(ほとんど)シネマ日記

できるだけたくさん映画を見たいという希望をこめて

蜩ノ記

2014-10-25 18:33:02 | 映画は行
エンドロールが終わった瞬間、背後の席に座っていた年配の女性が「良かったわ」と呟いていました。まさに、そう言いたくなる秀作。これは映画館で観ないと勿体無いです。
まず、お話しが面白いですな。お世継ぎ騒動と言う使い古されたテーマを、藩史編纂に生きる古参武士の生活を通して、少しずつ明らかにしていく工夫が効いています。登場人物も少なく、派手な場面もほとんどないのに、全く飽きさせない。また、役者がいいですね。役所広司の映画にあまりハズレはないけれど、今回特に良かった。将来、代表作と言われるようになるかもしれません。他の役者もほぼ完ぺきな配役という感じでしたが、観終わって取り分け印象に残ったのは、主人公の妻役を演じた原田美枝子でした。最後のシーン、切腹に向かう夫に別れの挨拶をする正座姿の美しさは、感涙ものでございました。

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