(ほとんど)シネマ日記

できるだけたくさん映画を見たいという希望をこめて

17歳の肖像

2010-06-27 15:55:09 | 映画さ行
17歳の肖像 - goo 映画 
 先日、英文誌に論文を投稿しようと規定を確認していたら、使用言語は英国英語でも米国英語でも良いが、混在は認めないと注意書きがありました。そんな難しいことを言われても、英語の違いなんて分からないし、どこかにジャパニーズ・イングリッシュでも良いと書いていないかなと探しましてしまいました。
 さて、この映画はいかにも英国の映画でした。ディナーのことをサパーと言うし、お茶にクッキー、小さなサンドイッチ。主人公の住んでいる家も狭いです。階級社会を感じさせるあまり裕福でない家庭。娘をオックスフォード大学に入れることを切に願う両親。しかし、勉強一筋の生活に疑問を抱き、口上手く誘ってきた年上の男ジェイミー(ピーター・サースガード)に騙される女子高生ジェミー(キャリー・マリガン)。思い返せば、至って平凡なストーリーです。でも、とても心に残る映画でした。もちろんキャリー・マリガンやピーター・サースガードの演技の巧みさもありますが、それだけでは無いです。
 「先生みたいな憂鬱な人生を送るために勉強するなんてバカバカしい」というジェミーに言葉を失うラテン語の先生(オリヴィア・ウイリアム)。人生の本当の喜びはそんなところには無いのですよ、と言ったところで高校生に分かるわけない。失敗から学ぶことをじっと見守るしかないのです。最後の場面、もう一度勉強したいと戻ってきたジェミーを「貴女が来るのを待っていたわ」と言って受け入れます。原題は「An Education」です。そういう脚本がいいんですね。


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