしてリーマンショック前の水準である113ドルを十分クリアしているのだ。また今年4月頃の超強気であった時期で121ドルであったことから、今日の水準はなにも日本の株式市場が世界的に低迷しているというわけではないことが読み取れる。
円高ドル安で見ると、また新しい1面が見えてくるわけだ。そしてこのドル安により世界中のインフレ資産が買われているのだから、国内の日経平均が低調であるとはいえ、世界的な今日の買われすぎに日本も含まれると筆者は捉えている。