決めるべき所で決まらない。
いや、決めるべき所さえまともに作れない。
攻撃時には正に「無策」と言っていいほどの無策。
センターではひたすら動脈硬化のように流れが淀み、
僅かに臼井のみが流れを産み出そうと必死になっている。
終に耐え切れず、防波堤が決壊し失点。
そのまま試合終了。
挨拶に来るあいつらの顔なんか見たくないから、
足早に幕の紐をほどきにかかる。
試合後メインスタンド前での罵倒と喧騒。
「あんな事言われたら選手が可哀相」
どこからか耳に飛び込んできた腐りきった言葉に思わず
手が出そうになるが、ぐっとこらえる。
それでも、土曜には試合が来る。
情けなくて、
どうしようもなくて、
落ちこぼれてるけど、
それでも、俺らはお前らに託すしかねーんだよ。
あとほんの少し、
相手より1点多く獲るだけでお前ら毎試合英雄扱いだ。
ここまで半年間、やっとの思いで積み上げた物を、
ここで無にしていいのかい?