Mamononoプロジェクト OFFICIAL

「ひなこまち」それぞれの語りの形

さて、迷子の届けを出し、幼子を預かってもらえるところを探そうと、町へ出た若だんなたちでしたが――
そこへ噺家の姿をした場久(実は悪夢を食べる貘)が通りかかります。


この間の経緯を、私は雪柳に語らせることにしました。
原作では地の文で多く語られる若だんな一行の成り行き(離れを出てから場久に会うまで)を、雪柳の目線で語るという形をとったのです。
 
見えない登場人物たちを巧みな表現力で軽やかに伝えていく守祥子。
 
雪柳は心の内に大きな塊を抱えており、天然の無邪気さと芯の強さ、戸惑い、渦巻く思いが混在した……その按配が本当に難しかった役。
私の想像を超える、守祥子の雪柳になりました。


場久登場で驚きの事実が1つ明らかに。
ネタバレになるので言えません(笑)


そしてさらに、幼子の身に降りかかる災難――
 
思い悩む若だんなを尻目に、今度は場久がその後の展開を語り始めます。
もちろん噺家さんですから、落語の形を借りて。あくまで形を借りて(笑)
 

そして若だんなたちはある場所にたどり着きます。
 
ここはどこでしょう?

上のほうに何かいる??

何が起こってる?!

さてさて、ものがたりはクライマックスを迎えますが、ここで私の場久は、場久でいながら進行役の語り手にも徹し、見えない妖らの役も担うという……膨大な台詞量に心折れそうになりながら、年輪の鈍さとも闘いながら、決死の思いで挑んだ場面でした。
 
そして、そのあと若だんなが語る謎解きは、それこそほぼ原文に忠実に、語りの王道といわれるようなシーンにしたつもりです。
 
 
三者三様の語りシーン、コロナ下での稽古を想定した上での試み。
かなりチャレンジングな舞台だったというようなお声もいただきました。
 
もし再演するならここをこう……などと、既に思い描いてしまうののなのでした。
 


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