MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

解答編

2006年06月05日 14時35分10秒 | 映画
今日は日曜日。
なんやかんや言いつつも、だらだらと仕事中。

さて、本日のBGMは、ちょっとファンキーにMedeski Martin & Woodです。


彼らがBlue Noteレーベルに移籍以降のノリのいい楽曲ばかりを集めたベスト版が最近発売になりました。
こういうジャンルを僕は具体的にどのように呼んだらいいのかよく分かりませんが、ジャズともファンクともヒップホップともつかぬ、とても新鮮な響きがあります。こういうムーブメントがジャズの新しい未来を形作っていくのかどうか、今後注目していきたいと思います。

さて、では問題の解答を書きます。
まずは富士山の問題です。世の中には“フェルミ推定”と呼ばれる方法があるそうです。フェルミ推定とは(世界に存在するピアノ調律士の人数を推定させる問題も同様です)、一見とんでもなく思えるある命題を、どこまで論理的に推測をして答えを導くかというものだそうです。
たとえば、富士山の体積はどの程度と推測できるか。その体積分に相当する計算上の土砂をトラックで運び出すには何台のトラックが必要であるか、などとあくまで理論的に計算してゆく方法なのだそうで、かなりあてずっぽうに近い計算ですが、うまく論理立てができれば実際の値とはそれほど大きく食い違わない数値になるのだそうです(もちろんその数を実際に調べることが出来る場合に限られますが)。

富士山をほぼ円錐形であると仮定し、底面の直径を2万メートル、高さを3千メートルとすると、富士山の体積はおおよそ5000億立方メートル(円錐の体積は円柱の1/3)。トラック一台で約30立方メートルの土砂を運べるとすると、富士山はトラック約150億台分の土砂に相当します。富士山をどこまで移動させるかは別として、もしこれを自分ひとりでやろうとした場合、一日に仮に2往復できたとしても富士山を動かすには単純に2000万年ぐらいかかる計算になります。もし世界中の人口60億人全員を総動員させることが出来た場合、2、3日あれば移動できます。

同様にピアノの調律士は世界に何人いるかという問題です。
想像力を振り絞ってこのように考えます。まずピアノが世界中に何台ぐらいありそうか。
世界中のピアノを管理するために調律士は何人ほど必要か。
たとえば、アメリカにはピアノが何台あるか。ピアノがあるのは一般家庭のみにとどまらずコンサートホールとか学校も入るが、おそらくピアノの大半は一般家庭にあるはずだと勝手に推測します。ピアノが買えるのは中流から上流家庭に限られます。アメリカの人口は約3億人、一世帯あたりの人数を平均3人と考えると、アメリカにはざっと1億世帯あって、そのうちの裕福な方の5000万世帯がピアノの主たる市場となります。では、このうちの何パーセントが実際にピアノを購入するでしょうか。100%の訳はないでしょうが、1%よりは多いのではないでしょうか。ということで、10%の家庭にピアノがあると仮定しましょう。するとアメリカには500万世帯にピアノがありそうだということになります。一応これをアメリカに存在するピアノの数であると勝手に決めます。次に、ピアノの調律士が何人必要かという問題です。500万台のピアノを保守するのに何人の調律士が必要か。
平均的調律士が週40時間働くとします。ピアノの調律には1時間ぐらいかかるとします。もちろんピアノはわざわざ調律士のところに持ち込まれるはずはないので、調律士自身がピアノのある家庭を移動しなければなりません。移動に1時間かかると考えると、結局平均的調律士は週に20台のピアノを調律することになります。つまり年間約1000台です。ではピアノの調律をどのくらいの頻度で行うかです。年一回でしょうか。あるいはもっとでしょうか。不精な家庭なら、何年も調律せずにほったらかしている場合もあるでしょう。そこは、勝手に推測してまあ、平均して年1回の調律としましょう。ピアノが年に一度調律され調律士が年に1000台の面倒を見られるなら、ピアノ1000台につき調律士が一人いればよいことになります。アメリカ全土に500万台のピアノがあるのですから、アメリカ全土には結局調律士が5000人いると予測されます。
世界の人口は60億人以上。アメリカの人口の約20倍です。しかし、ピアノの台数は単純に20倍という訳には行かないでしょう。おそらく20倍よりはずっと少ないはずです。
ヨーロッパ全土に、アメリカの2倍の調律士がいると考えましょう。それ以外の地域では全てあわせてアメリカと同じ人数の調律士がいると仮定します。そうすると、世界にいるピアノ調律士はアメリカ全土における調律士の4倍となり、2万人という数が求められます。
実際にこの数がどの程度妥当かはわかりませんが、少なくともアメリカ国内の調律士5000人という数値のみに関して言えばかなり妥当な数のようです。

ということで、たった2問解説するのにこんなに長くなってしまいました。
続きは次回とします。
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