おばあちゃんが亡くなった。
高校を卒業するまで一緒に住んでいたおばあちゃん。
母が働いていたから、夕飯はおばあちゃんのご飯だった。
小学生当時はおばあちゃんのご飯が嫌いだった。
煮物、煮魚、焼き魚。。。
それでも私たち子供に合わせてご飯を作ってくれた。
「さっちゃん、よるカレーにするけ?シチューにするけ?」
ニコニコ聞いてくるおばあちゃんに仏頂面で「なんでもいい」とぶっきらぼうに答えていた私。
出てくるおやつはおまんじゅうや干菓子。
「いらない!」と言い捨てた幼いころの私。
自転車に乗っておしょうゆの配達をしていたおばあちゃん。
畑で野菜仕事をしていたおばあちゃん。
水戸黄門を観ているおばあちゃん。
にこにこ元気だったおばあちゃんもやがて年を取り、私のことが分からなくなった。
いろいろな事情があってホームに入所していたのだけれど
だんだん痩せ衰えていった。
年末年始は風邪をひいていて顔をだすこともできなかった。
一年に何度も何度も実家に行っているのに理由をつけて顔を見せにいかなくなった。
最後に会ったのはいつだったか。
おばあちゃん、ごめんね。
おばあちゃん、ありがとう。
おばあちゃん、さようなら。