
冬の間、明浜町は、関門海峡あたりから流れてくる寒気で、曇ったり雨や雪が降ることが多いです。
昨日まで天気が崩れていたのですが、今日はようやく晴れました。雲一つない、青空。
みんないっせいに、遅れていた収穫作業をする…と思いきや、中には、農薬散布をしている農家さんも結構見かけました。
農家には常識ですが、そうでない方のために解説いたします。一般に、農薬は、基本的には、雨の日は散布しません。また、雨の直前も、あまりやりません。雨に洗われてしまって、効果が低下するからです。
貴重な晴れ間に、農薬散布をしなければならないのが、一般のみかん農家さんです。
この時期に散布されるとすれば、たいていは、腐敗防止剤でしょう。
みかん農家には常識ですが、そうでない方のために解説いたします。
日本の一般的な、みかんには、必ず、腐敗防止剤が使用されています。収穫前に、散布されます。外国産のオレンジやレモンには、収穫後に防かび剤なんかが使用されますが、日本では、収穫前に、腐敗防止剤を散布します。(無茶々園では、使用を禁止しています)
さて、腐敗防止剤って、必要なものかどうか、検証してみましょう。
基本的に、みかんが腐敗する理由は、収穫の際にできた傷や、選果中についた傷、輸送中についた傷などから、カビが生えたりするものがほとんどです。みかんはもともと、外皮に殺菌効果を有していますから、自然に腐敗することはほとんどないといえます。ただし、完熟を過ぎて、過熟になれば、いずれ腐敗しますね。
あとは、大寒波によって、大雪が降ったり、強い霜が当たったりした場合、寒さに弱いポンカンなどは、雪焼けを起こして、腐敗へつながることがあります。
というわけで、腐敗防止剤散布をしようが何をしようが、はさみで傷をつけたり、鳥がつついたみかんは、いずれ腐る、ということで、それさえも腐らせないとすればどれほど強い化学物質なのかと考えてしまいます。
腐敗果を出さないために、私は経験の浅いアルバイトやお手伝いさんを、収穫には雇いません。はさみ使って3年以上か、それと同等の経験がないと、うまく収穫はできないと考えるからです。よその農家さんで、素人が収穫したみかんがほとんど全部腐った、というのを、間近で見ていますので。
で、私は今のところ、出荷したみかんの腐敗果混入率は、いつもお買い上げになっている皆さんのご存じのとおりです。
腐敗防止剤って、必要なんですかね~。
また、一般のみかんは、農協などから中間業者、小売業者、などなどを経て消費者へ届きますから、腐敗するリスクは高くなるわけです。
だから使うのかな?リスク回避のために。直販か、それに近い販売なら、いらない農薬だよなあとは、思っています。