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都立国立高校史研究所

都立国立高校の近年の生徒会史を中心に研究しています。
国高の伝統とは何なのか。国高生とは何か。

部活動の組織体について

2012-09-13 | 生徒会史
 一般に、Wikipediaには間違いも多いと言われるが、東京都立国立高等学校の部活動に関する記述にもややわかりにくい部分がある。

現状のWikipediaにおいては、以下のように記述されている。
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部活動が盛んな学校であり、2011年現在、23の運動部、19の文化部が活動している。生物部、物理部、化学部、地学部の全ての分野が揃っているほか、落語研究部や歴史考古学部などの部活も多い。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/東京都立国立高等学校より引用。2012年9月13日閲覧)


国立高校公式Webサイトを見ると、「24運動部活動人数一覧|東京都立国立高等学校」においては以下の記述がある。
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部活動は国高生のエネルギーの源泉として学校生活の不可欠の一部となっており、複数のクラブを兼ねる者を含めると、入部率は延べ133%に達します。
文化系クラブ19部、運動系クラブ22部が、勉学との両立をはかりつつ活発に活動しています。
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http://www.kunitachi-h.metro.tokyo.jp/cms/html/entry/41/15.htmlより引用。2012年9月13日閲覧)


また、「24文化部活動人数一覧|東京都立国立高等学校」においては以下の記述となっている。
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部活動は国高生のエネルギーの源泉として学校生活の不可欠の一部となっており、複数のクラブを兼ねる者を含めると、入部率は延べ133%に達します。
文化系クラブ21部(特協2部を含む)、運動系クラブ22部が、勉学との両立を
はかりつつ活発に活動しています。
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http://www.kunitachi-h.metro.tokyo.jp/cms/html/entry/42/16.htmlより引用。2012年9月13日閲覧)


 さて、ここで注目すべきは、「24運動部活動人数一覧」においては「文化系クラブ19部、運動系クラブ22部」、「24文化部活動人数一覧|東京都立国立高等学校」においては「文化系クラブ21部(特協2部を含む)、運動系クラブ22部」となっているということである。両者の間では文化系クラブの数が異なっている。また文化部の方の説明では「(特協2部を含む)」という付記があるということがわかる。つまり、文化系クラブの数の違いは、この特協2部の扱いによって生じるものであるが、この「特協2部」とは何か。


 東京都立国立高等学校生徒会会則においては、部活動は以下の3つに分けられている。
  ・文化部活動協議会(文協)
  ・体育部活動協議会(体協)
  ・特別部活動協議会(特協)
従って、先の「特協2部」とは、この特別部活動協議会に所属する放送部と新聞部を指すことになる。高校生徒会規約において、放送・新聞関係の生徒組織は学校によっては部活動ではなく委員会として置かれることも多い。その位置付けは学校によって異なるが、代表的な理由としては、公共性が高いことや、生徒会の広報機関、討議機関としても存在していることなどが挙げられるだろう(*1)。生徒会会則において特別部をなぜ分離するかについての記載は無いが、おそらくは似たような理由によるものであると推測される。ただし、生徒会の広報機関としては2003年までの生徒会会則上、広報委員会(*2)が存在していたことに注意が必要である。


 この3つの活動協議会は、実際に集まって活動することは通常ない。部活動に関する連絡事項や討議事項は、基本的に部活動代表者会議(各部代表者と生徒会長、副会長各1名により構成される)において行われる。また、別に予算関係については予算会議があり、国高祭関係については国高祭諸委員会が管轄することになっている。
しかし、部活動代表者会議においては文協、体協、特協の各委員長、副委員長を選出することになっており、代表委員会に各委員長、副委員長が、執行委員会に、委員長がそれぞれ参加することになっている。先に示した通り特協には放送部と新聞部の2部しか存在していないため、他の文化系クラブと異なり、必ず特協委員長又は副委員長になる構造になっている。したがって、少なくとも代表委員会においては必ず放送部と新聞部の代表者が参加する仕組みになっているのである。
 ただしここで「少なくとも」と書いたのは、実際における各委員長の執行委員会への参加は、慣例的に行われていないためである。せいぜい「生徒会執行部」(会長、副会長、会計、書記、渉外によって構成)への活動の委任が行われることはあっても、実際の執行委員会の活動は「生徒会執行部」が代表して行う形になっている。この「生徒会執行部」については規約上の規定の無い組織であるが、これについてはまた改めて書く機会を得たい。


*1都立立川高校の場合には、新聞委員会が中央委員会・執行委員会・監査委員会と同列に並べられている機構図となっている。同校Webサイトの説明によると、新聞委員会は「立川高校新聞の最大の特徴は、単なる広報紙ではなく、投書や意見交換の場としても機能していることです」とあることや、機構図を見る限り他に広報機関が見あたらないことなどを鑑みて、本稿では広報的な役割も期待されているものとして捉えた。
参考:「学校生活 生徒会活動」http://www.tachikawa-h.metro.tokyo.jp/mysite1/sub43.html 2012年9月13日閲覧
*2「広報委員会」は、各クラス(ホーム・ルーム)の書記各1名と生徒会書記2名によって構成される組織であり、生徒会書記のうち1名が委員長を努めることになっていた。「生徒会の活動内容を会員に報道する」ことを目的として「執行委員会の依頼により、生徒会の行事に関する印刷物の発行・配布・ポスターの掲示等・報道・宣伝を行う」とされる。2003年の生徒会会則改正において廃止された。
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