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50年間の振り返りから エピソード4 調整機能が求められる8050問題

8050問題とは、高齢の親とひきこもりや障害のある子が同居している世帯で、高齢者支援と障害者支援をともに行う必要がある世帯への対応が課題となることを指しています。
50年間の振り返りをする中でも、この課題を抱えた世帯への支援を数多く行ってきました。

ある世帯には、母親に介護のヘルパー、息子に障害者のヘルパーがそれぞれ派遣されていましたが、別の事業所からの派遣でした。そのためにヘルパー同士の連携がうまくいかなく、自分の範囲内の業務しかやらないということでなかなか大変でした。同じ事業所からの派遣であれば、息子の部屋だけ、母親の部屋だけ、息子の食事だけ、母親の食事だけというようなこともなく、それぞれが世帯全体を見ながら対応できるということで、ケア会議を開いて同じ事業所から派遣するように調整してきました。

また、高齢の母親と60歳前後の統合失調症の息子2人の3人家族への支援がありました。当時は地域包括支援センターができる前で、母親と息子たちにホームヘルプ等のサービスは行われていましたが、世帯全体を見てサービスを調整する役割が明確になっていませんでした。関係者に集まってもらいケア会議を開き、世帯の方向性を考えていきました。

8050問題が提起される前から、現場では高齢の親と障害のある子どもの世帯への支援を行い、その世帯の抱える様々な課題に対応してきました。介護保険、自立支援法などが整備され、個別のサービス提供の体制はできてきましたが、いまだに世帯全体のサービス調整を行う機能をだれが持つのか定かではありません。8050問題の対応にだれが調整機能を果たすのか、欠かせない課題です。

可睡ゆりの園にて




   

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