高倉 真弓の気まぐれ映画評論

今までに観たお気に入り映画をご紹介させていただきます 

待合室-Notebook of Life-

2009年11月15日 | 「ま」行
日本映画           2006年制作



  監督 板倉真琴
 出演 富司純子
     寺島しのぶ
     ダンカン
     あき竹城
     斉藤洋介

駅前で酒屋を営む夏井和代(富司純子)は、
駅の待合室に置かれたノートに励ましの言葉をつづっていた。
いつしか、全国から訪れた旅人たちが
悩みや苦しみなど心の叫びをノートに書き記すようになり、
和代はその返事を書き続けるようになる。
そんなある日、国道を歩いて来た旅人(利重剛)が、
人生に絶望した内容の書き込みを残す。
(ニューシネマ



レンタル店で なにげなく手にしたこのDVD
裏面を 見ると 
大好きな富司純子さんがでてる
しかも 寺島しのぶさんとの親子競演
どんな内容かもまったく見ず
ただ 
富司純子さん出演というだけで 借りてきました 
   (回想シーンで 娘時代を 寺島さんが演じてます)
4本借りれば 1000円という最後の1枚
いわば なんでもいいやとおまけで借りたようなものです
それが それが
こんな素晴らしい作品だったとは・・・・
すごく得した気分になりました

そんなに 泣かされる作品じゃないんです
涙が あふれるとかじゃないんだけど

なんでだろ 

私って こんなに 涙もろかったっけ?
自然と 涙流してた・・・・
自分でも 気づかないくらい 
涙ためてた
心の奥深く ずしん ずしん と響いてきます

岩手県の 山あいの小さな駅の待合室に
誰が置いたかもわからない「命のノート」
そのノートに喜怒哀楽を書き記してゆく旅人と
その書き込みに一つ一つ丁寧に返事を書き続ける
おばちゃんとの間の心の交流を描いた映画です
実話です

おばちゃんは 人生に疲れた旅人に いろんな言葉を残して励まします
でも ほとんどが その返事を見ることもないのですが・・・・

「絶望の隣には 必ず 希望があります」
「一生懸命生きましょう かならず いいことがあります」

妻と娘を亡くし 絶望感を抱いていた旅人が戻ってきて
その返事を 読みます
そのとき「命のノート」を 燃やしてしまった少女がいて 言います

「おばちゃんの言葉は 奇麗事にしか思えない」

旅人は 言います

「奇麗事でもいいんだよ 最後に帰ってくるのは  
   (胸に手を当て)自分自身なんだよ」と

すごく 心に残りました



ラストシーン
ノートを 燃やされ 気落ちして 母親のところに戻り
励まされ 帰りの電車の中で年老いた母親が
 握ってくれたおにぎりを
涙を 浮かべて 頬張るシーン
ものすごく 心に響きました
富司純子さんの演技 素晴らしかったです

寺島さん はじめ 他の出演者も 素晴らしかったです

見終わった後私も 頑張らなくちゃ って 思う作品です

素晴らしい作品を ありがとう

MW ムウ 

2009年07月20日 | 「ま」行


日本映画               2009年現在公開中

 監督: 岩本仁志
出演: 玉木宏
山田孝之
山本裕典
山下リオ
風間トオル
鶴見辰吾
石田ゆり子
石橋凌

16年前、
ある島の島民全員が死亡した事件は
政府によって隠ぺいされるが、
二人の少年が奇跡的に生き延びた。
その一人でエリート銀行員となった
結城美智雄(玉木宏)の裏の顔は冷酷な殺人鬼で、
神父となった賀来裕太郎(山田孝之)は
結城を救済しようと苦悩する。
そんな中、
16年前の事件の鍵を握る「MW」を手にした結城は
世界滅亡をもくろむ。(シネマトゥデイ)





主人が 手塚治虫さんの漫画が 大好きで 
家に100冊くらいあるんじゃないかな
私が 好きなものは

「ブラックジャック」「火の鳥」「ブッダ」

主人が この映画を 観たいというので
原作本を 私も読んでみた

これが 失敗だったかな
原作にある 結城と賀来の関係が 
映画では もうひとつ描写されてなかった
まぁ アイドル俳優には ホモ関係の描写は むずかしいかも

結城役の玉木さんは 原作にあってていい感じでした
賀来役の山田さんは 原作とはまったく違ってた
牧師役が まったく合ってなかった
人気俳優を コンビで組ませて 客集めって 感じ

原作では このふたりの関係が重要な位置を占めています
この関係が 物語のすべてと 言っていいほどです
1番大事な
このふたりの関係を 明確に描写できてないということで
原作と映画は まったく違った物と 思ったほうがいいでしょう

これから 見る方は
原作を 知らないほうが 楽しめると思います

ただ
あのラスト・・・・・
あれは ないんじゃないの?






マリと子犬の物語

2008年11月30日 | 「ま」行



日本映画    2007年製作

大地震で無人になった村に取り残されながらも
必死でわが子を守り抜く
母犬の強さと優しさ・・・・・
新潟県中越地震の実話です



古い作品が 続いたので
今年の中から ひとつ・・・
今年1番泣かされた映画です

最初から
泣かされるだろうなぁ と わかってたけど
ここまで 見事に やられちゃうとはなぁ(笑)

マリ(母親犬)と子犬 そして かわいい子役の女の子が
素晴らしかった


埋もれてしまったおじいちゃんを 
必死に 元気付け 助けようとするシーン

予告編でもあったシーン
飛び去っていくヘリコプターを必死に追いかけるマリ
そのマリを
ヘリコプターの窓越しから見つめて泣き叫ぶ娘

誰もいなくなってしまった村で
一生懸命に我が子3匹を守り抜くマリの姿

そして ラスト
女の子が マリと子犬たちを 見つけるシーン
(ここで 南極物語を 思い出しました(笑) )

もう ずぅ~~~~と
泣かされぱなしでした












街の灯

2008年11月12日 | 「ま」行
アメリカ映画  1931年製作

監督 チャールズチャップリン
主演 チャールズチャップリン



映画好きと名乗る人なら 必ず観ていると思います

浮浪者(チャップリン)が 盲目の花売り娘に 恋をします
苦労して 稼いだお金を 与え 娘は 目が見えるようになりました
ところが 娘が 想像していたのは お金持ちの紳士でした
浮浪者のチャップリンを 見た娘は お金を出してくれた人とは 思わず
 見下し 憐れみを感じ わずかなお金を 与えました
その浮浪者の手を 触った瞬間・・・・・・
「あなた だったの?」・・・・・・


この映画は 無声映画です
セリフは 一切ありません
わずかな字幕が 出るだけです

ラストの 「あなただったの?・・・・・」
英語では 「you?・・・・」
これで 映画が 終わります

ごちゃごちゃ 言いません
観てください
笑って 泣いて 感動します
観終わったあと  あなたは きっと優しくなれると思います

最高の映画です