題なし。。。7

　わぁ～振り出した。。。チキ、車に戻るよ。
　すごい雨だね。。。まるで嵐みたいね。。。通り雨だろうから、止むまで、しばらくここにいようね。。。
　せっかくいいお天気だから、ドライブに来たのにね。。。これじゃぁ台無しね。。。
　でも、流れる雨を見てるのなんて久しぶりね。。。
　雨の音しか聞こえない。。。別世界みたいだね。
　チキ、後ろに行くの？
　あんまり窓に近づくと怖いよ。。。雷も鳴ってることだし。。。
　チキ。。。？
  あれ？お隣の車にもワンコちゃんが乗ってるのね。。。
　どうしたの？あのワンコちゃんが気になるの？あのワンコちゃんもチキの事見てるね。チキとお友達になりたいのかもよ。。。？
　キャッ～～～！
　すごい雷。。。　チキ怖いからこっちにおいで。。。
　チキ？よっぽど気になるのね。。。雨が、上がったら、“こんにちは”って、あいさつすればいいじゃない。。。だから、こっちにおいで。。。
　もう～チキの薄情者～。。。
　　

　おっ、降りだした。
　すごい雨だな、丁度ドライブインがあるから、しばらく雨宿りするか。
　けど、この雨じゃ外に出られないな、車で雨宿りするか。
　ドライブもこれじゃ、台無しだな。
　おっ、すげぇ雷だ！
　キョト大丈夫か？お前、雷嫌いだもんな！
　おいキョト？
　下で震えてるのかと思ったら、お前そこで何してんだ？そんなに窓にへばりついて、何見てんだ？おい、キョト！
　ん？隣の車に犬が乗ってるのか？
　ははぁ～ん、又一目惚れか。お前は、気が多いヤツだな。この前も、とびだしてきた犬に一目惚れしていつまでも見てただろ？雨でよく見えないけど、可愛い子なのか？
　“雷もものともせずに一目惚れ”か。
　雨が上がったら、挨拶でもすっか？あはははは。。。
　おっ、上がってきたぞ。降りて休憩するか。
　おい！キョト！飛び出すな！

　「キョト！！このバカ！危ないじゃないか！」
　「すみません。うちの犬がリードもつけずに飛び出して」
　『キョトちゃんって言うんですか。。。うちのチキが、ずっと窓越しにキョトちゃんのこと見てたんで、降りたら、“こんにちは”って言おうねって言ってたんですよ』
　「雷が嫌いなキョトが、ずっと窓の外を見てたんで。。。キョト、チキちゃんが可愛いから見とれてたのか。会えて良かったな」
　『それにしてもすごい雨でしたね。せっかくいいお天気だからどこかへ行こうって出てきたのに。。。でも上がって良かった』
　「ほんとに。じゃぁ、キョト行こうか。なんだよ、そんな目でにらむなよ。解ったよ。。。あの～もし良かったらキョトとチキちゃんとお茶でもどうですか？」
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　題なし。。。第一章　End


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