四角い穴にゆっくりと色が塗られていく。
私は、パソコンにファイルをダウンロードするのを待つ時間が苦手だ。
時々これはアハ体験かっ!とツッコミを入れたくなる。
私は即効性を求めてしまう。
腕立て伏せをしたら1週間後には腕が細くなっていてほしいし、
新しく買った化粧水は、次の日には肌が綺麗になっているか気になるし、
朝急いでいるときは、せっかくの熱々の紅茶に氷を2つ入れて飲む。
そんなせっかちな私にピッタリなものが、世の中にも溢れている。
3分で出来上がるカップラーメン
好きな時好きな音楽がいつでも聞ける、タブレット一つで好きな映画が見放題のサブスク
パソコンと違ってボタン一つで立ち上がるタブレット
私が10代のときに比べると、生活までも変えるほどの便利さ。
この週末もサブスクで映画を見て、音楽を聞き、タブレットでこの文章も書いている。
というのも、ここ数日どこから湧いてくるか分からない孤独に襲われる時がある。
夜布団に入ったときや、お風呂のとき、家までの帰り道など、
一人になった時に、世界から孤立させられたような
そんな孤独
この心にぽっかりと空いたような穴を埋めようと
映画を見た。
音楽を聞いた。
お菓子を食べた。
その時は孤独を忘れられる。
映画に夢中になれるし、お音楽を聞くと頑張ろうとその時は思う。
だけど埋まらない。
何かが埋まらないのだ。
やっぱり早く築いたものは脆い
即効性はあっても持続性がないのでだ。
3分のカップラーメンも美味しいけれど、やっぱり時間をかけて作られた煮物の美味しさには勝てないし、
映画はお金をしっかりと払い、大きなスクリーンと音で見る映画館の方が感動する。
タブレットも便利だけど、USBが挿せてコマンドプロンプトもできるパソコンのスペックには敵わない。
だからこの孤独の穴も、
パソコンのダウンロードみたいに、
時間を掛ければゆっくり埋まって行くのだろうか。
ゆっくり埋めれば、少なくともこの意味なく生まれる孤独を感じなくなるだろうか。
現代に生きているから、どうしても即効性を求めてしまうけれど、
少しスピードを落として、手間を掛けて、
私の中の四角に色を塗っていこう。
まだまだおばあちゃんになるには時間がある。