知財業界で、BBS事件というと、並行輸入の話。
でも、年末なので、BBS社の倒産情報について、書いてみます。
「BBS」といえば、ドイツのホイールメーカで、一斉を風靡したブランドです。
そのBBS社は倒産したの?
2011年11月、BBS社が倒産しそうになると、小野グループは、BBS社を商標権ごと買収しました。
しかしながら、今年、2012年11月、小野グループの中核企業(ワシ興産と関連会社)は、会社更生法の適用を受けることになったようです。
負債総額は、関連3社で645億円(東京商工リサーチ)。
Yahoo ニュースを読むと、事業は継続されるようです。^__^;
事実上の倒産は、なにが原因で、どうすればよかったのでしょう?
ちょっと、考えてみました。。。
原因①
BBSブランドの人気の低下
BBS社の人気は、2004年以降の検索トレンドを見ると、本国のドイツではなく、中国に移っていたようです。
しかしながら、少なくとも、検索トレンドは、下降を続け、2011年には、2004年の20%まで低下していました。
ブランド商品は、一般には高額ですが、その理由を支える人気が低下すれば、高額だと販売は低迷しますね。。。
ブランド価値が無くなった分、価格を下げれば、ブランドではなくなりますかね。。。これは困りましたね。
原因②
自動車販売の低迷
中国における自動車販売台数の伸び率は、リーマンショック(2008年)以降の減税政策(補助金など)などの効果により、2009年には、大きく増加しましたが、2011年には、既にリーマンショック水準に戻っていました(内閣府資料「世界経済の潮流」)。
ちなみに、最近は、電気製品も、中国では売れ行きの増加が低迷しているようですね。。
2009年は、「短い成長期」だったんですね。。。
でも、BBS社を買収した時(2011年)には、既に、同社の売上高は2009年時の3割程度に、激減していたようです(46億円)。アグレッシブな買収というわけではなかったんですね。。。。
同社の倒産は、東日本震災や、タイの洪水が原因だと、各ニュースソースには、書いてありますが。。。本当でしょうか??
メルセデスAMG、フォース・インディア、ケーターハム、マルシャなどが納入先メーカだったようですし、この時期、ベンツ・BMWの業績は、良かったはずなので、東日本震災の影響は、薄いような気がしますね。
同社の別の不安要因の1つとしては、納入先の1つであるケーターハムは、ルノーと合弁会社を作ったので(2012年11月)、場合によっては、ホイールはルノーから買うというオプションもあるのかも知れませんね。。
原因③
粉飾決算
yahooニュースを読むと、会社更生法申立書には「小野グループは巧妙な方法を用い、多額の粉飾決算を行い、残高証明書、当座取引計算書まで偽造する悪質性の高い行為があった」と書かれています。そういえば、2012年12月にも、オリンパス株式会社が損失隠しに利用した会社(アルティス、NEWS CHEF)が108億円の負債総額で倒産しましたね(特別清算開始)。
会計処理は、「1円単位でピッタリとあう」なんてことはないのが普通だと思うので、多少の間違いはあると思いますが、悪質性の高い粉飾決算、もし私が担当者だったら、しないものでしょうかね。。。。 例えば、会社が傾いたときに、粉飾決算をして株価が維持されると、業績が回復して、会社が助かってしまう可能性がある一方で、市場で必要以上に悪評価を出されると、傾きだした船は、本当に沈んでしまう場合、、、、し、し、しないですよね。。^__^;
ちなみに、小野グループは、ドイツのブランドレンズ(カールツアイス)も取り扱っていたはずですが、こちらも41億円の負債を出して会社更生法の適用を受けてしまいましたね。
さて、ここまでの流れが、1年前に分かっていたとして、後づけでいいから、解決法が出せるでしょうか。。。
①魅力ある技術・商品開発
②継続的なブランド戦略・広告
③耐性の高い販売チャネル
④販売を確保する知的財産
⑤悪質性の高い行為をしない体質づくり
⑥人事採用と内部運営
一応、考慮の項目を挙げてみましたが、、、具体的な内容があるわけではなく、、、、
思いつきで、1つ挙げるとすると、優秀な中国系の若い人の採用を起点として、解決法を考えてみたりするのが良かったような気がしますね。。
以上、ちょっと、考えてみましたが、ちょっと考えただけで終わってしまいましたね。。
ごめんなさい。^____^/