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echo garden

基本的に読書感想文です。

チョコレート工場の秘密 6

2006-01-09 11:45:31 | Weblog
 それでは、あらすじが終わったところで、感想をかきます。
 
 ビートルズのルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズが頭に浮かびました。
 その世界の印象が似ています。ちなみに、その歌詞を書きます。(かなり、うろ憶えですが)

 想像してみなよ
 君はボートの上
 タンジェリンの木々
 マーマレード色の空
 セロファンの草花が7色に
 咲き乱れている
 でも彼女は行ってしまったよ
 楽しげな人々が君を見て
 微笑む
 砂浜に着くとタクシーが現れて
 ドライヴァーは言った
 行きたいところへ連れて行こう
 君の頭は雲の中
 ルーシーはダイヤモンドの散らばった空に
 ルーシーはダイヤモンドの散らばった空に
 ルーシーはダイヤモンドの散らばった空に
 浮かんでる

 ジュリアン・レノンがクラスメイトのルーシーの印象を描いた絵を見て、ジョン・レノンがインスパイアされ、書いた詞です。
 双方とも、カラフルで人工的な世界でニセモノ的な楽しさに満ちています。
 
 「ケルト」と言うキーワードでジョン・レノンとロアルド・ダールは結びついています。
 ケルト人はヨーロッパの先住民族と言うべき人々で、ジュリアス・シーザーがフランスの地で闘った相手は彼らです。また、ストーンヘンジなど各地に残る巨石遺跡を造ったのも、彼らといわれています。
 ただし現在は、ゲルマン人やアングロサクソンに駆逐されて、ヨーロッパの端、アイルランド島、ブリテン島のスコットランド、ウェールズ、コーンウォール地方、フランスのブルターニュ半島に住んでるのみです。
 彼らの性格の大きな特徴に、神秘的幻想癖があります。
 アイルランドの首都ダブリン出身の詩人、W・B・イェイツは「ケルト妖精物語」の序文のなかでこう言っています。
 「普通の人々は心に深いきずを負った時にのみ、ヴィジョナリー(幻視者)になる。しかしアイルランド人は生まれながらにしてヴィジョナリーなのです」 
 幻視者とは、重症の夢想家と言っていいでしょう。
 ガリバー旅行記を書いたスィフトもアイリッシュですが、よくわかる話です。
 そして、ロアルド・ダールはウェールズ出身です。妖精や魔法使いが飛び交うケルト文化に浸かって成長したはずです。
 ジョン・レノンはイングランドのリヴァプールですが、この街は住民の40パーセント以上がアイルランド系という所で、ジョンだけでなく、リンゴとポールもアイルランド移民の子孫です。
 ジョンはそのことにアイデンティティーを感じていたらしく、例えば、<もしもあなたがアイルランド人だったら>という曲を残しています。
 4人の内、3人がケルトの血を引いていた。
 だからビートルズはケルト人のバンドだった、と言っても過言ではない、こともないこともないような気がします。
 だから何なんだ、と言うと、まあそれだけのことなんですが、
 アイルランドの田舎道には、<レプラコーン・クロッシング(こびと横断注意)>という標識がたってるそうです。
 ジョンといい、ロアルドといい、数々のこびとや妖精の物語を生んできた、ケルト人の夢想力は現在進行形で生きているようです。
 
 チャーリーについて、ひとつ思ったのは、良く考えると何もしていないんじゃないか?ということです。
 最後まで残って褒められてますが、みんながボケるのを眺めつつ、後から付いていっただけじゃないのか?ブーじゃないのか?
 という疑問がわいてしまいますが、もっと考えるとやはりそうじゃなかった。
 欲望を制御していたのです。
 かれはチョコレート大好き少年です。だから、他の子供たちのように誘惑にかられていたはずですが、かれはそれに勝った。
 普段の貧乏な生活によって、欲望を制御する術を身につけていた。
 現代の娯楽に満ちた、高度な文明社会を最も楽天的に見た場合、「チョコレート工場」という比喩になるのかも知れません。
 チャーリーのような人だけが、そこに入る資格がある、とロアルド・ダールは言いたいんじゃないでしょうか。
 
 

チョコレート工場の秘密 5

2006-01-08 04:06:41 | Weblog
 マイクはそう叫ぶと、スイッチを押して自分に閃光をあてました。
 そして画面に映ると、母親が泣きながら引っ張り出しました。
 3センチになったマイクは興奮して、おもちゃのマシンガンを撃ちながら、走りまわっています。手の平の上で。
 詰め寄る父親に、「引っ張り機でのばして、ビタミン剤を飲めば、元に戻るでしょう、若いから」
 ワンカ氏は言った。
 マイクはポケットに入れられ、両親とともに、ルンパッパ人に連れられていった。
 
 エレベーターに戻ると、ワンカ氏はチャーリーをまじまじと見た。
 「つまり、最後まで残ったのは君。本当に良かった、君に残ってほしいと思っていたんだ。それじゃいくぞ!」
 そういうと、<上、外>と表示されたボタンを押した。
 凄い勢いで上昇し、ついに天井をぶち破って空にまで上って、浮かんだ。
 ワンカ氏が説明するには、
 自分は本当は若くない。だから後継者を育てなくてはならないのだが、家族はいない。
 そこで、今回のことを計画し、最後まで残った子に全てを託すつもりだった。
 さらに、君が成長して一人前になるまで、サポートしてもらうために、家族も全員、工場に住み込みで来て欲しい。
 
 下で、4人の子供と両親たちが、ほうほうの体で工場から出てくるのが見えた。
 エレベーターはそのまま空中を飛び、バケツ家のぼろ小屋に屋根から突っ込んだ。
 仰天する家族にチャーリーはいった。
 「すぐ準備して!明日からチョコレート工場が僕らの家だよ!」
 

チョコレート工場の秘密 4

2006-01-08 02:33:47 | Weblog
 急流を下り、トンネルを抜けると、<発明室>についた。
 部屋に入れられると、そこは様々な機械、錯綜するパイプ、沸騰するフラスコなどでごったがえしていた。
 生き生きし出たワンカ氏が開発中の商品について、語りだしす。
 いくら舐めてもなくならない「永久飴」。
 全身に毛がはえてくる、ヘアトッフィー。
 噛むと、フルコースディナーの味が楽しめる、チューインガム、
 「アタシ、それ噛む!」と言うなり、バイオレットは口の中に放り入れた。
 ワンカ氏は制止したが無駄だった。
 シチュー、ステーキ、ブルーベリーのデザート、と味が変化したところで異変がおきた。
 肌が青紫になり、胴体が丸くふくらんで、バイオレット自身がブルーベリーになってしまった。
 「いつもこうだ、何故かさっぱり分らんが、最後でブルーベリーになってしまう!」
 「うちのバイオレットをどうしてくれるんだ!」
 「大丈夫!ジュース搾り機にかければ一発です!」
 そして、アゴストロング一家はジュース室へ、ルンパッパ人に案内されて連れていかれた。
 
 次に一行はピンク色の廊下を走って、<くるみ室>の前に来た。ワンカ氏は言った。
 「窓からのぞくだけです!入ってはいけません。リスたちが驚いてしまうから!」
 窓から見ると、何十匹ものリスが一生懸命働いていました。
 クルミを叩いて、空ならそのままダストシュートへ、詰まっていれば中身をだして籠のなかへ、
 「パパ、あのリス欲しい!買って!」と、イボダラーケ。
 「ワンカ君、いくら出せばあれを売ってくれるかね?」
 「リスたちは売り物ではありません」
 「ならアタシ、つかまえてやる!」
 と言うなり、イボダラーケは部屋にとびこんだ。
 リスたちは一斉に襲いかかって、彼女を床におさえつけた。
 その内の一匹が、頭をコンコンッ。首を横にふってダストシュートへ。
 「あたまが詰まってなくて良かったですな」
 ワンカ氏がつぶやいた。
 慌ててダストシュートをのぞきに行った両親も同じ運命をたどった。
 
 残った5人は壁がすべてガラスのエレベーターに案内された。ズラッと行き先のボタンが並んでいる。
 好きなのを押してごらん、といわれ、マイクは迷わず<テレビ・チョコレート室>と表示されたボタンを選んだ。
 凄いスピードですっ飛んでその部屋に着いた。
 
 何か、緊張感が漂っていた。
 作業をしているルンパッパ人が皆、真剣で、防護服を着ていたからだ。
 「では、試しにやってみましょう」
 とワンカ氏が言うと、数人のルンパッパ人がテーブルみたいに大きないたチョコを持ってきて、カメラの前に置いた。
 一人がスイッチをいれると、閃光がチョコを照らし、フッと消えた。
 そして部屋の反対側にあるテレビに映った。
 「チャーリー、引っ張ってみなさい。」
 言われるままにすると、なんと本物のチョコが出てきた。ただし、かなり小さい。
 テレビに映すと、たいていの物は小さくなるものです、とワンカ氏。
 「スゲー!俺、テレビで送られる最初の人間になりたい!」

 
  
 

チョコレート工場の秘密 3

2006-01-07 00:18:15 | Weblog
 昨日の続きから
 チャーリー達には一回しかチャンスがありませんでした。
 バケツ氏が必死でためたお金でチャーリーの誕生日に1個だけチョコレートが買えるからです。
 その日、家族が見守る中、封がきられました。ハズレ
 皆はお互い、落胆をかくして冗談を言い合い、特にチャーリーをなぐさめました。
 しかし、セカンドチャンスがありました。ジョウおじいちゃんが隠れて貯めていた6ペンスを使う決心をしたからです。
 チャーリーと2人で見守る中、封をあけました。ハズレ
 数日後、チャーリーが下校途中、お腹が減らないようにゆっくり歩いてると、雪の中に50ペンスヲ見付けました。
 我慢できず、雑貨屋でチョコレートを買うと、なんと、黄金切符が!
 周りは大騒ぎ。走って家に帰ると一家も大騒ぎ。ジョウじいちゃん大喜び。
 
 ついに、工場見学の日がきました。
 4人の子供とそれぞれの両親、チャーリーとジョウじいちゃん。そして、野次馬の群れ。
 そして、ウィリー・ワンカ氏登場!
 黒いシルクハット、紫のタキシード、緑のパンツ。
 目はキョロキョロ、体はキビキビ、足はスキップ。
 全員を熱烈歓迎すると、早速工場の中に招きいれました。
 初めに導かれたのは、<チョコレート室>です。
 そこは地下室なのにサッカー場ほども広く、真ん中に川が流れ、上流には滝が落ち、下流には何本もの太いガラス管が突っ込まれ、どこかへ吸い上げられていきます。
 流れてるのは溶けたチョコレートです。
 周囲には草木や花が植えられてます。それらもお菓子です。
 そして、社員がいない理由がわかりました。
 膝ほどの背丈のこびとがたくさんいたからです。
 ワンカ氏の説明によると、彼らはウンパッパルンパッパ人、ルンパッパ国のジャングルに住んでいて、年に2,3個しか見つからないカカオ豆をたべることのみが生きがいの人々。
 そこでワンカ氏が工員にスカウトして、一族ごと連れてきた、とのこと。
 歌が大好きで、あくまで明るい人たち。
 と、しゃべっている間にオーガスタスが川にドボン!夢中でチョコレートを飲んでいたからです。
 そしてパイプに吸い込まれ、いったん詰まった後、圧力ですっとばされて行きました。パニくる両親。
 ワンカ氏曰く、運が良ければ助かるでしょう。
 両親はルンパッパ人に連れられ、パイプの先に助けにいきました。
 残った一同は霧とともに現れたピンクの船に乗って、次の部屋に向かいました。
 

チョコレート工場の秘密 2

2006-01-06 02:17:39 | Weblog
 あらすじをかきます。
 その前に、この本の初版が出たのは1964年。40年以上も昔です。
 大きな町のはずれに一軒のあばら家があり、バケツ一家が住んでいました。
 構成員は主人公のチャーリー、推定12歳。
     父のバケツ氏、ハミガキ工場勤務。       
     父方の祖父のジョウ、96歳。
     お母さん。
     父方の祖母。
     母方の祖父母。の、計6人。
 一家の収入はバケツ氏の「キャップはめ」に依るのみで、まったく不充分でした。
 食べ物は、毎日わずかのキャベツとじゃがいものみ。
 夜は寒風が吹きこむ中、年寄りはひとつしかないベッドでじっと寄り合い、チャーリー達は床。
 しかしあるとき、バケツ氏が新聞の広告に乗っていたひとつの希望を見つけました。
 そこには、
 <私、ウィリー・ワンカは5名の子供とその保護者に我が工場を見学する許可を与えることにしました。また、一生分のお菓子も保証しましょう。わが社のチョコレートまたはキャンディーの中の5個にだけ、その黄金切符がはいっています。さあ、幸運の発見者達よ、待っています。>と、ありました。
 一家はもちろん、国中が興奮しました。
 なぜなら、ワンカの工場は無人のはずに毎日何台ものトラックでお菓子が出荷され、また最高に美味しく、溶けないアイスクリームなど不思議なものばかり、世界中にファンがいる、そして誰も中を見たものがない、と言うものだったからです。
 あっと言うまに4人きまりました。
 食べる事しか興味がないデブデブの、オーガスタス・ブクブドリー。
 泣き叫んだら、父親が何十万枚もの板チョコを買ってくれて当たった、イボダラーケ・ショッパー。
 チューインガム噛続け記録で、ギネスを狙う、バイオレット・アゴストロング。
 一日中テレビをみ続け、体中におもちゃのマシンガンを巻きつけてる、マイク・テレヴィズキー。