幻覚で有名なのは統合失調症です。特に多いのが「幻聴」です。
「お前なんか無能だ、死ね」→自殺
「あいつはお前の命を狙っている。殺せ」→殺人
というふうに、陽性症状が顕著な場合、自傷他害の恐れがあります。このため、精神科には通常の任意入院に加え、医療保護入院(保護者+指定医1人の診断)や、指定医2名の診察により知事の命令で強制入院させる措置入院があります。統合失調症は早期に適切な治療をしたら仕事を含めた通常の生活ができる人が多いです。
ところで、自殺といえばうつ病が有名ですが、統合失調症も自殺が多い疾患です。
一方、幻視で有名なのはアルコール依存症です。小動物幻視と言って虫が部屋中、体中這いまわる幻視です。怖い…。
よく耳にするのは、認知症による幻視です。せん妄も加わっていると思いますが、これがなぜか赤ちゃんや子供の幻視が多いです(看護師の経験談)。他にも、大蛇が見えた、殺人鬼が見えたなど、物騒な幻視もあります。
なぜ疾患によって見える幻視が違うのか、同じ疾患だとそれぞれの人が似たような幻視をみるのはなぜか、たまに異なる幻視をみる人がいるのはなぜなのか…脳の世界は未知の領域ですね。