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2008年05月15日 00時20分18秒 | CINEMA
ポール・トーマス・アンダーソン久々の新作は
なんと重厚な人間ドラマでした。
アカデミー8部門にノミネートされた「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」。
原作は1927年出版のアプトン・シンクレアが執筆した「石油!」。


いやぁ、今年観た中で一番の出来でした!!
今までPTAは所謂グランドホテル形式と言われる
群像劇を得意としてきましたが、
今作は一転して一人の男の人生を描いています。
主演のダニエル・デイ・ルイスは欲深い石油採掘業者を熱演。
共演には「リトル・ミス・サンシャイン」で
評価の高かった若手ポール・ダノ。

また今作の音楽はレディオヘッドのギタリスト、
ジョニー・グリーンウッドが手掛けてます。
火災シーンの音楽なんかはレディヘっぽかったです。

今作のポイントとなるのはポール・ダノの存在。
監督は原作にない、あるトリックを使い観客を惑わせます。
私も観ている間は精神異常なのかと思いました。
元々は違う役者が演じる予定だったらしいですが、
急遽PTAの気が変わったらしい。
これが意図的なのかどうかは分からんが、
うまく観客の目も欺く結果に。

また強烈だったのが、
ダニエルが買収していない土地にパイプラインを敷くのと
引き換えにイーライが牧師を務める教会で洗礼を受けるシーン。
イーライは信者の前でダニエルを徹底的に辱める。
このシーンはラストの場面と対になっており、
最後には積年の恨みを晴らす事に。
そこでのダニエル・デイ・ルイスの演技が凄い。
この演技で見事二度目のアカデミー主演男優賞を受賞。

結局はいい大人が意地の張り合いをしているようでした。
民衆を支配・魅了する事、
欲深い事において二人は似た者同士だった訳です。

ラストシーンには妙なカタルシスが。
まるで飯でも食べ終わったかのような台詞に
ついつい笑いが込み上げてきます。
良質なブラックコメディのような味わい、
そういう意味において今回キューブリックを
引き合いに出して語られる事が多いのも納得。
また今作が、同じグランドホテル形式の作品で
名を馳せた故ロバート・アルトマンに捧げられているのも感慨深い。

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2 コメント

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Unknown (ほぼ浅野忠信)
2008-06-06 08:57:48
お久しぶりです。ほぼ浅です。
見ました。キョーレツおやじ一代記。エンディングまで見て、なるほどTHERE WILL BE BLOODなのねー、と。
あと、こんなに笑えるとは思いませんでした。
返信する
Re:ほぼ浅野忠信さん (めいぐると)
2008-06-07 00:53:51
お久しぶりです!!コメントありがとうございます!!

いや凄かったですよね、ダニエル・デイ・ルイスが。
対するポール・ダノも胡散臭さ爆発でした。

欲深く、罪深い人間が最後に勝つのはなんとも皮肉であり痛快でした。
返信する

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