10月に入りこちらヒューストンは急に涼しさを増してきました。
先週末に外出した際にはTシャツと短パンではさすがに少し肌寒く感じました。
緯度の上では亜熱帯に属する(本当か?)というヒューストンにもとうとう秋が訪れたようです。
さて、最近仕事に追われる一方で面白い話題も特にないので今日はまた映画の話をしようと思います。Egyptian-Americanの若手女流監督の撮った“Control Room”という映画です。
この映画は、現在アラブで最もcontroversialな存在といわれているテレビ局“アルジャジーラ”のジャーナリスト達の姿を追ったドキュメンタリー映画です。
アルジャジーラが放送を開始したのは1996年。以後、この放送局が欧米の報道とは一線を画し、アラブの視点に立ったニュースを世界に向けて発信しつづけていることは皆さんご承知のとおりです。
アメリカからは扇動的なイエロー・ジャーナリズムの筆頭として非難され、イラク戦争時にはどさくさにまぎれてバグダッド支部(?)にミサイルまで打ち込まれたアルジャジーラTVの内部をこのドキュメンタリーは克明に映し出していきます。
映画はアメリカ大統領ブッシュが「サダムフセインとその息子達に告ぐ。48時間以内にイラク国内から退去せよ」と演説するところから始まり、バグダッドの広場に立つサダムフセインの像が“サクラ”の市民達によって地面に引き摺り下ろされるまでの約2ヶ月の間にアルジャジーラが何を伝えたかを数人のアルジャジーラ記者に焦点を当てて描き出します。
おそらく、この映画を観た多くの人は自分がそれまで抱いていたアルジャジーラに対する偏った印象を改めずにはいられなくなるのではないでしょうか。一言でいうならば彼らは非常に“洗練”されています。身だしなみや、物腰、その語り口にいたるまで、いわゆる欧米メディア人のそれにむしろ近いといえます。実際、彼らの多くは欧米で教育を受けていますし、BBCなど欧米メディアから移ってきた記者たちも多くいるようです。もちろん、意図的に欧米人ウケしそうな人材を今回映画の取材対象として選んでいる可能性はあります。しかしそれを差し引いても尚、「アルジャジーラは扇動的プロパガンダを垂れ流すイエロー・ジャーナリズムである」と短絡するアメリカの言い分にそれほどの説得力があるとは思えません。
アルジャジーラの主張は、イスラム的というよりは、むしろ欧米のリベラルジャーナリズムに近いように思います(無論彼らの多くはイスラム教徒ですから決してイスラム的でないとは言いませんが)。映画の中で、アルジャジーラの報道が“欧米寄り”であるとして一部のアラブ人たちから抗議を受けるくだりが紹介されますが、これなどを見るとアルジャジーラはターゲットをアラブ圏内のみならず、広くイスラムを取り巻く欧米世界全体に対して設定しているのだということがよくわかります。つまり、欧米の視聴者にすら十分な説得力をもつ報道を試みるのであれば、イスラム的色彩をなるべく弱め、戦略的にリベラルに徹する必要が少なからずあったということではなかったかと想像します(もちろんどこまで意図的にそうしていたかは分かりませんが)。
監督のスタンス(意図)がどのようなものであったのかがよく分からないので、この映画を額面どおりに受け取っていいものかどうかは確信がもてませんが、少なくとも“メディアリテラシーとは何か”という問題に対する様々な示唆を与えてくれる映画であったことは間違いありません。
例によって日本での一般公開の予定はないようですし(NHKで放映されたというウワサがあります)、日本版DVDも出ていないようですが、とても興味深い内容になってますのでもしチャンスがあれば是非一度ご覧になってみてください。
先週末に外出した際にはTシャツと短パンではさすがに少し肌寒く感じました。
緯度の上では亜熱帯に属する(本当か?)というヒューストンにもとうとう秋が訪れたようです。
さて、最近仕事に追われる一方で面白い話題も特にないので今日はまた映画の話をしようと思います。Egyptian-Americanの若手女流監督の撮った“Control Room”という映画です。
この映画は、現在アラブで最もcontroversialな存在といわれているテレビ局“アルジャジーラ”のジャーナリスト達の姿を追ったドキュメンタリー映画です。
アルジャジーラが放送を開始したのは1996年。以後、この放送局が欧米の報道とは一線を画し、アラブの視点に立ったニュースを世界に向けて発信しつづけていることは皆さんご承知のとおりです。
アメリカからは扇動的なイエロー・ジャーナリズムの筆頭として非難され、イラク戦争時にはどさくさにまぎれてバグダッド支部(?)にミサイルまで打ち込まれたアルジャジーラTVの内部をこのドキュメンタリーは克明に映し出していきます。
映画はアメリカ大統領ブッシュが「サダムフセインとその息子達に告ぐ。48時間以内にイラク国内から退去せよ」と演説するところから始まり、バグダッドの広場に立つサダムフセインの像が“サクラ”の市民達によって地面に引き摺り下ろされるまでの約2ヶ月の間にアルジャジーラが何を伝えたかを数人のアルジャジーラ記者に焦点を当てて描き出します。
おそらく、この映画を観た多くの人は自分がそれまで抱いていたアルジャジーラに対する偏った印象を改めずにはいられなくなるのではないでしょうか。一言でいうならば彼らは非常に“洗練”されています。身だしなみや、物腰、その語り口にいたるまで、いわゆる欧米メディア人のそれにむしろ近いといえます。実際、彼らの多くは欧米で教育を受けていますし、BBCなど欧米メディアから移ってきた記者たちも多くいるようです。もちろん、意図的に欧米人ウケしそうな人材を今回映画の取材対象として選んでいる可能性はあります。しかしそれを差し引いても尚、「アルジャジーラは扇動的プロパガンダを垂れ流すイエロー・ジャーナリズムである」と短絡するアメリカの言い分にそれほどの説得力があるとは思えません。
アルジャジーラの主張は、イスラム的というよりは、むしろ欧米のリベラルジャーナリズムに近いように思います(無論彼らの多くはイスラム教徒ですから決してイスラム的でないとは言いませんが)。映画の中で、アルジャジーラの報道が“欧米寄り”であるとして一部のアラブ人たちから抗議を受けるくだりが紹介されますが、これなどを見るとアルジャジーラはターゲットをアラブ圏内のみならず、広くイスラムを取り巻く欧米世界全体に対して設定しているのだということがよくわかります。つまり、欧米の視聴者にすら十分な説得力をもつ報道を試みるのであれば、イスラム的色彩をなるべく弱め、戦略的にリベラルに徹する必要が少なからずあったということではなかったかと想像します(もちろんどこまで意図的にそうしていたかは分かりませんが)。
監督のスタンス(意図)がどのようなものであったのかがよく分からないので、この映画を額面どおりに受け取っていいものかどうかは確信がもてませんが、少なくとも“メディアリテラシーとは何か”という問題に対する様々な示唆を与えてくれる映画であったことは間違いありません。
例によって日本での一般公開の予定はないようですし(NHKで放映されたというウワサがあります)、日本版DVDも出ていないようですが、とても興味深い内容になってますのでもしチャンスがあれば是非一度ご覧になってみてください。
ちなみにこっちは雨=寒いです。
最高気温は最近は15度に達しません・・・
セーターと防水着は必要ですね~
コメントどうもです。
なんかそっちは寒そうですねー。
こっちはまだまだ暑いですよ(笑)。
ということで、カナダ行きを目前にして僕もなんだかすごく楽しみになってきました。去年一瞬ナイアガラに行ったとき以来です。
とにかく今は、カナダ訪問までに仕事に一区切りつけようと必死に頑張ってるんですが、なかなか思うように進まなくて結構焦っています。おかげでブログ更新も滞ってます(汗)
ちなみになんでこんなに焦っているかというと、先日アメリカ領事館からメールが来て、それによると、最近カナダでのビザの発行が拒否されるケースがすごく増えているらしいんです。メールには「今からでも母国へ帰って手続きすることを強くお勧めします」みたいなことが書いてありました。僕のようなJ1ビザホルダーにはあんまり関係ないと言う人もいますが、もしカナダでビザの更新が出来なかったらそのまま日本に帰らなければならないことになるので、そうなった時のためにある程度仕事をフィニッシュしておかないといけないのです。
取り越し苦労に終わるといいのですが。。
ということで、カナダのガイドブックも手に入れたし、準備万端です!と、言いたいところですが、肝心のビザ申請用の書類がまだ不完全なので、今週末に必死こいて終わらせます。
ということで、よろしくお願いします!
念には念を入れってことですよね~
4日ですよね?楽しみにしています!!