昨年12月に三条の湯に泊まった時、カタツムリの缶バッジを見つけました。
「ゆっくり山歩いています。お先にどうぞ」と書かれたバッジ。
これなんだろう?と、バッジに添えられていたメッセージを読むと
病気やケガ、治療、身体の故障、リハビリ中、後遺症、ハンディキャップ等の人々が、
安心してゆっくりと山を歩くことができるようと作られたしるしとのこと。
製作者は山が大好きな女性で、ご自身の乳がん闘病体験から作られたそうです。
メッセージを読み、泣きそうになりました。
術後半年でこんな活動をなさっている製作者に、畏敬の念を抱きました。
なぜなら、私も乳がん経験者であり、抗がん剤の副作用や手術の後遺症等で
歩くのが困難になり、辛い思いをしたことがあったから。
10メートル歩いただけで、100mを走ったような疲労が襲う。
階段を1段あがるのがキツイ。
それでも山に行きたくて、何度も山に行きました。
ゆっくり、ゆっくり歩き。3歩進んで一休み。
歩くのが遅くて他の登山者の邪魔にならないか不安でした。
術後も、体力・筋力がなかなか戻らず、右腕はしびれがあり
リンパ浮腫におびえながら、恐る恐る山に行っていました。
山が好き。でもゆっくりしか歩けない。
そんな思いを持つ方を応援する「ゆっくり山マイマイ」の缶バッジ。
ただその時は売り物なのか分からず、そのまま三条の湯を後にしてしまいました。
後日、ゆっくり山マイマイのサイトを見つけ、バッジのプレゼントに応募し
缶バッジをいただきました。
現在は右腕のしびれはあるものの、普通に歩けるようになりましたが
これからはこのバッジと一緒に山に行こうと思います。
少しでも優しい気持ちを広げるお手伝いができたらいいな。
ゆっくり山マイマイの願い(サイトからの引用)
このしるしを持つ全ての人が、優しい気持ちでつながること
頑張る人を応援する気持ちを増やし、つなげること
病気で山をあきらめて欲しくないということ
たとえ、ゆっくりな歩みでも安心して登山は楽しめると知って欲しい
山が、その人の生きる希望の一つとして、支えになることを願うこと
※術後約1年後の検査は問題なしでした。
今は元気そのもので、山に行ってさらに元気をもらっています