航空機燃料に「藻」エネルギー 4年以内に実用化の可能性
CNN.co.jp 10月12日(火)17時21分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101012-00000007-cnn-int
ロンドン(CNN) 空港近くの海で採れた藻類から、航空機を飛ばす燃料が作られる――。環境対策を迫られる航空業界で、こんな将来像を描く英クランフィールド大学の研究が注目を集めている。
このプロジェクトはブリティッシュ・エアウェイズ(BA)やエアバスなど航空大手の支援を受け、藻類を大量培養する技術の開発に取り組んでいる。同大のフィアガル・ブレナン教授は、4年以内に商業ベースでの実用化が可能との見通しを示す。
藻類燃料は、環境に負荷を与えないバイオ燃料のひとつとして期待されている。穀物類を原料とする場合と比べ、食料生産を脅かす恐れのない点が大きな特長だ。「年に1度だけ収穫される穀物と違い、藻は7~12日ごと、つまり年間30~50回も収穫できる」と、ブレナン教授は強調する。大量培養で十分な供給量を確保することが、実用化に向けた課題だという。
また、生産された燃料を世界各地へ運搬すると、タンカーによる環境汚染が問題となる。これを避けるために、藻類は各空港の近海で培養する必要があるという。
ブレナン教授は一方で、藻類燃料を唯一の「特効薬」ととらえるべきではないとも話す。「航空燃料の問題にはさまざまな解決策が考えられる。ひとつの代替エネルギーに頼らないことが、持続可能な対策のカギだ」と、同教授は説明する。
モントリオールで今月初めに開催された国際民間航空機関(ICAO)総会では、各国政府や航空業界の代表者ら1500人が、航空機の燃費改善をはじめとする環境対策を協議した。「2050年までにCO2排出量半減」などの目標が掲げられているが、対応の遅れを指摘する声もあり、機体の低燃費化・軽量化やインフラ整備、排出量取引への参加検討に加えて、代替燃料への移行を急ぐべきの認識が強まっている。