先日行われた山口の参院補選で結局安倍晋三の後継が勝利した。当選した吉田という人物には、なんだか差別的な言動があったとかなかったとか。いつものことかと諦め・・・
で、対抗馬に統一教会の問題を追求していた有田芳生氏が立候補したが、敗戦。保守王国に一定の問題提起ができたと。僕が取り上げたいのは、吉本芸人の田村淳の選挙期間中の発言というかtwitter。
有田氏が「下関は統一教会の聖地だ」と言っているとして、「下関をカルト教団の聖地と印象操作した」として、田村氏は「ムカついた」そうだ。一応ネットから拾ってきた。
この記事でもわかるように、有田氏が下関が統一教会の聖地扱いされてもいいのか?と選挙民に問うているわけだから、完全なる誤読。少し前に『AIと教科書を読めない子供たち』という本があったが、この本で問題にしたような本当に国語力がないのか、わざとなのか、単に早合点したのか、悪意なのか、悪意がなく正義感からなのか、まあなんでもいいけれど、コンテクストを無視してはいけませんよ。
ちょっと調べると、彼は慶応の修士を出ているそうだ。学問を修めてきたのだろうから、文章をちゃんと読めて当然だと思うんだけれど、そういうことではないようだ。
で、彼に誤読だとの指摘がなされたが、論点ズラしをして、なんだかうやむやのよう。彼が影響力があるとかないとか、内田樹さんではないけど「ネットの言葉は呪いの言葉」だから、なんだか影響があるようだ。まあそんなことはどうでもいいけれど、無責任な発言であるのは間違いない。
で、結局重要ではない情報が世間に溢れることになる。そしてその情報に影響を受ける。そういう情報のサイクルがデフォルトになっている、それが私たちが生きる社会である。情報の不正確さの増大。いわゆる情報エントロピーの増大。
情報のゴミであふれる社会。無秩序になる社会。そういう事例だと思う。
その昔、芸人さんの発言には奥深いユーモアがあった。談志師匠とか、上岡龍太郎とか。言葉というものを見事に使いこなしていた。芸人の質が落ちたのか、情報環境のせいなのか、どっちもかなとも・・・。何が変化したのか、今度考えてみよう。
一昔前だと、傾聴に値する人物がメディアで発言していたと思い返す。
えっ、このブログだって情報のエントロピーの増大に寄与しているではないかと・・・