MBSR(マインドフルネスストレス低減法)認定講師(IMA/ドイツ , IMCJ/日本)、ヒューマンスキル研修講師のマグノリアです。
マインドフルネスやコミュニケーションについて、ブログに綴っています。
私がマインドフルネスと出会うきっかけは、仕事や環境のストレスでした。
自分で『ストレス』を抱えているという自覚が全くない中で、身体が強いストレス反応を示しました。
さて、マインドフルネスといえば『ジョンカバットジン博士』です。
慢性的な疼痛を抱える患者に対して、10週間のマインドフルネスのプログラムを行ったのが、1985年。
痛みを抱える自分自身の身体に対しての否定的なイメージが軽減したり、痛みを抱えながら活動することに前向きになったり、不安・不快な気分や自己肯定感が改善したり、とさまざまなな効果が認められました。
プログラム終了後も、患者はマインドフルネス瞑想を続け、効果は持続されたそうです。
これをもとに『マインドフルネスストレス低減法』を確立し、現在広がるマインドフルネスの柱となっています。
実は現在、私自身が痛みと付き合っています。もうかれこれ10ヶ月。
今こうしていても、ビリビリと電気が走るような刺激が、強くなったり弱くなったりしながら肩から肘にかけてあります。
よく「痛い!」と口にしますが、痛みとは概念です。
”痛い”と感じる刺激を観察してみると、ビリビリの時や重だるさの時、ギューッと絞られている感じの時など、随分違うものです。
概念ではなく、実際に起きていること感じている感覚を解きほぐしてみましょう。
痛みを感じているその感覚は、一体どんなものなんだろう?
強さはどうかな?
感覚の間隔はあるかな?
などと、面白がるように眺めます。
監視と観察は大きく異なります。
監視は厳しい視線。
観察は興味の視線。
優しい好奇心を持ちながら観察をして、「あ、今こんな感じなんだ」とマインドフルに気づいてゆくのです。
しかし、身体の感覚(この場合は痛み)にだけ視点を向けていると、身体感覚が研ぎ澄まされて、痛みを感じやすくなってしまいます。
そこで、”優しい好奇心を持って気づいた痛み”に対して、どんな感情が湧いてきているか、どんな考えが浮かんできたか、視線を切り替えてみます。
痛みと隣合わせにいながら、感情や思考を観察すると、どんなことが起こるでしょうか?
私の場合は、注意の焦点が変わる事で、少し身体感覚から距離が生まれる(痛みの刺激が少し穏やかになる)ように感じます。
決して痛くなくなるわけではないのですが😅
また、痛みに対して浮かぶ感情や思考は、ネガティブなものばかりでは無い事に気づくときもあります。
「痛いのは嫌だ」「いつまで続くのか」などの他に
「今まで頑張ってきたからなんだなぁ、ご苦労様」「感じるって生きているからなんだよね」など。
ネガティブが良くなくて、ポジティブに考えよう!ということではなく、心地よさも不快さも、痛みをきっかけにこんなにあるんだなぁ、という気づき。
こうして身体の感覚や感情、考えを、少し距離を持ちながら眺めると、不思議と心が落ち着き、「どれどれ、もう少しこの痛みと付き合っていくか」という気持ちになります。
私達のストレス要因はさまざま。
反応もさまざまです。
辛いなぁ…というとき、ほんのひと時、呼吸を感じながらマインドフルな時間を過ごしてみましょう。
今日もお読みいただきありがとうございました。