雲取山や陣馬山よりも前に、無謀にも蓼科山に自転車登山を試みました。
最初の年はスズラン峠の正道からアタックしました。
そこまでは前泊の蓼科クライネYHから蓼科湖に出て
親湯温泉の裏口から通じる信濃自然探索路を辿ってきたのですが、YHのペアレントに騙されたと思いました。
「マウンテンバイクなら、漕いで登れるくらいの道だよ」と言うのです。
とんでもありません。立派な登山道じゃないですか!
スズラン峠の登山口に辿り着くまでに2時間近くかかってしまいました。
そこからようやく蓼科山に取り付いたのですが、2113mの前山地点で11時頃。
ここから先はさらに険しい岩場が待ちかまえてると、山頂から下りてきたお父さんが言います。
このままでは日没までに山頂に辿り着くことすら困難だと判断し、
鬼のダウンヒルでスズラン峠まで取って返しました。
女の神茶屋で昼食を摂ってご主人に尋ねると、
「竜元橋から天祥寺ヶ原を通って双子池ヒュッテに抜ければ、マウンテンバイクでも漕いで行けるんじゃない?」と言います。
さっそく言われたとおりにアタックしてみると、また騙されました。
天祥寺ヶ原で所々漕いで進めるもほとんどが立派な登山道じゃないですか!
さらには双子池ヒュッテで一緒に泊まったご婦人登山者が言いました。
「高見石から渋御殿湯まで、賽の河原だったらマウンテンバイクで乗って進めるんじゃない?」
もう騙されません。後に賽の河原を訪れたとき、「バカも休み休み言え!」と思いました。
賽の河原はその名のとおり、賽の目のような大岩が2242mの高見石まで連なっているのです。
ほら! ここをどうやってマウンテンバイクで行けというのでしょう!
つまりはどんなに地元の人だろうと土地勘のある登山者だろうと、自転車で山道を上り下りしたことがなければ、
リアルな感覚(距離・勾配・路面のグリップなど)がわからないということです。
それにそもそも冷静に距離と標高差、登山地図のコースタイムなどを計算すれば、
ある程度のしんどさは予測できたはずです。
他人からの情報に頼っていては自転車登山はままならない。
頼むべくは地図やGPSなどの客観的情報と己の経験値なのだと痛感しました。
前年の反省を踏まえ、登山地図を読み込んだ結果、
7合目登山口~将軍平ルートならマウンテンバイクで蓼科山頂に立てると判断しました。
このルートは公共交通機関がないので(ゴンドラで御泉水自然園までなら上がれる)、
レンタカーで7合目登山口駐車場までマウンテンバイクを運びました。
予想どおり、ひたすらマウンテンバイクを押して進むことができました。
しかし、将軍平手前の急斜面で諦めてマウンテンバイクを下りてしまいました。
当時はまだGPSを持っていなかったので、
その地点から将軍平までの距離と高度がまるで把握できなかったからです。
地図読みで正確な位置を瞬時に弾き出せる技術も備えもありませんでした。
後にロードバイクで大河原峠にアタックし、そこから徒歩で将軍平を目指しましたが、
ものの一時間で到着したのでがっかり。
大河原峠からなら、蓼科山の自転車登山も不可能ではありません。しかし、前述したとおり、
北八ヶ岳の登山道は自転車の乗り入れ禁止と知った今となっては、それも叶いません。
エ~ッ(驚)! 蓼科山も自転車でトライされたのですね?! 無謀かも~(笑)
私も歩いて登ったことがありますが、相当きつかったです。岩場では登るのも下るのも本当に大変でした。