研究の目的と結果

　私たちは、普段の生活で明確に目的と結果を考えて行動している訳ではありません。初めに持っていた目的もいつも間にか違ったものになり、結果が出た頃には初めの目的はどこかに行っているこが多々あります。先のことばかり見ているので、三歩進んだら忘れてしまいます。このことは、ビジネスにおいても同じではないでしょうか？「ビジネスにそんなことはない・・・」と言われるかもしれませんが、ビジネスの究極の目的は儲かることですから、ことさらこのことを目的として言うことはありません。そのために何をすべきか？その到達点は？といったことが目標となるので、状況が変われば柔軟に目的は変わるものです。と、私は感じてきました。「君子豹変す」でしょうか。
　それに対して、研究の成果を論文として発表する場合は、その研究、その論文の目的と結果が整合しているかが問われます。これは、当たり前のようですが結構忘れてしまいがちです。何故でしょうか？多分、目的を考えたときは理想を夢見ているのですが、進めるうちに現実的になり、分かったと言えるような結果は初めの理想の目的とは合致しない場合が多いからではないでしょうか。
　それでは、どうするか？常に目的と結果を合わせることが大切です。ここまで言うと、「なんだ、安直な結果合わせか・・・」と言われそうですが、もちろん、目的が魅力的でないものになれば、そもそも研究として評価されません。常に目的は、新たな知見を得ることを目指す必要があります。