赤い衝撃 (リバティ編集長からの手紙)より

2009年10月30日 16時14分54秒 | 宗教

赤い衝撃 (リバティ編集長からの手紙)より

 いつもご愛読賜り、誠にありがとうございます。
最新号をお届けいたします。
 最新号の特集は「60年目の中国」です。
10月1日、中国が建国60周年を迎えました。

60年」とは還暦なので、中国では非常に重視されます。
ある意味で歴史的と言える機会である!と気色ばんで
北京に出かけてきました。
 
今回、私が一番感じたのは、「勢いの違い」でした。
北京五輪後に世界的な金融危機があり、さすがの中国経済も
もたないと思われていました。

しかし、実際に北京に行ってみると、危機の兆候は微塵も
ありません。相変わらず新しいビルが完成し、道路が
つくられていました。店員さんたちの接客態度は、ますます
良くなっています。地下鉄のなかでもどこでもケータイが
つながります。その地下鉄自体もピッカピカ。
 
もちろん、この国には問題が山積しています。膨らむ一方の
財政赤字、貧富の格差、低い人権意識、危険極まりない
軍事拡大にチベットやウイグル、そして台湾問題。
どこか一つ決壊すればたちまち国家そのものが存亡の危機に
立たされることは間違いありません。
 
それでも、この国の人たちが、強烈なハングリー精神で
豊かになろうとしていることは事実です。日本に追いつき、
追い越そうと必死です。はっきり言って、中国共産党は
国民の全面的支持を受けているわけではありません。

でも、私が話をした人たちはみな「中国」という国を
愛していました。その「発展しよう」という意気込みは、
「安定」という名の停滞に安住しつつある日本に住んでいる
私には、少し羨ましくもありました。

 今から30年近く前、小平によって開放され始めたばかりの
中国では、高倉健さんが国民的スターになり、山口百恵さんの
「赤いシリーズ」が大人気になりました。当時の中国人たちは
日本という国に憧れを持っていました。今も日本のスターに
関心が強いことは事実です。私が会話をした20代の女性たちは
水嶋ヒロさんの大ファンでした。でも彼女たちにはもう
日本そのものへの憧れはありません。

このままでは日本はやがて中国の強い影響下に置かれることになる。
今回の訪中で本当に心配になりました。

 
 
リバティ編集長 里村英一

 


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