こんな時刻に帰るなんて久々だな…
足を少しだけ引きずって歩いてるヒチョルに歩調を合わせながら、銀杏の並木道をゆっくりと進む。
「もうすぐ休みだけど…お前、毎日何すんの?」
「そんなの決まってる…休養だ」
「ハハ。お前らしいや」
夏休み…といっても、俺は部活や生徒会でほぼ毎日学校に通う生活だ。
何にも属さないヒチョルとはその間、全く顔を合わさない。
いつもこうやって休みの前になると、ポッカリと胸に穴が開いたような気分になる。
「ハンギョン…」
ヒチョルが何か言いかけた時、突然俺たちの前に女の子が飛び出してきた。
「ヒチョル、好きなの。付き合って」
おわっ、またかよ。
「………」
「ねぇ、返事は?」
黙ったままのヒチョルを見かねた俺は、
「ヒチョル、俺、門の向こうまで行ってるからさ」
そう告げると急いでその場から立ち去った。
ヒチョルはモテる。
おそらくこの学校の誰よりも。
キレイな顔をしている上に、あの掴みどころの無い性格が神秘的だと女子の間でいつも話題になってる。
この4年間、何度こーゆー現場に遭遇したことだろう…
いい加減、誰か一人を選んでしまえばいいのに…
「おいっ」
「おっ…どうだった?どう返事したんだ??」
「なんだよ、気になるのか?」
「そりゃ、当たり前だろ。親友が幸せになったかどうかなんて、みんな興味あるだろっ」
「はぁ…」
興味津々の俺を軽蔑するようなヒチョルの眼差し。
「…断わったよ」
「またかよ~、もったいないな。けっこう美人だったじゃないか」
「じゃあ、お前付き合えよっ」
「なんで俺になるわけ?お前のこと好きだって言ってるんだぞ」
突然ヒチョルは俺が抱えてた荷物をひったくるように奪い取ると、捻った足のことなんて忘れちまったのかスタスタと歩き始めた。
「おいっ、なんで怒るんだよ。俺はお前のことを思って…」
俺の事を無視したまま、勝手に前を歩くヒチョルの肩を掴んだ。
「好きだ」
掴んだ手を振り払うようにヒチョルは俺の方に向き直してそう言った。
「はぁ?」
「だから、お前が好きだっつってんだろ」
誰が?誰を?
………
ヒチョルが俺を??
うわぁぁぁぁぁぁぁ。
まぢで?
「おいっ、聞いてんのか」
聞いてるも何も、訳わかんなくて…
頭ん中ヒチョルの声がグルグル回って…
「…ハンギョン、返事は?」
「…返事?」
「俺が真剣に告ってんだから…返事しろよっ」
なんて言えばいいんだ。
今までに俺に告ってくれた女の子たちとは違う…
だって、今の今まで親友だって思ってたヤツ。
しかも…
男だ…
「おいっ、ハンギョン」
今度はヒチョルが俺の肩をしっかりと掴む。
「返事って…どうすればいいんだよ…俺、訳わかんね…」
「好きか、嫌いかってことだよ」
「…好きだよ。でもそれは友達としてで…そーゆー意味じゃない。俺はフツーの人間だから、ヒチョルをそういう風に好きなるなんて無いよ。絶対にありえない」
「…フツーってなんだよ…フツーって…」
悲しみ色の涙を浮かべたヒチョルをその時俺はどうすることもできなかった。
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足を少しだけ引きずって歩いてるヒチョルに歩調を合わせながら、銀杏の並木道をゆっくりと進む。
「もうすぐ休みだけど…お前、毎日何すんの?」
「そんなの決まってる…休養だ」
「ハハ。お前らしいや」
夏休み…といっても、俺は部活や生徒会でほぼ毎日学校に通う生活だ。
何にも属さないヒチョルとはその間、全く顔を合わさない。
いつもこうやって休みの前になると、ポッカリと胸に穴が開いたような気分になる。
「ハンギョン…」
ヒチョルが何か言いかけた時、突然俺たちの前に女の子が飛び出してきた。
「ヒチョル、好きなの。付き合って」
おわっ、またかよ。
「………」
「ねぇ、返事は?」
黙ったままのヒチョルを見かねた俺は、
「ヒチョル、俺、門の向こうまで行ってるからさ」
そう告げると急いでその場から立ち去った。
ヒチョルはモテる。
おそらくこの学校の誰よりも。
キレイな顔をしている上に、あの掴みどころの無い性格が神秘的だと女子の間でいつも話題になってる。
この4年間、何度こーゆー現場に遭遇したことだろう…
いい加減、誰か一人を選んでしまえばいいのに…
「おいっ」
「おっ…どうだった?どう返事したんだ??」
「なんだよ、気になるのか?」
「そりゃ、当たり前だろ。親友が幸せになったかどうかなんて、みんな興味あるだろっ」
「はぁ…」
興味津々の俺を軽蔑するようなヒチョルの眼差し。
「…断わったよ」
「またかよ~、もったいないな。けっこう美人だったじゃないか」
「じゃあ、お前付き合えよっ」
「なんで俺になるわけ?お前のこと好きだって言ってるんだぞ」
突然ヒチョルは俺が抱えてた荷物をひったくるように奪い取ると、捻った足のことなんて忘れちまったのかスタスタと歩き始めた。
「おいっ、なんで怒るんだよ。俺はお前のことを思って…」
俺の事を無視したまま、勝手に前を歩くヒチョルの肩を掴んだ。
「好きだ」
掴んだ手を振り払うようにヒチョルは俺の方に向き直してそう言った。
「はぁ?」
「だから、お前が好きだっつってんだろ」
誰が?誰を?
………
ヒチョルが俺を??
うわぁぁぁぁぁぁぁ。
まぢで?
「おいっ、聞いてんのか」
聞いてるも何も、訳わかんなくて…
頭ん中ヒチョルの声がグルグル回って…
「…ハンギョン、返事は?」
「…返事?」
「俺が真剣に告ってんだから…返事しろよっ」
なんて言えばいいんだ。
今までに俺に告ってくれた女の子たちとは違う…
だって、今の今まで親友だって思ってたヤツ。
しかも…
男だ…
「おいっ、ハンギョン」
今度はヒチョルが俺の肩をしっかりと掴む。
「返事って…どうすればいいんだよ…俺、訳わかんね…」
「好きか、嫌いかってことだよ」
「…好きだよ。でもそれは友達としてで…そーゆー意味じゃない。俺はフツーの人間だから、ヒチョルをそういう風に好きなるなんて無いよ。絶対にありえない」
「…フツーってなんだよ…フツーって…」
悲しみ色の涙を浮かべたヒチョルをその時俺はどうすることもできなかった。
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