堀田清の元気が出るお・は・な・し

北の大地から植物エネルギーを
前向きに生きる皆さんへ届けます!

植物エネルギー ~70話 植物たちが作る不思議な世界 分子レベルのお米 ~

2007年06月19日 | 元気の種
 久しぶりのブログの更新です。6月17日は第21回北海道医療大学薬学部付属 薬草園を見る会でした。来園してくださった皆さん、ありがとうございました。来年は早春のまだ雪の残る季節から起こし下さい。北方系生態観察園の植物たちから、もっともっとステキな感動をいただけると思います。何人かの方から「ブログを見てます」、「ブログの内容から想像していた私のイメージと全然違う!」などのお言葉もちょうだいしました。
 このブログは私自身がこれまで色々勉強し、体験して、思ったこと、感じたことをまとめておきたい。それがブログを始めた大きな理由です。ですので、多少のことは目をつぶって下さいね。

 かつて、何よりも大切で、神よりも信じて修行していた有機化学がなんとなくトラウマかもって思っていたので。ずいぶん長い間化学構造式を封印していましたが、このブログを書き始めて・・・かなりフラットな気持ちで化学構造式を使っている自分をうれしく思ってます。心はしっかり丈夫になっているようです(笑)。

 さて、今日のお話はお米の化学構造式バージョンです。
 巻頭の写真はなんだか分かりますか?
 今話題の品種、「おぼろづき」の苗です。野口農園のご主人と奥様に「ハウスの中で育つイネの苗につく水滴って宝石みたいなんですよ」と言われました。お電話をいただき腹ばい(ドロドロになってしまいました)になって撮った写真です。水滴がいっぱいついていて・・・・でも・・・選べました。一番ステキな水滴を・・
水滴の中に他の苗の緑色がしっかり写っているんです。かなりの感動でした。機会があればぜひ見て下さい。
 で、秋になるとたわわに稲穂をつけています。この写真は新篠津村のオーガニック栽培をしている小原ファームでの刈りいれ直前のイネです。
 植物ってすごい!って言うか、すばらしい!って言うか・・・人類は植物が無くなると地球には住めない、滅んでしまう。この事だけは科学で証明する必要ないもない厳然たる真理ですよね。
 でも・・・科学を地球よりも愛している人たちは、地球に人類が住めない環境になったら、科学を使って広い宇宙を旅するようなロケットなどを開発して、地球のようなほかの星へ行こうなどと考えたりするのでしょうかね。私としては、大好きな地球、日本、北海道が植物いっぱいで生命エネルギーに満ち満ちた大地に戻るように、今こそ科学の粋を集めて欲しい。そう願っているのですが・・・

      

 さて、今日の本題に戻しましょう。お米に限らず、植物たちは、太陽の光エネルギー、大気に含まれる二酸化炭素(CO2)、大地から水を吸って彼らのエネルギー、車で言えばガソリンに相当するデンプンを作っているんです。そのデンプンを人間は口からとってそれを身体の中の細胞にブドウ糖という形にして取り込み、全ての細胞質、細胞の中にあるミトコンドリアという所で、鼻から吸った酸素を使って燃焼させて私たちが生きる全てのエネルギーを生み出しているんですよ。

 で、平たく言えばお米の構成している最小単位がブドウ糖、グルコース(glucose)っていう化合物なんです。炭素原子6個、水素原子12個、酸素原子6個からなるとても水に溶けやすい物質です。下の図の左側のようにブドウ糖が1番目の炭素と4番目の炭素でエーテル結合して繋がっていくとお米のデンプンになるんです。ただ、この結合の仕方がちょっと違うと(下の図の右側)、紙(セルロース)になるんです。ブドウ糖が結合の仕方が少しだけ違うだけで方やお米、方や紙になるなんて・・・ね。
 ちなみに、ヤギや牛や馬などの草食動物ってのは紙も食べちゃいますよね。草食動物ってのはこの紙をブドウ糖に分解してしまうすごいヤツを身体の中に持ってます。だから、紙だって彼らのエネルギーになっちゃうんですよ。
 人はやっかいな動物で、草食動物とは違って、紙をブドウ糖に分解しちゃうヤツを身体の中に持っていないので、紙を食べてもそのまま消化されずにお尻から出てきちゃうんです。
 ちなみに、全ての植物たちの細胞壁はこの紙と同じ物質、セルロースで出来てます。なので、生野菜を食べると、ほとんどがそのまま出て来るので、お通じ、腸内清掃に良いということになります。なんか、全ては地球の大地と繋がっていると思いませんか?

      

 で、お口から食べたお米(デンプン)は消化されブドウ糖に分解されて最終的には全ての細胞の中に入ってしまいます。さらに、細胞に取り込まれた炭素数6個のブドウ糖は先ず解糖系という複雑な経路で、炭素数2個の酢酸に瞬時に分解されちゃいます。この物質はミトコンドリアという所へ運ばれ、炭素4つのオギザロ酢酸という物質と反応してクエン酸(ミカンなどの酸味成分)になり、複雑な回路(TCAcycle)を回って、元のオギザロ酢酸に戻る過程で2つの炭素原子が二酸化炭素になって、私たちのはく息となって大気中に放出されるんです。この間にATPという物質が産生されます。車のエンジンルームではガソリンを空気中の酸素を使って一気に酸化(燃焼)させて熱エネルギーを産生させ、それが車を動かす駆動力に変わります。人の場合は熱エネルギー(火)ではなく、ATPという化学エネルギーが産生され、私たちが生きるためのエネルギー源となります。
 車のガゾリン(炭素原子と水素原子だけからなる液体)がエンジンルームで酸素で燃やされ、二酸化炭素になって大気中に放出されるのと全く同じ原理なんですね。
      

 私たちの身体を構成する1つ1つの細胞全てが、車のエンジンルームと同じような機能を持っているってことです。そして、そのエネルギー源となるものは・・・やっぱり植物たちが、太陽の光、大気中の二酸化炭素、地球の水から作ってくれる、デンプン、それを構成するブドウ糖ってことです。やっぱり、植物エネルギーってのは無限大にすばらしいですよね。

 そうそう、車を走らせるガソリンだって・・・長い年月をかけて植物たちが変化したものですよね。だから、化石燃料って言うんです。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
野口農園♪ (84@てんちょ)
2007-06-25 17:52:47
昨日野口農園行ってきました!
いちご狩り最高でした~!!
自然ってやっぱいいすねえ~♪
ケンタロー (元気の種)
2007-06-25 21:16:07
イチゴ、美味しかったしょ(笑)!