Menton Capital's office

政府、中央銀行、そしてメディアによる我々への欺瞞

そして来る未曾有の世界規模とされる大恐慌への処方箋として

モノラインの破綻

2010年11月03日 | Weblog
今年1月に開業したドバイの超高層ビル「ブルジュ・ドバイ」はまだ記憶に残っているだろう。その高さ世界一を誇るビルの住宅賃料が最大4割下落していることが明らかになった。まさしくバブルの塔を地でいっているわけだ。
また9割以上は販売済みだそうだが、投資目的で買われているのが大方らしく、それゆえにほとんどが空室であることはあまりにも皮肉のように見える。これこそ2000年代のバブルの象徴であったことは後々言い伝えられるにちがいない。そしてそれから長期にわたる大恐慌が世界を襲ったと数十年先の歴史書で見ることができるのではないだろうか。

 今日、円安円高といった為替変動は一時期ほどに日経平均へ影響しなくなっているように感じられる。為替どうこうでなく、日本の市場が各国に比べて異様に弱い今日。世界各国の株式市場が下を向き始めたら日本はより一層の下落圧力に見舞われるだろう。
 さて話を戻して円についてである。今回のFedの活発的な行動により、今後の円相場ももちろん変わってくるというものだ。より一層のドル安トレンドになるなら80円割れは受け入れなくてはならない事実である。
 では逆にドル高に向かうとするなら、円はもちろん円安に向くことになる。これまで円やドル以上に強い通貨であったことから、市場に不安が広がると円が買われてきた。しかし今日のトレンドはドルの全面安であったことはもはや周知の事実だ。それゆえに米ドルが反転するなら、円高から円安へと変わる可能性が高まっている。
しかし上で述べたように、今日の日経平均は為替にそれ程反応しなくなっていることがここでの悩みの種となってくる。円安になったところで、株が上がらないという現象が近い将来目の当たりにするかもしれない。ただここで付け加えおきたいのは、それはなにも歪んだことでなく、どちらかというと自然なのだ。
そういったことから日本人は円高が経済にとって悪くなかったということに気づき始めるのかもしれない。自国通貨が強いということは決して悪いことではないのだ。

07年から08年の市場のトラブルメーカーの1つであったモノライン(金融保証会社)のアムバックが破綻申請の可能性を発表した。30日以内に利払いができない場合、債務不履行に陥るようだ。これが米国の現状だ。いくら政府が景気刺激策を出したところで、それは企業の破綻を先延ばしにしているだけではないだろうか。