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External-SATAについて(2) -ポートマルチプライヤ-

2005年08月01日 | PC関係
今日は前回書いた通りeSATAの機能の一つである「ポートマルチプライヤ」について述べます。
Serial-ATAは従来のATAを上回る1.5Gbps(150MB/s)、3.0Gbps(300MB/s)の転送速度を誇り、非常に高性能ですがその代わりとも言えるデメリットがあります。
それは「ポート毎に一つのデバイスしか繋げられない」という事です。
パラレルATAでは一つのコネクタに二つのデバイス(マスター・スレーブ)と繋げられましたが、Serial-ATAではそうは出来ません。
ですので沢山のデバイス(特に外部デバイス)と接続しようとすると、デバイス数と同じ数のSerial-ATAコネクタが必要となるのです。

そうした不便に対応するのが「ポートマルチプライヤ (Port Multiplier)」です。
この仕組みを使うと、特に外部デバイスを接続するのに容易になります。繋ぎ方としてはエンクロージャとホストPCをExternal Serial-ATAのケーブル1本で繋ぎます。
1本のケーブルで済むと言うところがとても便利ですね。勿論Serial-ATAの規格はSerial-ATA2なので3Gbps(300MB/s)ですから、転送速度にも全く問題ありません。


図1:ポートマルチプライヤの動作図(出展:SATA-IO)

仕様としては複数台HDDが搭載されているエンクロージャ側と、接続するマザーボードもしくはSerial-ATAカードにポートマルチプライヤコントローラ(※1)が必要になります。
つまりエンクロージャ側のポートマルチプライヤコントローラでHDDの信号を束ね、Serial-ATAカードもしくはマザーボード側のSerial-ATAコントローラに内蔵のポートマルチプライヤコントローラで信号をばらします。またSerial-ATAカード側にRAIDの機能がついていれば、それを用いて信号をそのままRAIDコントローラに渡せるのです。
最近ですとAsustekの一部マザーボードに外部Serial-ATAポートと、このコントローラが搭載されて発売されていますが、今後はこういう仕様のマザーが増えてくると思われます。

こうした機能を見ていますとポートマルチプライヤはまるでネットワークのスイッチングハブみたいなものですね。
非常にシンプルなソリューションですが、とても素晴らしい機能です。これまで複数台のHDDエンクロージャからデータをPCへ持ってくるにはRAIDチップを通した上で、その信号をSerial-ATAもしくはATAからFireWireかUSBで転送しなくてはいけなかったのです。FireWire800(IEEE1394b)と言えども転送速度は800Mbps(実際は50~60MB/sが上限)だったので、これではRAIDで構成したストレージの転送速度をまかなう事は出来ません。RAID0(ストライピング)で構成した場合の転送速度は100MB/sを超える事がざらにあるからです。


図2:データ転送速度比較表(出展:SATA-IO)

弊社ではポートマルチプライヤ機能を搭載した5ベイのエンクロージャを8月発売予定です。
是非ご期待下さい!


※1)
SiliconImageのSil-3132(PCI-Express)やSil-3124(PCI-X)等のSerial-ATAコントローラに内蔵されています。
またIntelやLSI-Logic等のメーカーからもポートマルチプライヤ機能付きSerial-ATAコントローラが発売もしくは発売予定です。
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