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寝れない女に男がダラダラ喋る2

2016-07-01 01:21:27 | 日記
男性1人台本


~以下、台本~


なんだよ…また寝れねーのか?
ったく、毎晩夜更かししてっから、いざって時に困んだよ。
前も言ったよな、知らねーぞって。

…わ、フフッ、わかった、わかったよ。
んな怖い顔すんなよ、そんな、フ、般若みてえなよ。

…いや冗談だから、真に受けんなよ。
ごめんて、オイ、な、こっち向けよ、な?
おーい、聞いてる?おーい。
ゴメンナサーイ、ゴキゲン直シテ下サーイ。

…痛って!!んもっ…もう…殴んなよ。
もーすぐ手が出る女だなァお前は!
悪い手だ、この、メッ!
…ハハッ、何?こんなシッペ痛い内に入らねーだろ。
これでも手加減してやってんだけど?
つか勘弁してくれよな、お前のパンチ地味に痛ェんだからよ。

…何、まだ怒ってんの。
わかったよ、どしたら機嫌直りますか、お姫様。
…フフフ、んだよ、嬉しそうに。
…んー?お姫様だよ?お前は。
ワガママで気ママなジャジャウマ姫、ッハハ!
…あーあー、またすぐ怒る。
冗談だっつってんのに、もー。

え?おはなし?…ハハ、またかよ。
好きだなーお前は、幼稚園児か。
「ねんねの前に絵本よんでママー」ってか。
毎度毎度そんな思いつかねーよ、考えんの大変なんだからよ。
じゃ、もうアレだ、お前の好きな小説でも持ってこいよ。
延々と朗読してやっからよハハハッ。

…いやいやいやいや、そんな分厚い本は無いわ。
もっと手の平サイズの持ってこいよ。
や、数ページでいいって簡単に言うけどお前な…。
んな撲殺できそうな鈍器ずっと掲げて読んだら腕ダルくなるだろが。
やだよ俺、お前寝かしつける度に筋トレすんの。
どうすんだよ俺の腕だけ超絶ムキムキになったら。
糞バランス悪ィよ、俺は長身細身のモデル体系なんだからよ。

へっ!?ちょ、あひゃっ、ひゃひゃ!
ちょ、やめ、ハハッ、やめろよ!急に触んなよハハッ何だよ!
…腹に贅肉ぅ!?うるっせーな付いてねーよ!
あーもう知らない、読んであげない、1人で寝なさい。

…スー…スー…スーフフフフッ、なんだよ、も、ハハッ、もう!
俺は寝たの!起こすなって!もー、うるせーな本当にー。
わかったよ、お話ね!?ハハハ…はーあ。

えー何、むかしむかし、ある所に、えー…あの、アレ、白雪姫がいましたー。
白雪姫は大層美しく、雪のように真っ白で透き通った肌がチャームポイントっつーことで皆から白雪姫ともてはやされていましたが、アレは厚化粧してるだけで本当は地黒なんだよ。

つかよ、女のメイクってマジで怖ェよな、お前はまだ薄いけど。
いるじゃん、つけまつげっつうの?
毛の束みたいなモン目にくっつけてプリクラ撮ってよー。
スゲーデカ目になんじゃん、クリックリのお人形みてーな。
で、メイク落としたら黒ゴマみたいな目になんの。
ハハハッ、上手いこと言ったな俺な。

…んあ?なんだっけ?ああ白雪姫な。
アレってどういう話だっけ。そうだ小人が出てくんだよな。
そうそう、顔がまったく一緒のちっせー爺さん7人が白雪姫とお知り合いになるんだろ。
で、そのクローン共は白雪姫のこと大好きだから自分達の家に招待すんだよな?
で、たしかその家が全部お菓子で出来てんだよな?
じゃ分かった、んで、お菓子の家に入った途端、白雪姫がその辺の壁とかテーブルとか食い荒らすんだよ。
「ワタシ甘いものに目がないんですヨー」つって、フフッ。
小人サイズだから余裕で食えるんだよな。
んで、家具なんか全部食われて小人の家マジ殺風景みたいなハハハ。
でも小人達は白雪姫のことスゲー好きだから文句言えねーの。
「ちょうどリフォーム考えてて粗大ゴミに出そうと思ってたんですヨー助かりましター」つってフハハ。

…で他に何がでてくんだっけ。
あ、そうだ、毒リンゴな?
白雪姫の母ちゃんが自分より美人になっちまった娘を毒殺すんだよ、ひでー話だよな。
「白雪ちゃん、リンゴむいたんだけど食べるー?」っつって。
けど白雪姫まだ15だから、反抗期真っ盛りだから。
「さっきジジイん達の家食ってきたからいらねーよ!」っつって。
「母親に向かって何なのその態度は!」
「うっせーババア!怒ると余計シワ増えるぞブス!」
その一言にカチンときた母ちゃんは、無理やり白雪姫の口ん中にリンゴつっこんで窒息させました。

で、なんだ、イケメンの王子様が出てくんだよな。
そうそう、王子様がキスしたら生き返るみたいなやつ、なんだそれ。
愛の力?ちげーだろ、人工呼吸とか心臓マッサージとかしてリンゴ吐きださせたんだろホントは。
お前マジで思考がメルヘンチックだな。
言っとくけど王子アレだぞ、ストーカーだかんな。
いっつも白雪姫の部屋ん中覗いてっから窒息にも気づいて迅速な対応できたんだよ。
あるだろ、グリム童話でも。
今は優しい感じになってっけど本当はグロくて怖いみてえな、それと一緒だよ。

ま、なんだかんだ恩を売った王子は、これをチャンスとばかりに白雪姫に猛アタックしてプロポーズまでこぎつけたと。
で、白雪姫も面食いだからまんざらでもねーと。
母ちゃんに殺されかけたわけだから実家には居らんねーつうことで婚姻届に判おして玉の輿だ。
はい、めでたしめでたし。

…あー疲れた、もう寝ろよマジでお前。
何おめめパッチリさせてんだよ、フフ。
…余計寝れなくなったァ?
知るか馬鹿、一生懸命話してやったんだろうが、さっさと寝ろ。
もう俺すげーねむたいんだけど。

そんなんで明日大丈夫なのかよ。
一緒に朝から出かけるっつったろ?お前が。
…いや、昼からでもいいけどよ。
あーはいはいはいはい朝からデートしたいのね!?
うるせーな耳元で喚くなよ、何興奮してんだよ寝ろっつってんのにもう…ハハハッ!

そんな元気あんなら思いっきり疲れさせてやってもいいけど?
したらぐっすり寝れるだろ、フフ。
…え、何、ヤダって。傷つくんですけど。
冗談だよ俺の方がもう疲れてんだから。
アレだぞー?お前が朝早くにデートしたいっつうからー、いつもより早くに出社してー、仕事全部急いで片づけてー、急いで帰ってきたんだからー。
こんな良い男いるー?いないでしょー。
お前のために振り回されっぱなしよ俺、フフフ。

…ん?…いや?嫌じゃないよ、別に。
…なんだよ、今度はションボリして、忙しい奴だなホントにお前は…。
いいよ、お前はワガママで。お姫様なんだから、な?
俺は俺で楽しんでるから。
…お前の百面相見て、ヘヘ。

(完)

5月24日

2016-06-03 15:58:21 | 日記
1:1台本




男…西本 和成(にしもと かずなり)
20代後半、荒っぽく無神経


女…川谷 綾乃(かわたに あやの)
20代前半、大人しく上品


注意
嘔吐表現有り、悲恋




~以下、台本~




女「5月24日、私は貴方に出会った」





男「(電話中)もしもし!?
…だからよォ、ずっと言ってんじゃねーかよ!
発注したヤツがどうだとか俺はなんも知らねーの!
…請求書!?知るか馬鹿!それはオメェ等の仕事だろ!?
オメェ等アレか、いちいち俺に指図されなきゃ何もできねーのか。
ちげーだろ?いい大人だろ?
テメーの与えられた仕事はテメーでカタつけろや。
わかったらもうかけてくんなよ。
こっちはこっちでやること山のようにあんの、オメェ等みてーに暇じゃねーの。
…うるっせーなぁ!!
脳みそ使えや脳みそよォ!!
そうやってチンタラチンタラやってっから…(ドンッ)」

女「きゃっ…!」

男「あっ…す、すんません」

女「あ…いえ…(ふらつく)」

男「…じゃもう切るから、次しょーもないことで電話かけてきたら殺すぞマジで。
…おう、ま、分かりゃいいんだよ、つうか俺もう正直その店と関わりたくねー…し…

オイッ!!あぶねっ!!」

女「え?…ひゃっ!!」





女「…ごめんなさい…私の代わりに貴方が怪我してしまって…」

男「いんだよ別に、骨折くらい慣れてるから」

女「慣れてる…?」

男「…あー、ま、昔いろいろヤンチャしたんでね、多少の怪我はどってことないの。
それより謝んのは運転手だろ、どこ見て走ってんだよクソ野郎…」

女「私が車道に出ちゃったのがいけなかったんです」

男「それを言ったら俺がアンタにぶつかったのがいけなかったんだろ」

女「いえ、私が勝手にふらついて車道に…」

男「まぁもういいよ過ぎたことだし。
アンタもこの後なんか用事あんだろ?
帰っていいよ」

女「でも…貴方は…えと…」

男「西本」

女「西本さんは大丈夫なんですか?
その足で帰るの大変じゃ…」

男「とりあえず連れ呼ぶから、気にしなくていいよ」

女「でも」

男「…ふふっ」

女「…なんですか?」

男「おまえ気ィつかい過ぎ」

女「そうでしょうか…」

男「お前は何も悪くないんだから。
心配しなくていいから、早く帰んなさい」

女「は、はい…では…」

男「……なあ、ちょっと」

女「はい?」

男「お前、足ひきずってね?」

女「あ…」

男「なに、お前も怪我したんじゃねーの。
医者にみてもらえよ」

女「これは、違うんです。大丈夫です」

男「大丈夫じゃねーだろ、お前…。
人のこと気遣う前に自分のこと気にしろよな。
1人で帰れんのか?」

女「帰れます…あの…これは元からだから」

男「元から?」

女「はい」

男「ふうん…後遺症か何か?」

女「まあ…そのようなものです」

男「あ、悪ィな、変なこと聞いちまって。
俺、無神経ってよく言われっからさ」

女「…ふふふ、大丈夫ですよ」

男「…おまえ、名前、なに?」

女「あ、川谷です」

男「下の名前は?」





男「5月24日、俺はお前に出会った。
多分、一目惚れってヤツだと思う。
笑った顔が、くしゃってして、なんていうか、すげー可愛いと思った」






女「あ…この間の」

男「よぉ、偶然だな。ここよく通んの?」

女「はい。
買い物行く時は、いつもこの道つかってて。
…あの…足の具合はどうですか?」

男「ああ、もうすっかり。ホレ!」

女「ふふふっ、本当だ。よかったです」

男「なに、今買い物帰り?すげー荷物」

女「あぁはい、私けっこう出不精で。
コレとか…冷凍食品とかも一気に買っちゃうんですよね」

男「ああ、じゃ早く帰んないと、溶けちゃうから。
ごめんな、引き止めて」

女「あ、いえ…ではまた…」

男「…あっ…なあ、お前、えっと、綾乃?」

女「はいっ?」

男「お前、足悪ィんだろ?運ぶの手伝うけど」

女「えっ…いやいや、そんな、悪いですから」

男「いんだよ暇だから。あ、それとも怖い?」

女「怖い?…って?」

男「ホラ、不審な男に自分の家知られんのは、女なら誰だって怖いだろ」

女「ああ……ふふふっ!
西本さん、不審な男なんですか?」

男「いや…お前から見たら、そうかもしんないって話」

女「じゃあ…こっちの袋、お願いしてもいいですか?」

男「いや、そっちのが重いだろ。つうか両方持つよ」

女「えっ、あっ、それは悪いです…」

男「だから気にすんなって。俺が持ちたいから持つの、いい?」

女「あ…はい…」

男「…なあ、お前さあ、前より足、悪くなってね?」

女「え」

男「ひざのトコ、あんま曲がってないっつうか。棒みてぇな」

女「ああ…そう、ですかね?」

男「大丈夫か?ちゃんと病院行けよ」

女「そうですね、近々行こうかな」





女「荒っぽくて少し強引な、貴方。
でも、嫌な気はしなかった。
だって、どんどん離れていってしまう周りの人の中で、唯一貴方だけが、私に近づいてきてくれる」





男「うーわ、ここのコーヒーまっず!」

女「しーっ!店員さんに聞かれちゃいますよ」

男「不味いモンは不味いんだからしょうがねーだろ」

女「ダメですよ、礼儀正しくしてないと。
和成さん本当は優しいのに、勘違いされちゃう」

男「無茶いうなよ、こういう風に育ってんの俺は!
今更いい子ちゃん出来るかよ」

女「ふふっ、もう…和成さんはー」

男「なんだよ」

女「なんでもありませんっ、ふふふ」

男「綾乃、ココア飲まねーの?ちょっと頂戴」

女「あ…あ、はい」

男「…あー、こっちのがまだマシだな、甘ったりぃけど」

女「ふふ、和成さん甘いの苦手だもんね」

男「お前は本当ココア好きな」

女「うん」

男「しかしアレだ、今日は雨だし、あんま散歩いけねーな。
晴れてたら植物園とか行ってたけどな…。
そうだ、水族館でも行くか。
バスならそんな時間かからねーだろ…って、オイ、おいおい、綾乃」

女「え?」

男「そんな…カップ、テーブルに置いたまま口付けて飲むなよ、みっともねーだろ。
行儀悪ィな、犬じゃねーんだからよ」

女「あ、そ、そうですよね…ごめんなさい…」

男「いや俺はいいんだけどよ、飲み食いの仕草だけで周りに悪く思われんの、よくねーだろ?
お前こそ勘違いされっぞ。
普段も上品なんだから勿体ねーよ」

女「あ、ハハ…そんなことは…」

男「…おい、すげー手震えてるけど。
どした、大丈夫か」

女「あ、あ、はい、あの…」

男「どっか具合悪いか」

女「いえ、いえ、あの…大丈夫…」

男「いいから。一回カップ置け」

女「あ…あつっ!!」

男「あっ!ホラもう…大丈夫か!?
ああ、そんなこぼして…あっすんません、タオルください。
…大丈夫か?ヤケドしてねーか?氷貰うか」

女「いえ、たいしてかかってないから大丈夫…」

男「なんだ、そんな手震えて…寒いか?
暖房あんま効いてないか?」

女「いえ…大丈夫…大丈夫…」





男「お前は、いつのまにか、両足をひきずって歩くようになった。
手の震えも止まらなくなった。
指の関節が、思うように曲がらないみてーだった」

女「貴方と、手もじょうずに握れない」

男「お前はいつも、大丈夫としか言わなかった。
俺が何度も、何度も詰め寄って、ようやくお前は」

女「私は奇病にかかっていると告げた」





女「ごめんなさい…今まで黙ってて」

男「お前さぁ…そんなに俺のこと、信用できない?」

女「そうじゃな…」

男「なら、なんで今まで、こんな長い間言わなかったの!?」

女「それは…」

男「お前が病気でした、ハイそうですか、さようならって居なくなるとでも思った?
俺そんな軽い男に見える!?」

女「違う…!ちが…私は…嫌われるのが怖くて…」

男「違うことねーだろ、同じだろ!俺が離れてくってお前が思ってんならよォ」

女「だって…みんな、そうだったんだもの…皆…離れてっちゃったんだもの…」

男「俺とそいつ等一緒にすんな」

女「ごめ…でも私、貴方にだけは、どうしても離れていってほしくなかったの。
病気って…言おうって…思ってたけど、貴方なら受け止めてくれるって思ってたけど…。
でも、もしも、もしも居なくなっちゃったら…そう考えたら…ウ、ヴオェッ!!」

男「綾乃!」

女「ゲェエエッ!ウッ、ウェ、オエエ…」

男「大丈夫か、ほら、背中さすってやるから」

女「ゥグ、…ご、めんなさ…床…汚れ…」

男「んなの気にすんな、病院行くか?」

女「いかな…ウッ、ウエッ…ゴホッ…」

男「ああ、怒鳴ってごめんな。
大丈夫だから、ずっと一緒にいてやるから、な?」

女「ごめ…なさ…」

男「もう謝んな、落ち着いたら病院行こうな。
俺がつれてくから、な…?」





男「1月7日、お前と初めて病院に行った。
医者から聞かされたことは、俺の知らないことだらけだった」

女「2月15日、私は閉じ込められた。
狭いこの部屋に、貴方は飽きもせず毎日来てくれた」





男「よお」

女「あ…和成さん…今日も来てくれてありがとう」

男「ほら、ココア買ってきた。
このメーカーのが一番好きだろ?」

女「うん…ありがとう」

男「…痩せたな」

女「…そっかな」

男「…お前少食だからなー!もっと食わなきゃダメだぞ!
そんでもっと太れ!ぶくぶく太って俺に笑われろ!この豚めぇー、ハハッ」

女「アハハッ、やだよぅ」

男「ははは…」

女「…和成さん」

男「…ん?どした?」

女「私、あと、どれくらい笑っていれる?」

男「…どういうこと?」

女「いつまで、こうして、和成さんと一緒に…いれ…る?」

男「…馬鹿野郎、いつまでとか考えてんじゃねーよ。
ずっといれるの!お前はァ…ずっと一緒に俺と笑ってられんだよ」

女「…やだよぉ…」

男「…何がヤなんだよ」

女「やだよ…私…まだ…できてないこと、いっぱいあるのに。
こんなトコに、閉じこもってる場合じゃないのに。
私、もっと、和成さんと、たくさん、たくさん一緒の時間を過ごしてたいのに。
身体が、どんどんおかしくなってって、言うこときいてくれなくて。
怖いよ…怖い…」

男「大丈夫だよ、絶対治るよ。
それまで俺、それからも一緒にいてやるから…。
そんな悲しいこと言うなよ…」

女「ごめんなさい…」

男「お前は謝んなくていい!俺に言わせて…。
なんもしてやれなくて、ごめんな」

女「和成さん」

男「…あ、ごめんな、ちょっとトイレ行ってくる」





男「ハァッ…ちくしょー…情けね…。
なんで俺、見てることしかできねーんだよ…!
綾乃…ごめん…ごめんな…綾乃…」

女「和成さん…?」

男「綾乃…!ダメだろ寝てなきゃ、急に立って大丈夫なのかよ、ほら、掴まれ」

女「和成さん、泣いてるの…?」

男「馬鹿、なんで泣くんだよ俺が」

女「ごめんね…私が…弱音はいたから…。
これからは頑張るから…だから」

男「いいよ、我慢しなくていいよ。
俺に言いたいこと、全部言ってくれていい。
それくらいしか…もう…俺にはできねっ…」

女「和成さん…」

男「ごめんな…綾乃…お前を元気づけなきゃいけねーのに…。
俺がこんなで…、ごめん…。
できることなら、身体いれ変わってやりたい…。
お前にこんなつらい思いさせたくねーんだよ…!」

女「違う…!違う…!
私、貴方がいるだけで、幸せなの。
なのに、さっきは、欲張ってしまっただけなの。
ごめんなさい、私はもう、大丈夫だから」

男「俺も、怖ェんだよ、お前を失うのが。
今まではさ…誰かがいなくなったって、どうでもいいって思ってた。
でも、お前だけは違うんだよ、好きなんだよ…」

女「私も…貴方だけは違うって思う。
いつもそばにいてくれるのは貴方だけだよね」

男「綾乃」

女「いつも、ありがとう。和成さん、大好きよ」





女「3月22日、私の体の中に沢山の管が通された」

男「4月23日、お前は震えた唇で、俺に何かを伝えた。
聞き取れなかった」

女「5月24日、私は死んだ」





男「お前の病室から、ガタガタのデッカイ文字でつづられた手紙を見つけた」

女「ありがとう、わたしは、しあわせものです」

男「ハハッ…ホントかよ。
俺、お前に、なんにもしてやれなかったぞ」

女「わたしがしんでも、きにしないでください。どうか、ずっとえがおで…」

男「笑顔でいてください?
ははっ…ホンットお前は…無茶いうよな…」





女「5月24日、貴方と出会い、私は死んだ。
奇跡のような、美しい1年間だった」

男「5月24日、俺と出会って、お前は死んだ。
嵐みたいな、激しい1年間だった。
けど、お前に出会えたことは後悔しない。
俺の一生をかけて、お前の願いごとをかなえると決めた」



(完)

くっつき虫(18禁)

2016-04-30 07:46:24 | 日記
くっつき虫(18禁)


1:1:0

泣き虫の男と、口の悪い女の痴話喧嘩



~以下、本編~



男「ごめんて…ゆるしてよ、愛ちゃん…」

女「無理、絶対無理、きっしょい無理」

男「もっ…なんでぇぇ?」

女「なんでじゃねーし」

男「もうこれからは観ないからさぁ」

女「いや嘘でしょ」

男「嘘じゃないよ!なんでそんなっ…信じてくれな…酷いこと言うのぉ?(涙目)」

女「だって絶対観るよ、アンタ変態だもんね。私のいない間とか、いくらでも時間あるしね」

男「変態じゃな…(涙目)」

女「口答えすんなし」

男「ごめ…(涙目)」

女「なんだよコレ『はじけるブルマの桃色相撲!』
『ランドセルにリコーダー!そんなトコじゃ吹けないよ~』
『前でも後ろでも何でも来い!ドM男のビンビン開発タイム』
『悩めるOLの午後Tバックタイム!感電しちゃってタイツもビリビリびちゃびちゃ昇天あはーん』
あはーんじゃねーよタイトル長ェんだよ馬鹿!!」

男「それは全部…その…愛ちゃんと付き合う前に買ったヤツで!
処分に困ってて、その…付き合うようになってからは観てないから!
愛ちゃん一筋だから…」

女「うるさいロリコン」

男「成人女性だって好きだもん!(涙目)」

女「死ね!!(殴)」

男「痛っ!!(歓喜)」

女「言っとくけどコレ浮気だかんな、他の女の裸見て抜くとか完璧浮気だかんな」

男「ちが、だから付き合ってからは観てな…」

女「んなセリフ信じられるわけねーだろボケコラァ」

男「そんな…!ひどっ…(涙目)」

女「別れるしかないわ、アレだし、も無理だしアンタのこと」

男「…うわあああああああん!!(大泣き)」

女「男が泣いてんじゃねーよ、女々しいなオイ」

男「ごべんなざいいいいい!!(大泣き)」

女「(小声)オイ泣き声うるっせーんだよ!お隣さんに聞こえるだろうが黙っとけ変態」

男「んんんんんんん!!(口閉じて大泣き)」

女「律義にうるせーから」

男「んんんんんぬぅぅぅうううう!だっで!だっでっ…!違うって…言ってぅのに!!ヒック」

女「いや、だからうるせっ」

男「なのに!!愛ぢゃん全然ぎいでぐれなっ…ぎいでっ!ぎいでっ!ぐれなっ!いっ!がらっ!!ヒッグゥ」

女「…あーハイハイもう分かった、分かったから鼻水拭けよ汚ねーな…」

男「ヒッブ…う…ううう…ごべ…ごめんなざ…」

女「もういーよ分かったよ。観てないんだな?付き合ってからは観てないんだな?」

男「うん…うんっ…!」

女「今回だけ特別に信じてやってもいいよ」

男「グズッ…あ…ありがとう、愛ちゃん…優しい…ね」

女「いや、うるせーから仕方ないだけだから」

男「…それは、ウソでしょ?」

女「は?なにが、なんで」

男「だって、そりゃ…俺だって、もし愛ちゃんが、俺以外の、他の男の裸が出てるAV持ってたら…他の男に興奮してたらヤだもん」

女「お前と一緒にすんなよ」

男「かっ、仮の話だよ!怒らないで…」

女「怒ってねーよ呆れてんだよ」

男「それで…それを『浮気だ』って思う気持ちも…わかるし…でも、俺の言葉信じて、許してくれるんだから。やっぱり優しいよ、愛ちゃん」

女「…ゴチャゴチャうっさいな!」

男「怒ってもらえて…嬉しかったし」

女「お前あんだけ泣いといて喜ぶとか生粋のドMだな」

男「ち、違うよ…『浮気だ』って言って怒っちゃうくらい…俺のこと、好きでいてくれてるんだなって、改めて思って」

女「そ、れは…」

男「押し入れの奥底に隠してたAV掘り起こしてまで、俺のこと知りたくなったんだよね?」

女「は?べ、別に知りたいとか思ってねーし!」

男「携帯の履歴も全部チェックしてくれるし…仕事中も5分に1回必ずメールくれるし、俺が返事するの遅れちゃったら電話で怒ってくれる…。
俺のこと…そんなに好きでいてくれるの、愛ちゃんだけだから…すごく嬉しい」

女「…勘違いすんな馬鹿、ペットの体調管理してんのと変わらねーから」

男「それでもいい…です。俺、ペットでいいから、愛ちゃんとこれからも一緒にいたい…ずっと…」

女「…あっそ」

男「愛ちゃんは?」

女「あ?」

男「こんな俺でも…一緒にいたいって、まだ思ってくれる?」

女「…ペットの世話は最後までちゃんとしなきゃ、だから」

男「…それは、義務感…?一緒にいたいわけじゃなくて、その…やっぱり仕方なく…」

女「…~~~~~っもう!ちげーよ!私もアンタと同じ気持ちっつうこと!全部言わせんなよな!」

男「…そっか…はは!そっか…良かったぁ」

女「けど、今度なにか悪さしたら保健所行きだからな」

男「悪さなんかしないよ!ちゃんと、いい子にしてるよ?」

女「…はいはい」

男「あ、そうだ。来週ね、会社の飲み会があるから帰り遅くなるんだ」

女「テメェ嘘ついてんだろ!!」

男「ええ!?」

女「他に女いるだろ!その女と会うんだろ!鉄板の口実使ってんじゃねーよ!やっぱもう別れるわ、お前は保健所行き決定な!」

男「うわあああああん!!」



(完)

彼女の性癖(18禁)

2016-03-04 14:35:18 | 日記
彼女の性癖



~配役~

男・・・♂
女・・・♀



~台本~


男「ねえ・・・今日も泊っていきなよ」

女「え、・・・うん」

男「何?嫌なの?」

女「え、いや別に、嫌ってわけじゃないよ、うん」

男「なんか用事でもあるの?なかったでしょ?」

女「うん」

男「そっか。・・・ほら、こっちおいで?」

女「うん・・・」

男「今日もいっぱい可愛がってあげる」

女「うん・・・」

男「・・・チュウは?」

女「うん・・・」

男「いや、『うん』じゃなくて・・・どうしたの。さっきから心ここにあらず、みたいな」

女「えっ、あるよ心ここに」

男「いや、無いから。なんだよ、シたくねーの?」

女「そうじゃなくて」

男「じゃあ、なんだよ。言いたいことあんなら早く言えって」

女「うーん」

男「言いにくいこと?」

女「うん・・・」

男「なに」

女「あの、ね」

男「うん」

女「・・・やっぱ、いい。なんでもない」

男「なんだよ!言ーえーよー!」

女「だって言ったら絶対変な空気になるもん。ていうか、絶対引く」

男「引くって俺が?」

女「うん」

男「大丈夫だって、引かないから。ほら、言ってみ?」

女「えー」

男「ほら、早く」

女「・・・いや、でも、怒らない?」

男「怒るってなんだよ。何を言うつもりなの」

女「怒るもん、絶対」

男「・・・なんだよもう、怒らないから早く言えよ」

女「あ、怒った!」

男「怒ってねーよ!」

女「怒ってる!怒ってるオーラが見える!」

男「なんだよオーラっておま・・・お前が言わないからだろ!」

女「もうすでに怒ってるんだから余計に言えないよ」

男「わかった、怒らないから。もう怒らないから、言って?」

女「・・・えー」

男「言わなきゃ、ますます怒るから」

女「ますます?」

男「うん」

女「言ったら言ったで怒る?」

男「怒らない。言ってくれたら怒らないで済むから」

女「ホント?」

男「ホント」

女「・・・あのぉ」

男「うん」

女「もう・・・飽きた」

男「・・・・・・・・・・・・・え?何に飽きたの?俺に?」

女「俺にっていうか・・・その、俺とのエッチに、みたいな」

男「え、ちょっ・・・え、あ、そう、なんだ」

女「うん」

男「なに、えっと・・・俺、下手?」

女「あっ、違う、そうじゃないの、そうじゃなくて。いや、ある意味下手なのかもしんない」

男「えっ!?」

女「ある意味っていうのは、なんていうかな。同じ事の繰り返しっていうか、ワンパターンっていうのかな」

男「ワンパタッ・・・え、ちょっと待って」

女「オーソドックスではあるんだけど、なんかもうずっとベーシックみないな。いいかげん次のステージ進んでもいいんじゃないかな、みたいな」
男「ベーシッ・・・え、さっきから何その横文字」

女「いや、ベーシックっていうか最早イージーだよね、さすがに物足りないっていうかアイムハングリー状態って感じで」

男「なんで間にちょいちょい横文字挟むの」

女「ぶっちゃけると、もっとハードなことにチャレンジしていきたいなって思うんだよね。
まあ、そんなに経験がないっていうのは聞いてたから、無茶させたら悪いとは思ってたんだけど。
マンネリすぎるのも良くないから、いつかは言わないとお互いのためにならないし」

男「ちょ、ちょちょ・・・な、なに急に、さっきまで凄いためらってたくせに」

女「え、うん」

男「凄いね、言い出したら容赦ないね」

女「言えっていったじゃん」

男「言ったよ、言ったけど。そんな言われると思わなかった」

女「ああ、そう・・・」

男「えっと、俺はそんなつもりなかったんだけど、マンネリ?」

女「うん、もう凄いマンネリだと思う」

男「ええー・・・そうか・・・え?もっと?もっとハードな事がやりたいの?」

女「うん、そうねー」

男「そうねーって・・・いや、まさか女の子の口からそんな言葉出ると思わなかったわ」

女「世の中にはいろんな女の子いるから。まっ仕方ないよ、経験ないもんね?」

男「ちょっとソレ言うのやめてくんない?私の方が経験ありますよ、みたいなアピールやめてくんない?」

女「みじめになっちゃう?」

男「うん、みじめになっちゃう。え?喧嘩売ってる?」

女「売ってない売ってない。で、いいかな話戻しても」

男「あー、うん・・・」

女「わたしー、この間通販でいいの見つけたんだー、ホラこれ」

男「・・・えっ?なに、それ。何その金属の棒たち」

女「いやコレは細いものから順に尿道に入れて最終的に極太で出し入れを楽しむみたいな商品なんだけど」

男「えっえっえっ、わけ分かんない、尿道!?いま尿道って言った!?」

女「うん、そうそう。一度でいいから尿道プレイやってみたかったんだ」

男「えっ?お前の中にコレ入れるの?入るかな」

女「バカね何言ってんの、アンタのに決まってんじゃない。こんな長いのどうやって私の中に入れるのよ」

男「えっ!?俺ぇ!?嫌だよ!!想像しただけで痛いんだけど!!」

女「だから、少しずつ慣らしていけばいいんだって」

男「いやいやいや無理無理無理、だいたい入れて何が楽しいんだよ」

女「え、いいじゃん、なんかこう・・・アンタが突っ込まれてよがってる顔なんか見たら笑えそうで」

男「・・・え・・・」

女「まあ、前が嫌なら後ろの開発でもいいよ?」

男「・・・後ろ?開発?」

女「うん。最初はピンクローターで、慣れ次第ディルド使っていこうか。両方とも私もってるから」

男「え、え?それは、誰の・・・」

女「だからアンタに決まってるじゃん」

男「いや、あの・・・俺、そういうのは無理かも、ごめん・・・」

女「え、なんでなんで」

男「いや俺、自分が何かされるよりはしたいタイプだから・・・ていうか、え?お前ってそんな・・・アレだったっけ、そんなグイグイくるタイプだったっけ」

女「今まで引かれると思ってなかなか言えなかったから・・・え?何?引いてるの?」

男「え、いや、まあ正直」

女「何それ!引かないって言ったじゃん!!」

男「いやいや、まさかそう来るなんて思わなかったんだよ!予想より遥か上を行ってるんだもん!」

女「この嘘つき!!」

男「えー!!いやお前もお前で、デリケートな話題なんだからもっと言葉チョイスしないとダメだって!俺の様子見ながらステップ運んでくのが常識でしょ!」
女「何その横文字やめてくんない!?イライラするんだけど!」

男「お前もさんざん横文字使ってただろうが!」

女「もう許せない。恥ずかしいこと言わせるだけ言わせて拒否るとか有り得なくない!?凄い屈辱的なんだけど」

男「んなもん知るかよ!お前が単に変態なのがいけないんだろ!?」

女「・・・はあ?なにそれ、なんでそんな事言われなきゃいけないの」

男「・・・えっ!?いや、いつも言ってるじゃん、なんだよ今更」

女「誰に向かってそんな口きいてんの」

男「・・・えええー・・・」

女「謝れ。ごめんなさい、は?」

男「・・・お前そんなキャラだったっけ」

女「ごめんなさい、は?」

男「・・・ごめんなさい」

女「つまらないセックスで満足する種なしクソ野郎でごめんなさい、は?」

男「・・・つまらないセックスで満足する・・・種なし野郎でごめんなさい」

女「クソが抜けてる。種なしクソ野郎でごめんなさい」

男「種なしクソ野郎でごめんなさい」

女「喜んで命令に従いますから、俺にオモチャを突っ込んで、いっぱい犯して変態マゾ野郎に調教してください、は?」

男「いや長い長い!覚えらんないから!」

女「言えるまで覚えろ」

(30分後)

男「・・・喜んで命令に従います。
俺のチンチンにもお尻の穴にも両方オモチャを突っ込んで、いっぱい犯してください。
こんなどうしようもない俺を変態マゾ野郎に調教してください」

女「よく言えました、えらいねぇ。ご褒美あげなくっちゃ」

男「ご褒美・・・ください」

女「うふふ、素直で可愛いわね」

男「うう、恥ずかしいです」

女「あら?そんなこと言って、ここはもうこんなになってるじゃない」

男「はい・・・恥ずかしいけど、ドキドキして嬉しいです・・・」

女「何これ、染みがついてるわよ。お漏らししちゃったの?」

男「ちがっ・・・それは、いっぱい我慢したから・・・」

女「もっと我慢したらどうなっちゃうんだろうね?」

男「焦らさないでくださいー・・・」

女「これからずっと、私の言うこと何でも聞く?」

男「聞きます、なんでも聞きます」

女「そうよねぇ、アンタは私のペットなんだから。口答えは許さないわよ」

男「はい・・・俺はペットです・・・ご主人様の言うことに何でも従います」

女「いいこ。じゃあ、今日は1人でちゃんとお留守番できるわね?」

男「えっ・・・はい。1人でお留守番、できます」

女「そう、じゃあ終電に間に合いそうだから帰るわ」

男「え、あの・・・」

女「何か文句でも?」

男「いえ・・・いってらっしゃいませ、ご主人様」




嘘だらけ(18禁)

2016-03-04 14:32:21 | 日記
~配役~

1:1:0

男(岡島達也)・・・♂
女(前川陽菜)・・・♀



~台本~


男「なぁマスター、あの綺麗な女の人って常連さん?俺、初めて見るんだけど・・・え?そりゃ気になるよ、だって凄いタイプだもん」
女「?」

男「あ」

女「こんばんは」

男「あははっ・・・こんばんは、すいませんジロジロ見ちゃって」

女「あっ、いえ。大丈夫ですよ」

男「常連さんですか?」

女「常連というか、2,3回来ただけなので・・・」

男「ああ、そうなんだ。(一口飲む)・・・いやー、凄い綺麗な人がいるなーと思って」

女「そんな・・・ふふふっ、やめてくださいよ。ナンパですか?」

男「そうナンパ!」

女「ええっ?アハハッ、はっきり言うんですね」

男「言ってしまった方が、いっそ清々しいでしょ?」

女「ふふ、どうなんでしょう」

男「よかったら、こっち来て飲まれます?」

女「えー?」

男「ちょっとー、あからさまに嫌そうな顔しないでくださいよ。あ、それとも連れがいるんですか?」

女「いえ、1人で来ました」

男「なら、いいじゃないですか」

女「・・・んー、では、失礼して」

男「どうぞ?」

女「(移動する)・・・えっと、お名前・・・」

男「ああ、これは申し遅れました。岡島達也です」

女「岡島さん・・・」

男「お好きなように呼んでください。えー、貴女は?」

女「前川陽菜です」

男「ヒナさん、ね」

女「っ!」

男「・・・すいません、いきなり下の名前で呼ぶのは不躾でしたか?」

女「あっいえ・・・えへへ、大丈夫ですよ?」

男「てっきり慣れているものかと思いましたから」

女「え?」

男「こんな所に女性一人でいるのに、とても堂々としてらっしゃるように見えますから。言いよってくる男性も後を絶たないんじゃないかと」

女「ええっ、そんなことないですよ」

男「そんな初々しい反応されるとは思わなかったなァ。うーん、ヒナさんっておいくつなんですか?」

女「女性に年齢聞くのって、下の名前で呼ぶより失礼な気がします」

男「それは違いますよ。年齢を聞かれて失礼だと感じることの方が問題なんです。自分の年齢に恥じない生活を送っていたら、そんな風に考えることもなくなるでしょう」

女「それでも、女はいつまでも若くありたいと思うんです。自分の年齢を言うのって、結構勇気がいるんですよ?」

男「そうでしたか、すいません。じゃあ聞かないことにします」

女「26です」

男「言っちゃうんじゃないですか」

女「うふふ、別に隠すことでもありませんからね」

男「26かー、俺より2つお姉さんですね」

女「あっ、そうなの?」

男「ええ」

女「24かぁ、若いなー」

男「そんなに変わらないでしょ」

女「えっとー・・・岡島、くん」

男「はは、達也でいいですよ」

女「達也くんって、結構ここ来るの?」

男「ああ、そうですね。あそこのマスター、俺の従兄でね?色々よくしてもらってて、開店してから今日まで毎日通って愚痴聞いてもらってるんですよ」

女「へー、そうなんだ」

男「っていうのは嘘」

女「へっ?」

男「マスターは赤の他人だし、毎日通えるほど俺は裕福じゃない」

女「あ、ああ」

男「・・・っていうのも嘘」

女「はっ!?」

男「金はあっても、時間が無いんだ」

女「え?」

男「もしも毎日通ってたらヒナさんに会えただろうしね」

女「ええっと、いったい、何が嘘で何が本当なの?」

男「・・・アハハ!すいません、混乱させてしまって」

女「・・・変わった人ですね」

男「よく言われます」

女「もう」

男「可愛い人ですね」

女「貴方は口説くのが下手ですね」

男「ボク、女慣れしてませんから」

女「嘘ばっかり」

(1時間後)

男「もうこんな時間ですけど、帰らなくて大丈夫なんですか?」

女「そういう達也くんは?明日仕事とかじゃないの?」

男「俺は休みもらえたんで。ヒナさんも明日はお休みで?」

女「うーん・・・明日だけでなく、ずっと休み、みたいなものかな」

男「どういうこと?えっと・・・無職、とか?」

女「それで言うなら、永久就職?」

男「え、まさか」

女「・・・ふふっ」

男「結婚されてたんですか!?ダメでしょ、こんな所でいつまでも飲んでたら。旦那さんに怒られますよ?」

女「大丈夫、絶対バレないから」

男「・・・へー、やっぱヒナさんって遊んでるんですね」

女「人聞きの悪いこと言わないで。こうやってたまに1人で飲むのが好きなだけよ」

男「ふうん、それならいいんですけど。・・・人妻かァ」

女「なに?」

男「いや、俺いま酔ってるんで好き勝手言っちゃうけど」

女「うん」

男「正直、人妻ってそそるんですよね」

女「えー!?アハハッ、それは響きの問題でしょ?」

男「いやいや、個人的に凄いそそります」

女「もう意味分かんない」

男「ねえ、この後まだ時間あるんでしょう?場所、移動しません?」

女「・・・なんか、いやらしいこと企んでるでしょ」

男「企んでますよ」

女「そこは嘘つかないのね」

男「こういう所はハッキリ言ってしまった方が清々しいですからね」

女「・・・人妻というだけで色目を使う男はキライ」

男「馬鹿だなー、ヒナさん?俺はヒナさんが人妻かどうか分からないうちからずっと色目を使ってますよ」

女「達也くん・・・」

男「ね、いいでしょ?」

女「ダメ、だよ」

男「ねえ、ヒナさん」

女「やめて」

男「俺と、イイコトしませんか?」



(数日後)


(ピンポーン)


女「はーい、(ガチャ)・・・え?」

男「こんにちは、ヒナさん。お久しぶり」

女「だ、誰?」

男「やだなー、忘れたんですか?」

女「え・・・達也くん!?」

男「うん、そうだよ」

女「え、だって・・・何その格好」

男「何って、制服ですけど?」

女「・・・高校生!?」

男「うん、そう」

女「はァ!?えっ、そんな、24って言ってたじゃない!」

男「ごめんね、アレは嘘」

女「なんでそんな嘘つくのよ!」

男「高校生がバーで酒飲んでるなんて知れたら色々とやっかいじゃないですか。俺、推薦狙ってるんで問題は起こしたくないんですよね」

女「しっ、知らないわよそんな事!私・・・高校生だなんて知らないで・・・ホ、ホテルなんかに」

男「あー、あの夜は燃えましたね!」

女「ちょっ!大きな声出さないで」

男「じゃ、さっさと中に入りましょうよ。玄関で立ち話もなんですから」

女「はあ!?入ってどうするつもりなのよ」

男「そりゃあ、する事と言えばひとつでしょうよ」

女「・・・だ、ダメ!絶対にダメ!帰りなさい!」

男「何?そこに旦那さんいるの?」

女「い、ないけど・・・」

男「じゃあいいじゃん、お邪魔しまーす」

女「ちょ、ちょっと!!」

男「ふーん、綺麗な部屋だね」

女「待ちなさいよ!なんで私がここに住んでるって分かったの!?」

男「ん?あと付けたから」

女「それっ・・・ストーカーって言うのよ!?」

男「そうとも言いますね」

女「け、警察に通報するわよ!それで、がっ・・・学校にも連絡して」

男「あれー?そんなことしちゃうんだ、ヒナさん?コレ、俺がどうしちゃってもいいの?」

女「・・・!そ、それ」

男「・・・よく映ってるねー、ヒナさんの可愛くて、とっても はしたない顔」

女「い、いや・・・」

男「あっはは!見てよ、こんな身体が跳ねちゃってさァ!痙攣止まらないね?」

女「やめて!消して!」

男「おっと・・・危ないなー、触らないでくれる?機種変したばっかりなんだから汚さないでほしいんだけど」

女「え・・・!?」

男「お前の汚い手で触んなって言ってんの」

女「っ・・・」

男「・・・あの夜、そう言ったら喜んでたね?」

女「ちがっ!」

男「とんだドMの変態ちゃんだね?」

女「やめて、やめてよぉ・・・!」

男「ほら、あの時みたいに手を使わないでさ・・・やれんだろ?」

女「やっ・・・」

男「なぁに?もう興奮してるの?」

女「!?」

男「あの時の事、思い出しただけで濡れてきた?」

女「サイッテー・・・!」

男「ふふ、なんとでも言えば」

女「あんたなんか、死んでしまえ!」

男「そんな口きけるのも、今のうちだろうけどね」

女「・・・!」


(割愛)


男「じゃあね、ヒナさん。また遊ぼうね(バタン)」

女「・・・・・・・・・・・・ハァー・・・」

男「・・・・・・・・・・・・ハァー・・・」

女「・・・っあー身体、痛い・・・あいつ、ムチャクチャするんだから・・・(ピロリン)ん、電話・・・ミチコ!?」

男「・・・っあー身体、痛ェ・・・かなり頑張ったからなァ・・・(チャララン)ん、電話・・・ユウスケ!?」

女「もしもし!?ミチコぉ、聞いてよー!」

男「もしもし!?ユウスケぇ、聞いてくれよー!」

女「さっき達也くんが家に来てね、私またエッチしちゃったの!そう!真昼間だよ!いやいや違うって、これは予想してなかったんだって!家に来ると思わなかったんだもん」

男「さっきヒナさんの家に行ってさ、俺またヤっちゃったんだよ!そう!授業サボった!いやいや違うって、俺本気なんだって!ホントすげー緊張したもん、あんな脅し方したくなかったけどさー」

女「アハハ!ちょっとー、ストーカーがストーカーされるとかシャレになんないって。
違うよ、私は すこーし達也くんの私生活をのぞいてただけじゃーん!
でもビックリだよねー、あの子本当に人妻好きなんだもん。
部屋を物色されそうになってさー、誤魔化すの大変だった!
私が単なる男子高校生好きの独身女なんて知ったら達也くん、どういう反応するだろうねー。
え?大丈夫だよ、警察にお世話になんない程度には気を付けるから」

男「え?大丈夫だよ、警察にお世話になんない程度には気を付ける・・・え?やっぱ制服で身元バラしたのはマズかったかな?え?俺ヤバい?大丈夫?」