営業マン(お土産)

2022年12月19日 | その他

先輩と後輩、それは決して変わることのない縦社会の縮図です。

優しくて友達のように接することが出来る先輩もいますが、大抵は
気をつかう存在ではないでしょうか。

私の先輩がお土産屋さんの営業マンとして活動しており、何かしら
用事があるそうで、今日は来てしまうことになりました。

出来ればお会いしたくないですが、どう頑張っても、逃げ切るには
限界がありますからね。

ピンポーン♪ ピピピピ、ピンポーン♪ ピンポーン♪

何回も押すなよ。クイズ番組じゃないんだから。  ガチャ。



どうも先輩! 心よりお待ちしてました。

「おう、まんぼ~じゃないか。久しぶりだな」
「最後に会ったのが、いつなのかも思い出せないぞ」

「全く連絡が取れないから、俺のことを忘れてたんじゃないか」

忘れるなんて、とんでもありません。
最後にお会いしたのは何年も前ですよね。

先輩には学生時代から可愛がって頂きましたが、テストの直前に
消しゴムを隠して頂いたことが、特に思い出深いです。

あのピンチを乗り切ったからこそ、今の自分がありますから。

(忘れたくても、忘れられないんだよ)



「ハッハッハッ! ちゃんと覚えてるじゃないか」

「そうだそうだ、そんなことがあったな」
「絶対に間違いが許されないプレッシャーは凄かっただろ」

「物を隠すシリーズなら、靴を片方だけ隠したり、集めてるマンガを
1冊だけ隠したパターンも思い出したぞ」

「本当によく遊んでやったもんだ」

そうです。そうです。 本当に楽しかったですね。

(靴もマンガもコイツが犯人だったのか・・・)





「なんだかんだと、俺たちも長い付き合いじゃないか」

「それでだな、俺も何かとお前には世話になったと思うから、今日は
お返しに素敵なものを持って来てやったぞ」

「遠慮はいらないから、このクッキーを食べてみろ」

いえいえ、先輩が食べてないのに僕が先に食べるわけには・・・。

「それはいいから、次から次にクッキーを食べてみろって」
「美味いか? 美味しいか? どっちだ?」

これは美味しいですね。サクサクしてて、甘すぎることもなく上品な
味のクッキーだと思います。

(どれだ、どれにワサビが入ってるんだ)



「そうだろ。こんなにも美味しいクッキーは沢山の人に知ってもらう
べきだと俺は思ってるわけだ」

「そこで、新聞配達の経験があるまんぼ~が活躍するんだよ」

「お土産のパンフレットを5000冊持ってきてるから、それを近所の
家やマンションのポストに配ってきてくれ」

えーーっ! 僕が配っていいんですか!

いやいや、願ったり叶ったりって、本当にあるんだな。
手首の感覚がなくなるくらい、何かを配りたいと思ってたんですよ。

色々な意味で美味しいな~。

(本当は悲しいけど、嬉しいフリをしなければ)



「よし、今日の用事はこれで終わりだ」
「今から出張でニューカレドニアに行くことになってる」

「そろそろ関西空港に行かないと飛行機に間に合わなくなるから、
空港に向かうことにする」

えーーっ! もう帰るんですか。来たばっかりじゃないですか。

関西空港がコッチに来てくれたらいいのに。

あの空港は海にプカプカと浮いてますから、橋をガチャっと外して、
スイスイーっと移動できるはずです。

もっとゆっくりして下さいよ。 残念だな~。

(本当は嬉しいけど、悲しいフリをしなければ)



やっと大魔王が帰ったか。 塩をまいておこう。

どうせロクでもない用事だと思ってたけど、予想どおりだったな。
ああやって、都合の良い時だけ先輩風を吹かせにくるんだ。

って言うか、ワサビの方が良かった。

新聞配達はやってましたけど、自転車で朝刊を250冊配るのに、
3時間以上はかかってた記憶があります。

配達用の自転車もバイクもないのに5000冊って。
いったい何日かかるんだよ。

ハァ~。 お土産だけに、荷が重いって。




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