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空と地面に挟まれて

ある人の平凡な日常を書き留める場所

物語-回想-

2005年10月24日 23時21分25秒 | 妄想
埃を被っている電車のシートの軽く叩き埃を払いながら
3年前のことを思い出す

まだこの国が世界でも有数の大国だった頃
政治の汚職、裕福な社会である故の歪んだ犯罪
物質的には恵まれていてもどこか病んだ人々・・・
だが今から見れば、地上の楽園と言ってもいいだろう
そんな平和な国で俺はただの一般人として生きていた
朝起きて仕事に行き夜に帰って休んでは寝るの繰り返し
当時はその生活に満足していたし、それなりに楽しんで生きていた

ある時、世界で一番の大国が自国のエゴから戦争を始めた
戦争対象にされた哀れな国は自国の隣にあった小国である
哀れといってもその国のやっていた事は国際的な犯罪であったし
自国もすぐ隣に位置してる事から大きな被害を受けていたので
同盟関係を結んでいた大国に協力し、戦争を正等と認めていた。

戦争は当然の結果ながら大国が小国を波が砂の城を流すように圧倒していった
元々の戦力が違いすぎるのだ。最初から判っていたことである
しかし・・・小国にはその差を埋めて余りある兵器を既に持っていた
戦争が終ろうというその時・・・滅びる寸前、小国はその兵器を使った

結果は今のこの国の姿が物語っている
小国が使用した兵器は大国とその同盟国であった自国に向けられ
大国はほぼ消滅し、自国も壊滅的な被害を受けた
その後、世界の軍事バランスは崩壊し地上の大半の国家が炎に包まれ
人類の文明のレベルは中世の時代まで下がったという

自国の人口は最初の兵器の直撃で国家の中枢を失い、人口は2分の1に低下した
そして、その後の混乱で当初の10分の1になったという
人口がここまで低下した自国は国家として完全に崩壊し
人々は無法地帯となった社会の中で生きることになった

ある物語

2005年10月22日 23時39分29秒 | 妄想
あれから3年
今日も俺は生きている…

泥水を啜り、ドブ鼠を食らい、雨風を避けるために日々住処を転々とする日々
かつては最も住み良い国として繁栄した祖国が今は弱肉強食の荒野だ

何故こんな時代になったんだろうか…
本当は判っている何も判らないような歳じゃない
もう動かない薄汚い電車の残骸を今日の寝床と決めた俺は
久しぶりに過去を思い出しながら眠ることにした・・・