4月26日…入谷コピー文庫の堀内恭編集長が新聞の切り抜きを送ってくれた。『高知新聞』連載、いがらしみきおの「おいじまん」だ。ふむふむ。全然知らなかった。同紙だけではなく、複数の地方紙に掲載されてるのかな。『赤旗』詩選考のpipp&書評の南陀楼綾繁、『宮崎日日新聞』映画コラムののむみち(余りの原稿料に驚愕戦慄したが)、そしていがらし。俺の知り合いにはインテリが多いのか? 俺、一般紙で仕事もらった経験は無い。スポーツ新聞くらいか(確か『サンケイスポーツ』)。これじゃインテリとは言えないな。
午後1時過ぎの高円寺駅女性トイレ。見えるだけで10人前後の列。これだけの乗降客があれば絶対的トイレ不足は明白。なのに拡張しようとしないJR東日本(何のために10円上げた?)。天下り先に忖度して行政指導しない国土交通省。公共機関でまともな生理行為にも及べない国で、女性の未婚が増えたり出産が減るのは自然だ。粗男根主義者の俺から見ても、日本の弱者虐待政治は狂気の域。それを党是にしてるゴロツキ維新のようなド腐れ政党さえ。自民党の恥部を純化したのが維新。放っておくと売国右翼、裏金公安&機動隊と組み、市民を襲撃するだろう(公安、既に新左翼系にはヒラメ司法の援助でそれを実施中)。
「シネマヴェーラ渋谷」で16時30分からの『金髪乱れて』(ラオール・ウォルシュ特集)。60人前後の大入り。いい題名だものな。楽しめたが酔っ払い芸人のくどさにはウンザリ。スクリーンに向かい左側の、どうでもいい場面で大声で笑う数人の馬鹿客にもムカつく。行き帰りは『ロンドン幽霊譚傑作選』(創元推理文庫)。事務所の近所に「まいばすけっと」が開店する模様。安かろう悪かろうで有名だった「カエデスーパー」があった場所から、目白通りを渡ったビルの1階。
4月25日…相変わらず山本太郎の国会質疑を差別選別排除してる、公共DappiのNHK。この暴挙に対して”NHKはなぜ山本太郎の質疑を中継してくれないのか?”とつぶやいてる人が。”中継してくれない”って、どこまでへりくだれば気が済むの? ”中継しないのは不当だ!”って、アベの馬鹿じゃないんだから正しい自国語で言い切れよ。”やくざの皆さんはなぜみかじめ料をもっと負けていただけないのか”と同義語。多分受信料を長年黙って支払い、年に1度のNHKスペシャルの良心的番組に感動してる、良識あるリベラリストなんだろう。
午後、「高崎電気館」で『アーティスト』『ミナリ』を続けて(入場料金1500円/「シネマテークたかさき」会員証保持者1000円)。観客前者7名、後者2名。前者は『ニュー・シネマ・パラダイス』並のスーパー愚作。犬の糞並の脚本(こましゃくれた犬の口にも毒ダンゴを詰め込みたくなった)、たるんだ演出、わらじ面の主人公&山かかしっぽい蛇女優ヒロインに終始ゲッソリ。『ミナリ』が水準の出来でひと息(役者が全員及第点)。同館名物、トイレにの悪臭が低下したような気が。モギリの姉チャンに尋ねると、特に工事はしてないと。暖かくなり、単に窓を開け始めたせいか。
4月24日…座って読書したいので、上野駅では奥から来る5番線の高崎線は避け、14~15番線の始発電車を日頃(時間が遅くなると、特急券代2300円出して新幹線)。ホームの列が10人以上になると座れない場合が多く、1本見送る場合も多い。昨夜はギリギリで18時41分発のアーバン号高崎行きに座れた。『説得』(オースティン・廣野由美子訳・光文社文庫)をジックリと。満席の車両、赤羽駅でやや余裕が。浦和駅でもそれが続き、大宮駅でドドッと降りる(この段階で座れないと、高崎方面客の疲労は蓄積)。以降順調なダイエットが続くが、毎回驚くのが新町駅での降車客の多さ。それも若い人が多く、車内状況は春川ますみがツゥイギ―に一挙に変身。自衛隊基地は昔から有名だが、上尾のように巨大団地でもあるのか。乗客も既に3割程度。いくらでも座れるのに、立ってる人々も多い。ああ、若いって素晴らしい。
難聴の進行や記憶力退化、指先の敏捷さ喪失だけでなく、口元、鼻孔、尿道、肛門の締まりが緩んで来たのが分かる昨今。俺には居ないが孫に、「お爺ちゃん臭~い!」と言われてる同世代の連中も多いだろう。赤ん坊にも独自の臭気が。全身が先祖帰りするのだな。草けずり日和だが冷えるからさぼっちゃおう。
仕事の傍ら『説得』(オースティン・廣野由美子訳・光文社文庫)読了。面白い本はページが減るのがもったいなくなるが(紙上のにわか吝嗇家!)、このレベルになると惜しむ気持ちも忘れただただ熟読的速読。アン&ウェントワース大佐、いつまでも戦争が勃発せずにお幸せに! などと柄にもなく祈ってしまった。オースティンの馬鹿な姉チャンは、世間体を考えて彼女の書簡等を大量に焼却しちゃったと(訳者の解説)。居るんだよこの種の傍迷惑な俗物。肉親でなくても、カフカの番人顔を一時はしてたマックス・ブロート、ジョージ・オーウェルの奥さんだか恋人も類した愚行が伝えられた。金井美恵子の10代からの毒舌日記があるとしたら、姉チャンに同じ目に遭わされるのではと心配に(お節介野郎!)。小林信彦や南陀楼綾繁の日記など、焼きいものタネ火になっても一向に構わないが。
4月23日…マーケットでは国見皆保険破壊のテロリスト新浪を社長に戴く、サントリーやキリンビールの全製品を回避(自販機でも取捨選択)。街をぶらついてても「ドトール」、ついでに「うちそば」の前も素通り(後者はホントは入りたい)。最初は面倒かと。慣れるとボケ防止になりそうで楽しい。ふるさと納税のように、国連が音頭取りして尊敬出来る加盟国に納税すれればOKのようになればいい。台湾には直接は難しいかもしれないが、韓国やドイツ、イタリアあたりに納めたい。要するに”日本人の皮を被った韓国人”、あるいは”台湾住民の皮を被った大和民族”。何てカッコいんだ! 三権分立が確立された、先進国の誇り高き納税者気分が満喫出来そうだ。
朝から『説得』(オースティン・廣野由美子訳・光文社文庫)。著者には一時かなり凝ってたので、既読の可能性もと心配してたらお初でした(この人の作物なら再読全然問題無し)。清張&左保本に引けを取らない面白さ!(文学的民族主義者?)。訳も上等(注釈は半分でいいが)。500P以上あるが、8割方は上信線最寄り駅帰着までに片付けられそう。昼過ぎ、「盛林堂書房」(西荻窪)帰りにいつもの「あの名店」で肉うどん辛口の盛り。ここも玄関の戸はガタピシだし、店員も愛想がいいとは言えないが、「うちそば」のようにガキに命令はされないし、落ち着いてズルズル。今度は飲酒日に来てビンビールも傾けたい。
「神保町シアター」で『人間狩り』(’62日活)。観客15名前後。「シネマヴェーラ渋谷」の西部劇(『壮烈第七騎兵隊』)にするかとやや迷ったが近場を選択。確か3度目。基本優秀作だが見る度にアラが(長門裕之&大坂志郎の”熱演”にもゲッソリ)。ただ薄汚い商店街の建物(大坂志郎宅内部)、未舗装な泥んこの路地、犬や猫、時には人間の死体がプカプカしてそうなどぶ川他の美術(中村公彦)の魅力は圧倒的。内容は暗いが、自信に満ちた貧乏ニッポンが満喫可能な眼福映画(人々もけなげ)。『説得』(オースティン・廣野由美子訳・光文社文庫)。結局360Pまで。当然起承転結はあるが、人間描写は全編山場。退屈する暇なし。ただ優秀な訳者だが廣野由美子はお節介過剰。注釈で人物の心理解釈まで介入すべきではない。天気予報の姉ちゃんが、傘持て蒲団干せとほざくがごとし。
4月22日…専大通りの「うちそば」は、細麺でつゆやてんぷ廣野由美子らもイケてる優秀な立ち食いそば屋(立って食べるカウンターは無いが)。弱点が接客。チンピラ従業員がやたらに客に命令したがる。食券を置く位置などをやたらに命令口調で。違ったら自分で直せばいい(眼前数十センチのカウンター内での国境紛争問題)。これを最初の注文時、渡し時の2回に渡り従業員がエラソーに。先日など入店後出す際に、「まだ券を持っててくれ」「???」。混雑してたせいだろうが、自分の都合で客を馬鹿にしてる点に気付いてない(河野太郎レベル)。唐揚げそばを受け取る際も、半券を置く位置がはみ出てると行政指導。温厚な俺様もさすがに言ってやった。「いちいち指図がうるさいんだよ!」キョトンとしてる男性従業員。羊が喋れるとは思わなかったか。特に非常識そうな風もなかったし、店長ないし本部が愚か者揃いなんだろう。
ナベツネ新聞が盛んに補選3選挙区は立憲が優位と報道。詰めの甘い同党執行部の油断を誘い、増税軍拡売国メガネに1議席でも与えたいという、由緒ある御用新聞のけなげさが涙を誘う。再び政権交代が起きて記者クラブ制度に風穴が開き、長野県や鎌倉市のような自治体や官庁が増えては困る。阻止のめなら自らの糞も喰う。『東京新聞』も含む記者クラブマスコミの総意だろう。自公民維新国民+警察検察司法+NHK以下の大マスコミ。この国賊トリオを粉砕突破するには、泉健太じゃまず無理。政権交代は立憲執行部交代が前提だ。『剣士燃え尽きて死すー人間・沖田荘司ー』(笹川左保・小学館)、昨夜上信線で読了。”幕末肺病ハードボイルド”にビリビリ。問題は左保傾斜が過ぎる点。今月はこれまでに13冊読み上げたが、4冊もが左保本。来月まで絶対に手を伸ばさない(シャブ中患者のつもり)。
『本を読む女』(ゾラン・ジヴコヴィチ・盛林堂ミステリアス文庫)読了。”映画の映画”は基本的に嫌いだが(新東宝作品を除く)、”読書の本”はどうかと思いつつページを。160ページチョイの長さのせいもあるのか、結構楽しめた。カバーイラストのYOUCHAN。最近すっかり売れっ子で本屋で良く見る。シャレ過ぎてて俺は趣味じゃない。
4月21日…俺が無知なだけかも知れないが、テレビや新聞で見掛ける日本人女性プロゴルファーは、何であんなに肥えてるのか? 確かに街を歩いてても、東南アジア系女性に比べ、スタイル面では日本人女性は負けてる(男も)。でも女子プロゴルファーの肥満率は極端な気が(女相撲さえ連想)。太ってる人は気心が優しいし独自の魅力があるが、その割合が多すぎると日本の大企業の男性経営者支配率同様に、不気味。
最近、柔らかい本ばかり読んでて頭が単純化し過ぎと反省、『崇高と美の起源』(エドモンド・バーク・平凡社ライブラリー)をボチボチと。内容自体は特に難解とも思えないが、30ページ程度で頭痛、『剣士燃え尽きて死すー人間・沖田荘司ー』(笹川左保・小学館)へ避難。おや。WOWOWのインタビューに登場した浅野日向子選手、特に肥えてないな。やっぱ俺の無知蒙昧か。
夏物を買いに「ブックオフ」前橋リリカ店へ。初めて気づいたが、前橋駅構内の休憩所、バス乗り場のどのベンチもカンペキな冷酷排除式。野党系女性市長が就任したばかりの前橋市。大して金がかからず刷新振りを有権者に訴えられるのに、未だに放置。少し小器用すぎる感はあるが、杉並女性区長の政治スタイルに見倣って、一刻も早く普通のベンチに戻せば。”鶴の形のヘイト県”(「新・上毛かるた」)一直線の、山本一太口開きネトウヨ知事との違いも強調できる。
「シネマテークたかさき」で『ラインゴールド』。観客12名。ファティ・アキン監督は常に手堅いが、本作は「???」。長過ぎる以外は特に技術的に問題ないが(140分)、主人公にまったく共感出来ないのが主要因。モデルは生存中らしいし種々制約はあったのだろうが、客には関係ねんだよ。金のありかの描写なんてバッカみたい。不愉快になりたい人はどうぞ。
4月20日…各種古本市特価コーナーで単行本は良く見掛けるのに、文庫本は稀な松本清張(A・クリスティーも)。しかも出るのは誰もが読んでる代表作やシリーズ物の端本ばかり。故人となった流行作家としては栄誉だろうが、主要作を読了済みのファンは欲求不満。依然として改装版新刊が出てるのだから、不満も言えないか(源氏鶏太、石坂洋次郎ファンなんて大変だ)。幸いストックが確保できてる笹沢左保。『さよならの値打ちもない』(角川文庫)も好調。展開自体は想像の範囲だが、壇糸路という魅力的30女キャラが引っ張る。勝共連合の気違い会長はなぜテロられない? 蕨の差別主義者同様に、裏金公安警察が24時間体制で守ってるのか。レイプマンや労働者の敵、人種差別主義者、公金泥棒脱税国会議員にのみ優しいならず者国家。『夜の人々』(E・アンダースン・矢口誠訳・新潮文庫)の作者もホーボー体験があると知りビックリ。でも立憲民主党議員が芳野友子やゴロツキ維新を公然と批判しないのに比べれば、ビックリ度も高が知れてる。
腰痛が大分治まって来た。薬等の効果では無く、寝る姿勢が要因だった様子。以前通りうつ伏せでよだれを流しながら寝てたら、痛みが引いて来た。これ以上背中を曲げるのはまずいと思い(母ちゃん見てると痛感)、最近なるべく仰向けで蒲団に入ってたが、曲がった背骨にはそれが耐えられなかったらしい。70歳の矯正は、何事に対しても遅すぎるのか。夏場の草刈りが心配だったが、これで何とかなりそう。でもなるべく腰を伸ばす努力は続けよう。歩行の際に前方の空を見つめて、「上を向いて歩こう」口ずさみながら(けどついモク拾いスタイルに)。
午後、青森の真弓大介に電話したら、とうとう60歳になったと。彼もその歳になるまでエロ漫画を描く羽目になるとは、きっと予想外だったろう(編集屋の俺もだよ)。仕事相手の漫画家は50代が多かったが、ドンドン俺に接近して来た、ような感じが。生死は不明だが、DONKEYとかまいなぁぼぉいもかな(くらむぼんとか)。十六女十八女や三条友美のように、亡くなった漫画家も多いだろう。
4月19日…「鮮やかですねえ。維新の諸君の15区での”立憲共産党”呼ばわり。打てば響くとはこの事ですよ」「あ、総理どうもわざわざお電話をいただき、光栄至極で…」「いんですよ、友子会長お世辞は。我々は口先ではなく、行動で評価される仕事に従事してるんです。行動派の維新の皆様以上に、会長には日頃奉仕してるつもりですが…」「も…申し訳ありません!今、下部を徹底的に締め上げておりますので、絶対にあの糞女には…」「補選で3連敗したら、私もあなたも今の地位には…」「友子は嘘は申しません。必ずや東京の大空、いえ全国の青空に反共&キシダ首相万歳の空前の春の嵐を…」「……」(増税軍拡メガネの内心の声。機密費を肥溜めに捨ててたようなもの。この勘違い婆さん、三浦瑠璃や杉田水脈より使えない)今朝の新聞開いたメガネ。「あの婆さん、よっぽど奉仕代を打ち切られたくなかったんだな。ようやく15区問題で発言したか。もう遅い気もするが…」
昼過ぎ。五反田の路上で古ツアから声を掛けられた。もう帰りらしい。やっぱ都民にはかなわない。まだ50代半ばのはずだが、古本御大も老けたな(70爺さんに言われたくねえか)。「南部古書会館」。「古書トロワ」が出店してないと、ジーパンの上から軍手してオナニーするようだ。
「シネマテークたかさき」で『ペナルティループ』。観客6名。木下グループもこんな駄脚本に良く出資した。演出者(脚本監督/荒木伸二)に万事都合のいい展開+赤ちゃん言葉が抜け切らない主役(若葉竜也)では、まともな映画になりっこない。素っ頓狂な場面が続々登場したが、一番噴き出したのが毒を盛られた伊勢谷友介が、真っ昼間工場内で事故を起こしながら、主人公が息の根を止めに行く際には夜になってた点。妄想性のある場面とはいえ無茶苦茶。荒木監督は小池百合子同様に、願望と現実の区別がついてない。近頃多い、チラシだけは一丁前のクズ映画。
4月18日…鶴田浩二、杉良太郎、松田哲夫、千葉真一、松田政男、矢崎泰久、嵐山光三郎、中森明夫…。各種媒体で生死を問わずに、徹底的に罵られてる代表的有名人。逆が石原裕次郎、上村一夫、団鬼六(例外的証言も1人から)、佐々木守、大杉漣、そして梶山季之。『犯罪日誌』を読むと、梶山の官憲嫌いが半端でなかったのが良く分かる。一方で集団的行動を嫌ってた反共的一匹狼の一面も、彼がスポンサーだった『噂』(『噂の眞相』の原点)誌上で濃く漂わせていた。女性がほとんど登場しない作風は異なるが、ジャック・ロンドンにそこらが似ている。ロンドンは2回結婚してるらしいが、作品からは女性への関心が匂いもしない。タル・べーラ監督もだ。後者は汚れ系フケ専趣味と勝手に推測してるが。
『東京新聞』前橋支局の小松田健一記者は、桐生市の生活保護費不払い犯罪を、徹底的に追及しまくる決意らしい。昨日は本事件を最初に告発しながら、3月にくも膜下出血で亡くなった、司法書士の仲道宗弘さん(58歳)の人生をトップで詳細に。ホント、善人は早死にする(同病でしぶとく生き残った者の感慨)。かつては羽仁五郎が自治の街として、『都市』(岩波新書)で賞賛してた記憶がある同市が、いかにしてここまで腐敗、堕落しギャング市と化したかを赤裸々に暴いてくれ。ちくま新書あたりで本にすれば絶対に売れるよ。
仕事の傍ら、『夜の人々』(E・アンダースン・矢口誠訳・新潮文庫)を100ページまで。訳文も分かり易く自然。脱獄トリオの脅えと強がりの螺旋的心情がリアル。彼等の官憲全般に対する憎悪は、『ザ・ロード/アメリカ放浪記』(ジャック・ロンドン・川本三郎訳・ちくま文庫)や『犯罪日誌』(梶山季之・ちくま文庫)のも通じるものだが、最近もっと強烈な一文を読み、感銘を受けた記憶が。えっとあれは…トイレで『映画評論』72年1月号(表紙イラスト/李礼仙)を開いてて思い出した。『救援』3月号に掲載された、桐島聡への宇賀神寿一(通称シャコ)の追悼文だ。銀行強盗と革命家を同じまな板で論じては両者に叱られるかもしれないが、臆病な老廃人からするといずれも驚異的世界。読書って小金でつかの間の犯罪者になる行為だなと改めて。なぜか有名な円谷幸吉の遺書も連想。
4月17日…今日は久々に「109シネマズ高崎」で『続・夕陽のガンマン』を見物予定だが、178分という尺に武者震い。老いぼれには尿瓶が3本は要るよ(あるいは垂れ流し?)。クレイジーなセルジオ・コルブッチの演出なら、巻き込まれてつい時間を忘却しそうだが、スタンダードなレオーネの折り目正しい作風じゃあねえ(俺は世間の人々ほどこの人の”平凡な楷書風ハッタリ”を買ってない)。「シネマテークたかさき」の『ロッタちゃん はじめてのおつかい』の方が無難かしら(85分)。
結局、13時50分からの「シネマテークたかさき」、『ロッタちゃん はじめてのおつかい』へ。観客5名。もっと入ってると思ったが。93年製作だから主役の少女も既に30女。スウェーデン金髪熟女なのに、ついティント・ブラス監督の『ナチ秘密警察SEX新衛隊』における、残酷女兵士を連想してしまうのは世代的宿命か。同作、「大塚名画座」「日勝地下」で3回以上観たな。次の『ヴェルクマイスター・ハーモニー』も続けて。観客6名。タルコフスキーほど疲れさせないのはいいが、よくもまあ146分も。最初の60分は要らないね。東映仁侠映画だって、90分前後だから観客は最後の15分間のカタルシスのためにジッと耐える。この程度の監督のために、余生3時間近くをも差し出す義理はねえよ(入場料まで払って)。悟り切ったような世界観も不快。行き帰りで『犯罪日誌』(梶山季之・ちくま文庫)。
4月16日…周囲では”粗筋ばかり説明しちゃう最低の映画評論家”として悪評高い川本三郎。俺は粗筋説明より涙腺常時全解感傷文、物もらい自慢が嫌でここ数年新刊も買ってないが、『ザ・ロード/アメリカ放浪記』(ジャック・ロンドン・川本三郎訳・ちくま文庫)を久々に。川本は紀行文が一番と思ってたが(貧相な田山花袋?)、翻訳も一流だったのね。ホントに分かり易いし、著者への共感に溢れた仕事だとの心意気が行間に横溢。ホーボー時代のロンドンの目いっぱい突っ張った生き方、思考がダイレクトに。”犬に骨をひとつやるのは慈善ではない。犬と同じように自分も飢えているときに、犬といっしょに骨を食べる。それこそが慈善だ”(17P)。あらゆる自慢話は退屈なものだが、ロンドンのホーボー生活時代回想は稀な例外の一つだ。
日頃関心のない人の文章を、何かの都合で読み意外に面白かったりすると、電車で居眠りして大股開いてた姉ちゃんの、パンツを鑑賞したような気分に。先日読了した『死者だけが血を流す/淋しがり屋のキング』(生島治郎・創元推理文庫)の北上次郎の解説は、珍しく切れが良かった。その前の大沢在昌の、”生島の稚児宣言自慢”が呆れるほど低レベルだったせいもあろうが。『[新版]中東戦争全史』(山崎雅弘・朝日文庫)の、”宮内庁御用達思想家・内田樹”の解説も珍しく悪くなかった。日頃調子こきな愚文で生計を立ててる連中は、たまにまともな作物を発表するとひときわ輝く。ずるいような気もするが、本来は9割方馬鹿生活者なんだし、他人がどうのこうの言うべき問題ではないだろう。
『ザ・ロード/アメリカ放浪記』(ジャック・ロンドン・川本三郎訳・ちくま文庫)の親本は、題名は異なるが小学館刊だったと。絶対に読んでる(「書泉ブックマート」で買ったのも覚えてるし)。けど中身はまったく記憶が無く、初めてだと川本自身の解説を読むまで確信を。面白すぎると人間は記憶が飛ぶのか?(オメーだけだよ)ヴェルヌは中年時代に再読して楽しんだが(ディケンズも)、ロンドンもそうする価値が十分に。未読作品も多いのだろう。彩流社がマーク・トウェインの次くらいに、著作集を出してくれたら良かったのだが。
4月15日…『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』。井浦新の巨星・吉岡秀隆をも凌ぐ、”にらめっこしましょあっぷっーぷー!”芝居に耐えられるか俺たちをと不安だったが、脚本、演出、撮影が同レベルで井浦夜店の百面相演技をスポイル、馬鹿らしいが忍耐の範囲だった(昔は評価してた東出昌大。年々井浦新に接近中)。ゴールデン街の場面で『噂の眞相』の岡留安則編集長が登場するが、メイク担当者には人違い写真が手渡されたのでは。蓮實重彦にしか見えないし。
『成功したオタク』は題名に偽りありの一作だが、推し活女懺悔録とはいい着眼。ただ思い付きに終わり、継続的掘り下げを怠ったため実質30分で終了。後はむなしい堂々巡り。朴大統領親子狂信者の生態と重ねるなんて、一番安易だ(アベ売国真理教徒ソックリで映像自体は面白い。母ちゃん登場に至っては健さんタッチで「まじめにやれ!」)。いずれにせよ元アイドルの犯罪が、ちゃんと法律で裁かれてる先進国、韓国ゆえに成立したドキュメンタリー。レイプマン記者や未成年集団凌辱芸能プロダクションが、警察・検察・司法・大手マスコミに、埼玉蕨周辺のレイシスト同様に保護育成されてる野蛮国家もどきでは無理。だいたいレイプマンお助け警察官僚がトップに上り詰め、首相が暗殺されても責任も取らず、日本生命に天下ってレイプ無罪保険販売に知恵を貸すというのだから(最後行想像)。
仕事の間を縫って「シネマヴェーラ渋谷」で『進めオリンピック』。観客35名くらい。ものすご~く退屈だった。同館近頃、蓮實重彦だ小林信彦だ、敬老精神尊重はいいが権威主義的企画が増えた。安藤昇特集をした映画館らしくない。5月の”大井武蔵野館になってみた!”の企画は悪くないが。若手のアイデアももっと採用すれば。本業が早く終わったので、「シネマテークたかさき」20時30分からの『オスカー・ピーターソン』。観客10名(3人の女性客以外は老人男性)。前半7割は良く出来ていた(デザインセンスは最後まで)。インタビューは声量を抑えて終始演奏を流してたし、画像もこれでもかというくらい豊富で、取捨選択、編集センスもクール。ただ終幕が近づくと、平凡な4人目の奥さんの退屈なお喋り、今さらの顕彰映像の垂れ流しでゲッソリ。遺族対策が過剰。
4月14日…「高崎電気館」近所にある、旧「高崎オリオン」の廃屋。約30年間前には良く娘らと(シャッター通り入口の「銀鈴屋」で菓子類を買い込んで。昔の映画館は持ち込み禁止等の寝言はほざかなかった)。最初は懐かしくもあったが(金井美恵子&久美子姉妹も常連だったのだなとか)、余りに長引くので獣の腐乱死体を鑑賞させられてるような心境に。早く白骨になっちゃえばスッキリするのに、濃紺の細かいタイルの壁面は頑丈だ。
午前10時過ぎ,「シネマテークたかさき」着。スクリーン2で『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』『ビニールハウス』『成功したオタク』の3本を続けて。観客いずれも20人前後。順に40点、10点、45点。中でも”半地下はまだマシ”の素晴らしいタタキが泣いてる、『ビニール~』の糞さは傑出(チラシもカッコいい)。非暴力主義者の俺さえ、スクリーンを切り裂きたくなった。怒りのあまり熟睡しちまったので犯罪者にならずに済む。
4月13日…昨日午後は「高崎電気館」の”インド大映画祭”(排水管工事でも? トイレの悪臭が消えてた)。『囚われし者ボーラー』『ヴィクラムとヴェーダー』を続けて(観客、前者8人後者11人)。若い女性客が多いのに驚く。『囚われし~』は悪しきインド映画のサンプルみたいな愚作だったが(居眠りしなくても筋を追えなかったろう)、『ヴィクラム~』はインドノワールの秀作。141分の尺だけが問題。帰りの9時過ぎの中央銀座通り巨大シャッター街。客引きやお姉さんが10数人。閑散とした昼間よりはかなり華やか。
今朝もまた5時前に眼がパッチリ。困ったもんだが、WOWOWで『ガリーボーイ』がちょうど始まる。昨日の『ヴィクラムとヴェーダー』はインドノワールだったが、本作はインドラップ。睡眠薬代わりにと思ってたのに、貧乏人のエンターテイメント界出世譚としては壺を心得た演出で、つい最後まで。超暴力的な美人恋人が出色。周囲が善人ぞろい過ぎるのが難点だが。段々インド映画に引きずり込まれるようで怖い。苦手な分野はあった方が時間の節約に。
『アメリカン・グラフィティ』の主要登場人物その後が15分続くとでも言うか、エピローグがくど過ぎた感のある『上野アンダーグラウンド』(本橋信宏・新潮文庫)読了後(65を過ぎると小便の切れと追憶癖が悪化)、再び『死者だけが血を流す/淋しがり屋のキング』(生島治郎・創元推理文庫)に。150Pを過ぎた頃から更に盛り上がる。ただ冒頭作の終幕はボケ爺さんにもほぼ見通しが。無論それで問題はないが。
大日本帝国婦人部隊の明日をになう、杉田水脈と岩田明子。なぜ共著で幻冬舎新書から『人種差別商法繁盛記』を出さないのか。いや岩田は単著で、産経新聞社から『公共放送NHKの鼻の穴~永遠のアベ真理教~』を出すのが先か。小渕優子も負けずに、『紙オムツと奏でるドリルのシンフォニー』(中公新書)を是非。時節柄、『カイロの女~300億の卒業証書~』(小池百合子・角川書店)、あるいは『妄想熟女の鎮魂歌~学歴詐欺は都知事へのパスポート~』(同・同)も忘れてはいけない。
4月12日…65を過ぎたあたりから、電車内居眠りは自由自在(こういう参考書があった)になった反面、自宅で昼寝が出来なくなった。それが昨夕は1時間前後久々に。スッキリしたと喜んでたら、今朝は午前4時には眼がパッチリ。睡眠薬代わりにテレビつけると、WOWOWはサッカーばかり。仕方なくDVDを引っ張り出してたら、更に眠気は雲散霧消。老人の睡眠時間は限定されてるのか。精力を取り戻したいとは毛頭思わないが、8時間くらい眠り続けたいとは常に(現実は5~6時間)。
今朝の『東京新聞』。”本紙と専修大が連携協定”って、ナベツネ新聞と大阪府の癒着と同じじゃん。東洋大や明大で学生のビラまきやタテカンを大学が弾圧する事件が頻繁に。そういう際にも口をつぐむ可能性大(大学側の思惑の一つかと)。新聞社側は広告出稿が目的だろうが、読者から見れば単なる総会屋メディア化。これを恥ずかしいと思わず、自画自賛する記事を掲載する神経が理解不能。田中優子と並ぶ同紙子飼いの記者クラブの番犬、山田健太専大教授は確固たる”マスコミ御用学者”の地位を確保した。今後は”ボンクラ記者クラブヤメ記者”が、同大にゾロゾロ天下るのだろう。ヤメ検、ヤメ記者犬の糞。
一方で群馬栃木版の小松田健一記者はいい仕事を。今朝も安中、富岡、沼田の各市がHPで、国民の権利たる生活保護に一切触れてない事実を調査報道。担当者のハレンチな弁明も紹介(富岡市福祉課の態度が一番悪質だった)。末端記者が努力しても、本社が馬鹿やってちゃ信頼は得られない(桐生市は問題が発覚した1月以降記告知を開始したと)。桐生市、富岡市、沼田市、安中市の共産党市議は、無能怠慢と呼ばれても仕方ない。ギリギリ当選が多いのにも納得。同党、機能不全に陥ってないか。
4月11日…「もう僕もこの仕事25年ですよ。人生の半分ですね」「自慢する訳じゃねえけど、俺なんかその倍近い47年。エロ漫画に縁のなかった時代は、たった23年さ」「………」数日前のオイスター君との会話。電話越しの両者の間に(兵庫県&群馬県)、音もなく一陣の風が吹いた。”そこには~ただ~風が~♪”てな流行歌もあった。今回の入谷コピー文庫のテーマは”怒り”。車影も一切ないのに、2~3メートル幅の道路の赤信号で立ち尽くす、従順な日本人について書いた。
先月から正式に介護施設入りしてる母ちゃんの所へ、妹2人と面会に(人数3人時間10分間制限)。「あんた誰だい?」「ウチに早くけえりてぇでぇ」とか泣かれちゃ困ると心配してたが、「ココの方が気ぃ遣わねえで気楽だよ」と、お世辞を言われて一安心。嫁さんに手間暇かけさせてたとの記憶はわずかにあるらしい。仲が悪かった死んだ父ちゃんの妹が、歩けなくなり別の介護施設に入所したと伝えると、更に元気モリモリモリ。「母ちゃんより3つも若ぇんになあ(本人94歳)。普段楽ぅし過ぎたんだんべな。母ちゃんはまだ歩けるし、とびっこ(走るの上州弁)だって出来らいなぁ(8マンポーズまで)」元気なうちは自宅にもなかなか帰れないだろう。「またくらいなぁ」「そうしてくれやぁ」
ナベツネ系の時事通信の世論調査で、支持率16%のキシダ増税軍拡売国内閣。ホントの支持率は消費税率以下だろう。かくゴロツキ共が悪法を通し、憲法改悪までも口に出来るトンデモ国家。警察・検察・司法、そしてマスコミが行政の下請け化した無法国家では、365日がエイプリル・フール。『日刊ゲンダイ』でのラサール石井。他者の意見を並べるだけで自由主義者気取り。一切のリスクを引き受けない”他人の褌リベラリスト”は、肥溜めに落ちて溺れ死ね(記者クラブ公認インチキサンピン文化人)。室井佑月と一緒に降板してくれ。
4月10日…「109シネマズ高崎」で『マッドマックス』の新作予告を上映中だが、今回は画面全体に重量感が欠け、フワフワしてるような気が。ボケ老人の錯覚ならいいが。ジャッキー・チェンのCGを駆使した新作予告も。功成り遂げた老詩人が、金と暇に飽かせて若き日の作品を改作する場合が(富岡多恵子によれば室生犀星もだったと)。作者の死後、人々はそんな暴挙は歯牙にもかけず、初出作を本に収録して後世に伝える。ジャッキーが中国政府広報マンと言われて久しいが、改作詩人的でもあるようだ(壷井繁治は戦中の大日本帝国万歳詩を、反戦詩に改ざんしたので有名)。
高血圧、皮膚病(湿疹)、歯医者に加えて今日は腰痛で外科に。額のハゲ込みや顔面の醜いシミで、己の廃人化は承知済みのはずだったが、背筋を伸ばすとズキンと来る左腰の痛みに、ヘッピリ越しで「…テテテテ」。改めて廃馬の境地に。立憲の岡田幹事長が共産党の候補者調整に感謝の弁。友子”勝共連合”会長、いちはやく抗議電話をしたろう。しかし健太に対する態度とは天と地だったはず。女スパイ、大金持ちとは永遠にケンカせず。「岡様~ん、友子ちょっとだけ困っちゃう~!」激しい嘔吐の響きに気付かない友子。
仕事の傍ら『上野アンダーグラウンド』(本橋信宏・新潮文庫)。ヤボテン人間には種々勉強に(今更無意味だが)。まだ100ページ。ざっと目次を見た限りでは、上野にエロ本系版元がなぜ多かったのかとの項目は無い感じ。今は笠倉出版くらいだろうが、東京三世社、大洋書房(ミリオン出版)とか、皆あそこいらはが発祥の地。昔からゾッキ本業者が多く、その関係者が出版も始めたのではという話を聞いた。一時お世話になった雄出版も近所だった。
4月9日…別に夜眠れなくなる程でもないが、古い映画を観てると既に周囲から消えた物が登場、名称も思い出せずにイラつく場合が。昨日の『あこがれ』(’66東宝)では、内藤洋子が新珠三千代と寮の物干し台で会話する場面でだ。内藤が洗ったばかりの衣類を干すが(パンティじゃないよ)、それはプラスチックや金属製のパイプではなく、竹に青いビニール状の物を巻いた物。当時はどの家にも何本かはあった。確か竹に巻いた後でお湯をかけるとピシッとフィットするのだ。この製品の名称が思い出せない。”竹ピシャット”とかでは絶対になかった。
「友子会長ですか?」「あ、そ…総理。わざわざアメリカら…」「東京15区は困るじゃないですか、共産党が候補を引っ込めちゃって。立憲に要請されたみたいな事、小池のデブが言ってましたよ。こういう事が絶対起きないように、我々としても日頃会長と色々な意味で親しく…」「も…申し訳ありません! わたくしも総理の秘書のつもりで執行部を指導してるのですが。やはり末端にはピンクとでも言うか、一部容共分子がですね…」「言い訳は結構。我々には学会の皆さん、維新の皆さん、国民民主党の皆さんと、看板こそ違いますが一心同体の同志がたくさん居るんですよ。更に盤石の態勢を築くために、会長には破格レベルの物心両面の援助をして来ましたが、やはりもう…」「お…お待ちください! 野党統一選挙など、ここ以外は絶対に許しません。わたくし友子めが体を張って阻止して見せます!! ですから毎月のアレの方も今まで通り…」「信頼していんですか?」「女に二言はありません」「じゃあお言葉を信じて、少し様子を見させてもらいましょう」しばらく聴き取り不能の雑音が続く。「健太か?」「か…会長わざわざどうも。御用があれば即刻お伺いしましたのに」「ワレ! 寝ぼけとんのか? 首じゃあ。もう一区でもこれ以上共産党と組んだら、お前は絶命じゃあ! 選挙区にも玉木に命令して対立候補を…」再び雑音で聴き取れなくなる。某組合に忍び込んだ泥棒から分けて戴いたデータですが、どこまで信頼出来るのやら。
生島治郎をペインティング、『空白の意匠』(松本清張・新潮文庫)を先に。既読分も交じってたが、それも含めてやっぱり面白い御大。「紙の牙」「空白の意匠」が双璧で、「一年半待て」「巻頭句の女」はやや苦しいかなと。右翼反動出版社ではあるが、新潮文庫の紙質はやはり業界トップ。薄くても強靭で脂分不足の老人にも何故かめくり易い。逆に駄目なのは、講談社文庫、光文社文庫といった音羽系かな。無意味に厚くて毛羽立ってる感じ。
4月8日…昨日。「109シネマズ高崎」で『夕陽のガンマン』。観客9名。内容に文句はないが、ロングショットになるとピントが甘かった。20分しかないので急ぎ足で駅反対側(西口)の「シネマテークたかさき」へ。『ノスタルジア』。観客7名。「岩波ホール」かどこかで1度観てるはずだが、全然記憶に無い場面ばかり。多分熟睡したのだろう。今回も数カ所で居眠りしたが、3度目でやっと全編を通して見物出来た、『惑星ソラリス』ほどでもなかった。主人公の頭の、台湾ハゲならぬ台湾白髪がおかしかった(自国民を大切にする先進国台湾の皆様。つまらぬ比喩に用いてすいません)。
上信線で『若き柩』(笹沢左保・徳間文庫)読了。控えのもう1冊は、『死者だけが血を流す/淋しがり屋のキング』(生島治郎・創元推理文庫)。同一畑とは芸がないが、持ち運びに便利な買い置き本が無かった。当初は最近中公文庫から2巻本で出た、ツヴァイクの『バルザック』(早川書房)の1冊本を考えたが、肩が凝るどころか重さに耐えかね、転倒して大腿部骨折になりかねなないので回避。悪くないが前向きかつ清潔すぎて、松本清張や笹沢左保が備えてる、人間への根本的嫌悪感&笑いを欠くのは惜しい所だ。
「神保町シアター」で『あこがれ』。観客25名前後。去年だか一昨年、「シネマヴェーラ渋谷」で見物したばかり。良く出来てる映画は何度観ても飽きない。林寛子生涯の代表作であるばかりではなく、とにかく脇役が豪華(さすがは大東宝。どう見ても大映や日活の3本分のキャスティング費用が)。小沢昭一、賀原夏子、加東大介、千石規子(何とワンシーンのみ!)、沢村貞子、乙羽信子…(さらに音楽は武満徹)。内藤洋子売り出しに万全を期してる(今見ても新鮮で可愛いのに、古本市場では酒井和歌子の足元にも及ばず)。名女優の賀原夏子。自伝じゃ映画にほとんど触れず、寂しかった。舞台人のバ片手間イトだったのね。バイトであんだけの演技がこなせるのも凄いが。
4月7日…夫婦は所詮は他人ゆえ分からない点が多い。拙宅の場合は女房の蒲団干し嫌い。俺は逆に大好きだから、一緒に干してやろうとすると、「まだいいよ」。俺の実感では、前日干したか否かでは寝心地が3割は違う。当然俺は毎日。女房が干してる姿は見た事がない。濡れせんべいが好きなのと関係が? とやかくは言わないが、人間の趣味は実にそれぞれ。早めに仕事を済ませて、「109シネマズ高崎」の『夕陽のガンマン』、「シネマテークたかさき」の『ノスタルジア』をはしごの予定。両作品ともに内容はご存知の通りで安心だが(後者は脱力感で)、雑用が全部午前中にこなせるかな(蒲団は既にベランダに)。
昨日、犬連れの9歳の少女が上信電車にはねられて死んだ西山名駅手前(下仁田方面から見て)踏み切リは、ひょっとすると昨年か一作年、軽トラが衝突して俺も数時間電車内に閉じ込められたのと同じ場所かもと。注意深く電車内から観察。現場付近には幾つもある無人踏み切りだが、問題個所はより西山名駅に近い、つまり住宅街に近い場所だった。花が一杯添えられていた。吐き気。生存者の自己満足感ほどグロテスクなものはない。
4月6日…昔は常識だったが、今の人は知らないし興味も無いだろうが念のため。敵対する中核派と革マル派は元々同一組織だった(体育会系が前者で新興宗教系が後者)。だから発行機関誌名も両方『共産主義者』(発行元は前進社対こぶし書房)。近親憎悪故か意地でも改題しない感じ。しかし昨今の事は俺も良く分からない。革マル派の『新世紀』は今でも高崎駅「くまざわ書店」で良く見るが(誌面はすっかり『第三文明』化してて面白い)。JR東日本高崎支社には今でも活動家が居るのだろう。つい最近まで会社とタッグ組んでた、最大の出世コース勢力(JR東労組)だったのだから当然だが。ここらは自民党と公明党の関係に似ている。同派は結局会社に使い捨てにされたが、プチ犯罪者集団大阪維新の登場で、公明党は古女房状態で言うがまま戦争国家化にフルチンで協力。悪徳亭主、本妻、愛人(維新)での軍拡ニッポン3本の矢。公明党は革マル派よりも使いでがあるって事だな。
機関紙となるともっと分かりにくい。革労協&社青同解放派(反帝学評)は、革共同(中核派、革マル派)とは全然無縁な旧社会党系の組織(過激すぎて追放された)。なのに機関紙が『解放』でなぜか革マル派と同じ。明大夜間部は反帝学評支配だったので、時々活動家が機関紙売りに。老舗の地元ヤクザから商店主がしめ縄を買う感じでたまに購入。「革マルの『解放』に比べると、青解の『解放』は面白くないですよ。マジメすぎると言うかセンチでさあ」「マルの”エセ解”なんかと一緒にするな!」学苑会委員長のSサンは良くマジで怒ってましたが。2つの『解放』、まだ出てるのでしょうか?(どうでもいいが)。
「高崎電気館」、今日から俺の大嫌いなインド映画特集を。まったく気は進まないが、事前に胃薬(熊の胆)を飲んでから怖いもの見たさで1度行ってみるか。高崎駅西口から徒歩約30分。運動にもなるし。シャッター街の「天華堂書店」前を通ると、全盛期の賑わいを知る者には、70年代的感慨も湧くし。高校時代にここらを歩き回ってると、多分有線放送からだろうが、「白い恋人たち」のメロディが良く。人気の無い今は、カッコウの鳴き声でもしそう(俺んちの周囲は雉専門)。この中央銀座通りシャッター街、最近はロケのメッカだから知らないまま全国の人々が眼に。『シン仮面ライダー』にも確か。
4月5日…特に桜に興味がある訳ではないが、上州七日市駅に近い富岡高校卒業記念館(俺の在校時代はそう呼んでた記憶)裏手畑の、しだれ桜と思われる樹木は見事な咲きっぷり(絵はがきのよう)。大阪市や東京都だと伐採されちゃったろうな。気づいたのはここ数年。本ばかり読んでんじゃないよ。自民党の裏金脱税事件の処分。小平義雄が大久保清を説教するようで笑わせる(「お前の突っ込み方には品がないヨ」とか)。一方で天下り先の物色に忙しく、全面的職務放棄状態の自称検察(別名、自民党犯罪議員無罪証明機関)。甲斐行夫検事総長の年収は2900万と(調活費他の裏金類は別枠)。ハレンチ性犯罪警官を匿名報道し、ご褒美に退職金を満額支給する、トンデモ国家もどきらしい光景だ。
足が遠のいてた「古書会館」へ久々に。意外にも10冊以上買えた。革マル派の活動家が死んだか処分したらしく、『共産主義者』『ケルン』他が大量に。初戦は勢いがあったものの、後半は中核派他にやられっぱなしだった内ゲバ戦線での同派。けど古本戦線では別で、中核派や革労協を足元にも寄せ付けない。”宗派革マル”と両派に呼ばれてただけはあり、今でも圧倒的売れ行き。池田大作ほどではないにしろ、黒田寛一信者は根強く存在してるのだ。ただ60年代、70年代初頭の分は無かった。事前に抜いてあったのか、午前中に売れたのかは不明。同派の他党派罵倒芸は、吉本隆明もかなわない。笑った後で不快感で胸が一杯になる点は両者共通。
夜、「シネマテークたかさき」で『コット、はじまりの夏』。観客4名。良くある話だが、映画が分かってるスタッフが丁寧に撮ってて、気持ち良く見物出来た。コット役が子役芝居をするのが弱点だが、それを補って余りある父親の駄目っぷりに痺れる(大阪維新推薦?のギャンブル依存症酪農家)。上りで『魔家族』(笹沢左保・徳間文庫)読了。下りでは『ショットとは何か 実践編』(蓮實重彦・講談社)を。蓮實元東大総長、もう88歳なんだね。
4月4日…この12年間、ほぼ隔月で「高崎総合医療センター」へ。くも膜下出血で死ぬところを救ってもらったのだし仕方ないが、まるで鵜のようだとは昔から(違うのは、何一つ獲物を腹から吐き出さない点)。昔はそのまま飯田橋まで出勤したりも。今はそのパワーも無く、帰りに「シネマテークたかさき」へ寄り上信線で帰って来ちゃう。上京する程の仕事もないのが実情だが。
「シネマテークたかさき」で12時30分開始の『ボブ・マーリー』。観客12名。面白い。特にボブ・マーリーの楽曲以外が。ボブさんのカリスマ性&華は理解できるが、豪邸住まいの俗物性にも眼を逸らさないスタッフの炯眼にまず敬意。ライブ場面の接着剤的市街光景の色彩描写感覚にも感嘆(ゴダールの域)。西独スタッフセンスたっぷり。終わり近く、踊りつつはしゃぐガキをアップにしない点も粋。
女房にホッピーが飲みたくなったので、マーケットで探してくれと頼んだが、無かった模様。近所に「日高屋」があればなあ。なぜ急に飲みたくなったかと言えば、昨日見た『オッペンハイマー』のせい。鼻高々の彼の絶頂期。職員が「オッピー!オッピー!」と囃し立て、彼も満更でもない顔を。何となく、「中だけー!」と叫びたくなった春の一日。
4月3日…「シネマテークたかさき」で12時30分開始の『ボブ・マリー』。観客12名。面白い。特にボブ・マリーの音曲以外が。ボブさんのカリスマ性&華は理解できるが、豪邸住まいの俗物性をも眼を逸らさないスタッフにまず敬意。ライブ場面の接着剤的市街描写に感嘆1).ネマテークたかさき」でもやったのに、観に行けなかった『オマージュ』を今WOWOWで(映画の映画って9割方凡作だし)。所が『漫画ホットミルク』の斎藤O子編集長を思わせる(斉藤さんの方が美人だが)、先駆的女性監督の足跡を追い求める主人公が好演、つい引き込まれた(ホン・サンス風な嫌みも無いし)。昔も今も大して変わらない女性の立場への怒りも交えて物語は展開(特に亭主&息子の駄目っぷりがリアルで、身につまされる)。こんな場面も。一人住まいの元老女性編集者宅を訪ねる。ややボケかけ足の不自由な老婆が、途中で洗濯物を取り入れようとする。当然”斎藤さん”は手伝う。しかし運転手役として同道した青年は(女性監督探求チーム員)、胡坐を組んでお茶飲んだまま。それを敢えて批判的に扱わない描写が効果的。ただスプラッタ物じゃないんだし、出血量は過剰過ぎるし、追う女性監督のイメージも安っぽい。
芸術が爆発なのは知ってたが、大阪万博もだったとは。冥土の岡本太郎もビックリ。でも維新関係者は喜んでるんじゃ。また工事費増やす理由が出来たって。警察・検察・司法が機能してない腐敗独裁国家では、悪事がばれても悪党は焼け太りするのみ。連中、万博もカジノも内心はどうでもいい。ピンハネ政治実践のお題目。辺野古基地もしかり。宗主国米国さえ軍事的にも無意味と迷惑顔してるのに強引に。工事が見通せなければ見通せないほど、土建屋や天下り警察官僚が仕切る警備会社は利益を上げ続ける。大日本ピンハネ大帝国よ永遠に!(絶対に無理だが…)。
夜、「109シネマズ高崎」で『オッペンハイマー』。観客5名。6時開始で終わったら9時過ぎ。老人殺しの”要尿瓶映画”。宮内庁御用達の自由民主主義者、町山智浩が持ち上げる程ではないが、まあまあ。ただ40分は軽く切れる。無意味な回想場面の乱用でカッコつけるのは昔からこの人の悪癖だが、文筆会の柄谷行人みたいなトコ、好きなガキも多いのだろう。わざと美人女優を出してない気も。脱ぐ役柄の人選も間違えてる。
4月2日…昨夜の上信線では、『[新版]中東戦争全史』(山崎雅弘・朝日文庫)を一休み、『昭和39年の俺たち』5月号を。中盤以降次第に盛り上がるが、同誌の巻頭特集は毎号一番つまらない(今回は”トラウマ名セリフ集”)。若手ライターが束になって頑張ってるが、安い材料で作った五目飯のよう(少しすえた匂いも)。俺も数本拾い読みするだけなのが常。後半の引き立て役にはなってるが。今号、「グループサウンズスペシャル」は特に読みごたえあり。沢木毅彦の強力連載は一番最後に読もう。
『漫画大作戦』で思い出したが、淡路書房は『漫画エロチカ』も発行、自販機登場前なのに10万近い部数を。中身は特に同社他誌と変わらないが(若山ひろし、木村仁、トチボリ茂はレギュラーだったと)、誌名が決定打だった。無論『漫画エロトピア』が切り開いた地平だが、他社も『漫画エロス』『漫画エロチスト』等と次々に。『漫画千一夜』も淡路書房だったか。Sさんという細身の編集局長的存在は、どう見ても広域暴力団の若頭で、成田三樹夫を連想させなくもなかった。もう皆さんお亡くなりになったでしょう。ご健在なら家族は大変だ。
『週刊文春』、昔からコラムの数は多いが、結構カックンなのが多い(『週刊新潮』に比べればマシだが)。俺は昔は小林信彦、今は能町みね子しか読んどらん(コバノブよりも面白い)。溝口敦、適菜収、東陽片岡、佐高信他が居る『日刊ゲンダイ』は、保阪正康、室井佑月、ラサール石井等がいくらペケでも、確率的には救える方なのかな。それと、石田純一、前田吟の連載が予想外に面白い。いつまでもダラダラ続けてくれ。山崎雅弘が日本は1年中エイプリルフール状態ゆえ、4月1日が無意味になってるから騒ぐべきではないと。納得。『東京新聞』、「こちら特報部」の恒例の4月馬鹿特集ももう中止すべし。現実に3周くらい追い抜かれてる。
4月1日…藤田まことや桑原幸子(ユッコ)が司会してた時代もあるらしい、70年代前派から中盤にかけての12チャンネルの深夜エロ番組に(70年代の同局は終日エロチャンネル)、『夜の大作戦』が。それから誌名を頂いたとみえるエロ劇画誌、『漫画大作戦』を芸文社の小会社淡路書房から(石井隆が初めて別名で単行本を出した版元として名を残す。新星社、平和出版も同系列なので、あるいは両社が発行元だったかも)。その編集長が中年の実話誌が長かった編集者に交代。「僕は劇画が良く分からないので…」と遠山孝社長に意見うかがいにわざわざ(善良そうで窓際族っぽかった)。丁寧に教えてあげてたが(漫画家名も含め)、帰ると「気の毒だけど彼には無理だねえ。実話誌のアクが身についちゃってるし」。その通り好転しなかったらしく、数カ月後には遠山企画に外注化。「彼の仕事奪っちゃったみたいで、後味が悪いねえ」珍しく殊勝な老人。結局、俺が『漫画ショック』と改題して担当したが、1年も持たずに廃刊に。あの優しそうなオジサン編集者の歳までは絶対にやりたくない仕事と、22~23歳の俺は決心してたのだが…。
高崎線の上りで『ミニシミテ』(田中泯・講談社)を200Pまで。65点くらい。舞踏家としてはともかく、著者は喋らないと名優。何の関連性もないのに、映画でこの人を見るとリリー・フランキーを連想しちゃう。いトう君来社。お母さんの遠距離介護で、相変わらず都内から熊谷に頻繁に帰ってると。しばしの介護談義。お母さんはまだ70代後半と。先は長いな。
「シネマテークたかさき」で19時5分開始の『みなに幸あれ』(下津雄太監督)。観客13人。イカれたチラシが何かを期待させたが、最初の方で主人公が、「もう電車のチケット買っちゃったから」との台詞を。映画や芝居の券じゃあるまいし、”切符”じゃないとおかしいと、誰も注意しなかったのか? 以下全部こんな調子の支離滅裂な脚本(角田ルミ)。角川配給の映画らしく照明の節約も露骨で、暗い画面に両眼が疲労困ぱい(顔の判別がつかないのは、美男美女が一切出てないので幸いだったが)。全体にショボっぽさ満点。総予算1000万前後かなと素人眼には。清水崇が1枚噛んでる割には無惨に過ぎる(編集もトーシロ感丸出しで、終始ふた汽車遅れだった)。