goo blog サービス終了のお知らせ 

echo garden

基本的に読書感想文です。

星の王子様 5

2006-01-16 01:25:59 | Weblog
 2番目の星には自分はこの星の誰よりも優れていて、立派で、賢いと一人しかいない星でうぬぼれてる男がいた。
 拍手を要求するのでしてあげると、帽子を高くあげてお辞儀した。
 何がおもしろいのか不思議だった。
 3番目の星では自分が酒飲みであることが恥ずかしくて、忘れたいために浴びるように酒を飲んでる男がいた。
 王子様は頭が混乱してしまった。
 4番目の星では例の重要な男がいた。
 宇宙の全ての星を数え上げる、と言う重要な仕事をしているために、朝から晩まで急がしそうだった。それが何の役にたつのか王子様には分らなかった。
 5番目のほしは、これまでで1番小さく一つの街灯と一人の点灯夫がいた。
 彼の悩みは星が一分間で一回転するために、寝る暇がないことだった。
 王子様は彼となら友達になれるかもしれない、と思った。
 しかし残念ながらその星には、二人いるだけのスペースがなかった。
 6番目の星には何冊もの分厚い本を傍らに置いた老学者がふんぞりかえっていた。
 「君は遠くから旅をしてきた探検家だな、君の星の様子を教えてくれ。」
 彼は探検家の情報をもとに地図を作る地理学者だった。
 「僕のいた星には火山が3つあります。それと花が1輪」
 「花なんてはかないものは地図にのせないんだ」
 「はかない!花ははかないものなんですか?」
 王子様はショックを受けた。あのはなは大丈夫だろうか?
 気を取り直して、老学者にお勧めの星を尋ねた。
 すると、この辺りの星とは比べ物にならないくらい大きく、20億もの人が住むと言う、地球を教えてもらった。

 それで地球に来たが、降りた場所が砂漠だったので誰もいなかった。
 しばらく歩くと大きな山があったので上った。頂上から星全体が見渡せるはずだった。
 しかし見えたのは同じような山々だけだった。
 「おーい!」
 大声で叫んだけど帰ってきたのはこだまだけだった。
 さらに歩いて行くと草原になり、道があらわれて、一軒の家があった。
 「こんにちは」
 門から入って声をかけたが、無人のようだった。
 庭に小惑星に置いてきた花とそっくりなのが何千本と咲いていた。
 「君たちはだれ?」
 「私たちはバラよ」
 王子様はすっかり悲しくなった。
 自分の星は宇宙に一本しかない美しい花がいるから、豊かだと思っていたのに、ここではこんなにありふれてる!
 王子様は草の中に倒れて泣いた。

 その時、きつねがあらわれて言った。
 「こんにちは」
 「こんにちは、僕と一緒に遊ぼうよ、今、とても悲しいんだ」
 「だめだよ、俺、君と仲良しじゃないから」

 
 
 
 

星の王子様 4

2006-01-15 10:44:19 | Weblog
 王子様はすべきことを見つけるために近隣の小惑星を巡ってみることにした。

 最初に訪れた星には一人で王様がすんでいた。
 「やあ、臣民が来たな」
 王様はとても喜んだ。
 王子様はとても疲れていて、ついあくびをした。
 「王の前で失礼である。あくびを禁ずる。」
 「長い旅をしてきて、がまんできなかったのです」
 「そうか、ならばあくびを命ずる」
 「もうできません」
 王様は気分を害したようだった。
 退屈してきたので旅たつことにした。
 「だめだ、去ることを禁ずる」
 初めてできた臣下を逃がすわけにはいかなかった。
 しかたないので黙って立ち去ることにした。
 出発するとき、後ろから声がした。
 「そちを余の大使に任命する!」
 変な人だな、と王子様は思った。
 
 その後、様々な星を訪ね、様々な変わったひとを見た。
 
 

 

 

星の王子様 3

2006-01-15 03:44:37 | Weblog
 あらすじ

 ぼくは6歳の時、ジャングルにボアと言う大蛇がいて、そいつは獲物を丸呑みすると何ヶ月もの間じっとして消化する、という話を本で知り感銘を受けた。
 そしてボアが象を飲み込んだ絵をかき、おとなに見せた。
 「これは帽子だね?」
 誰もわかってくれなかった。
 
 ぼくは大人になると、飛行気乗りになった。
 そして今、砂漠で遭難している。
 人のいる場所から1000マイルはなれていて、水は8日分しかなかった。
 絶望的な孤独にたえて一晩を過ごすと、金髪の王子様のような格好をした子供が現れた。
 「ねえ、ひつじの絵を描いてよ」
 ぼくは動転して帽子のような絵を描いてみせた。
 「ボアに飲まれた象の絵なんていらない。ひつじが欲しいんだよ」
 何回も失敗したあげく、やけになって最後に箱を描いた。
 「この中にとても元気なひつじがいる」
 「やったこうゆうのが欲しかったんだ。夜はこの箱が小屋にもなるしね」

 時間をかけてちぐはぐな会話をしているうちに、少しずつ王子様のことが分ってきた。
 王子様は地球ではなく別の星から来た。
 それは小惑星と呼ばれる小さな星のひとつだった。
 王子様は寂しいとき夕日をみる。数歩動けばいつでも見られるので、ある日は44回も見た。
 ひつじを欲しがったのはバオバブの芽を食べてもらいたいからだった。
 バオバブはあっと言う間に大きくなって、星を裂いてしまうらしい。
 
 5日目、ぼくはエンジンの固着したボルトを回そうとしていた。これが回るかどうかにぼくの運命が懸かっている。
 その時王子様が話しかけた。
 「ねえ、ひつじはぼくの星にある4本のとげのある花も食べてしまうかな?」
 「悪いけど、今とても重要なところなんだよ」
 「重要だって!」突然、顔を真っ赤にした。
 「君はまるであいつみたいだ!ある星にいる人で、1日中机に向かって計算ばかりしてる。花を見たこともなければ、誰かを好きになったこともない。そして何かといえば言うんだ、私は重要なことをしている重要な人間だ!てね。あんなの人間じゃない、キノコだ!」
 「キノコ!?」
 「ぼくの星には1輪の花がいる。星空を見上げるとき、いつもこの中のどこかにあの花がいるんだと思う。それをひつじに食べられてしまったら、星が全部なくなってしまうのと同じなんだ。それが重要な事じゃないって言うの?」
 ぼくは王子様を両腕の中に静かに抱いた。
 そして泣いている王子様に言った。
 「きみの愛する花に危ないことなんて起きない。ぼくがひつじの口にはめる口輪を描いてあげるから。」

 王子様は花について語った。
 あるとき、星に幾重もの花びらを持った花が咲いた。
 いままでに見たことのない美しいさだった。素敵な香りが星をつつんだ。
 王子様は花を愛し、水をあげたり、風除けについたてを立てたり、世話をした。
 しかし花は感謝しなかった。それどころか不機嫌になったり、矛盾したことばかり言って王子様を苦しめた。
 耐えられなくなった王子様は、星を出る決心をした。
 「さようなら」
 「さようなら、わたしを許してね。あなたは自分の幸せを見つけてね。」
 花がそんなことを言うのはとても意外だった。
 しかし決めてしまったことだった。
 星を後にした。
 
 
 
 
 

星の王子様 2

2006-01-14 03:03:46 | Weblog
 作者のサンテグジュペリの紹介をします。凄い人生です。
 1900年
 アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ、フランス、リヨンで伯爵家の3人目の子供として誕生する。
 12歳のとき
 近所にあった飛行場に毎日通ううち、飛行士たちと仲良くなり、母親の許可を取ったと嘘をつき、初めて飛行機に乗せてもらう。
 ちなみにライト兄弟の初飛行から僅か9年後のことだった。
 1926年
 処女作<飛行家>が雑誌に掲載される。
 おなじ年ラテコエール航空会社に就職。郵便飛行士になる。
 翌年、
 西サハラにあるシュビー岬中継所に配属され、1年勤務する。
 砂漠に魅了され、後年「孤独だが人生で一番幸せな日々だった」と回想している。
 1930年
 アルゼンチン勤務中、アンデスに不時着した同僚のギョメを救出する。
 アントワーヌだけでなく、当時の飛行気乗りは全般に中世騎士のようなヒロイズムの傾向があった。
 1931年
 アントワーヌの情熱的なアタックにより、コンヌエロ・スンシンと結婚する。
エキセントリックな女性で、星の王子様に登場する「花」にそのイメージが投影されている。
 同年、<夜間飛行>が英訳され大ヒット。ハリウッドで映画化される。
 1933年 
 新型水上機のテスト飛行で着水に失敗し、大破。溺れかかる。
 さらに解雇される。
 1935年
 作品は売れていたにも関わらず、アントワーヌの浪費癖、コンヌエロのさらに輪をかけた浪費癖によって家計は火の車だった。
 そこでアントワーヌは賭けにでる。愛機シムーンとともに15万フランの賞金を目当てにパリからサイゴンまでの最短記録に挑戦したのだ。
 12月29日朝パリを離陸し、その日の夜、リビア砂漠に不時着した。
 3日後、偶然通りかかたキャラバン隊に救助された。
 この体験が星の王子様のベースになっている。
 1939年
 ニューユークでリンドバーグ夫妻と会う。2歳下のリンドバーグは飛行家として常に気になる存在だった。
 不穏の空気を察して、急遽フランスに帰ったところ、9月にドイツに対し開戦する。
 翌年
 フランス軍、大敗走。
 アントワーヌはアメリカに参戦を促すべく、ロビー活動をするために渡米する。
 不本意ながらそのまま亡命のような形になる。
 1943年
 星の王子様が出版される。
 このころ亡命フランス人グループの内紛に巻き込まれ、打算のない性格ゆえに孤立する。
 深く傷ついたアントワーヌは、逃げるように連合軍の偵察隊に志願する。
 「出発しなくていい理由は山ほどあり、兵役免除を受ける理由だって充分ある。それでも私は出発する」
 与えられた教官の職を不服とし、最前線の勤務を強引に希望した。
 しかしパイロットとしては歳を取りすぎていた。
 1944年
 最後の任務は高度1万メートルから敵の基地を偵察することだった。
 7月31日、コルシカ島から飛び立ったまま消息を断った。

 僕は星の王子様しか読んでませんが、きっと彼のどんな作品よりも彼の伝記の方が面白いに違いありません。

 つぎに強引に(暴力的に)短くまとめます。
 「砂漠に不時着し、極限状況におかれた男が金髪のこどもの幻覚に説教され、最後は切なくなるおはなし」
  
 

星の王子様 1

2006-01-12 01:06:39 | Weblog
 Yさんコメントありがとうございます。孤独じゃないんだ、と勇気がわきます。
 ケルト文化に興味を持たれてるなら、朝日文庫の司馬遼太郎著、街道をゆくシリーズの中の愛蘭土紀行1・2をお勧めします。
 僕の知ってる限り(かなり狭い範囲)、1番詳しく分り易くケルト文化が紹介されています。僕の書いたビートルズに関することも、ネタ元はここです。
 もっとも僕は司馬遼太郎の大ファンなんですが、女性に勧めた場合、常に反応はよくありません。どうも感性が合わないらしいです。
 しかし買って損は無いと思います。なぜなら、催眠効果が抜群だからです。眠れない夜に司馬遼太郎!
 特にこの街道を行くシリーズは、情報量が膨大な上に持ち前の和み系の文章で、頭が心地よ~く疲労させられ、良く眠れます。お勧めです。
 
 今回はサンテグジュペリの<星の王子様>を読みました。
 岩波書店が所有していた版権が50年経って切れたとかで、去年の秋に各出版社から新訳ラッシュがありました。
 イオンの本屋でワゴンに山済みになってるのを見たときは、「え!何で今?」と思ったものです。
 その時、なんとなく手にした宝島社版のを気合でその場で立ち読みし、なかなか良い印象が残っていたんですが、今回は正式に読み直そうと、唯一の文庫本だった集英社、池澤夏樹・訳を値段で選んで買って来ました。
 その結果、外国文学と言うものは翻訳者によって、非常に印象の違ったものになるんだ、ということが良く分りました。
 僕は良し悪しを判断する能力はありませんが、好き嫌いで言えば、宝島版、(たしか)倉橋由美子・訳の方が好きです。説明的でなく、詩的な感じがします。
 具体的なことでは宝島の方は、王子様が小惑星で暮らしてた時に火山にフライパンをのせて目玉焼きを作る描写があったけど、池澤・訳にはない。重要じゃないけど可愛いエピソードなのに。
 また、王子様がきつねに一緒に遊ぼう、と呼びかけたときにきつねはいったん断るのですが、宝島は普通に「まだ仲良しじゃないから」と言うのにたいし、池澤・訳は「俺は飼い慣らされてないから」というのです。
 やたらと「飼い慣らす」を連発します。
 「お願いだ、俺を飼い慣らしてくれ!」とか、
 王子様も、「彼女は僕を飼い慣らしたんだけど」などと言います。
 どうも、こちらの方が原文に忠実で、宝島以外は皆「飼い慣らす」派らしいのですが、明らかに日本語として変です。
 このきつねの場面は王子様がコミュニケーションとは何かを学ぶ大切なところなのに、やたらとこの馴染まない日本語が飛び出すので気になってしょうがないです。