〝法は家庭に入らず〟における法とは、古典的な法概念であり、国家権力を行使する権力の
拠り所が法であることを意味しており、国家権力は法に基づいて執行するものであるため、権力行使のために家庭に介入すべきでない(不介入の自由)といった自由権的発想は、ローマに定着した法格言です。
国家権力の濫用から私人を守ることを目的としているため、市民社会は国家から分離され、市民の私生活として究極領域である家庭生活は、私人のプライバシー権の保護の見地から、国家権力から侵害されずに介入されない権利意識が芽生えた時代でもありました。
日本の場合、明治維新により変革期を迎えることになりました。合衆国との不平等条約改正のためには、永らくの律令制を見直し、国家体制と近代法典の編纂を進めることとなりました。
当時の日本政府は、フランス法学者(ボアソナード)を日本に招聘し、大陸法であるフランス法とドイツ法にならった民法及び刑法を制定したため、大陸法原点であるローマ法思想が日本法に根付いたのです。
このような日本の法律思想史的経緯があったため、家庭生活における規範制定権を戸主である〝家長〟に求める日本は、DV・虐待においても、なお〝法は家庭に入らず〟といったローマ法当時の発想により、家庭の外の市民社会から看過されたままであることは、家庭内の家長が自由にルール(法)を決めることができるといった危険思想が許容されるものであり、〝朕は国家なり〟といった当時の絶対王政的発想に逆戻りします。
その発想のため、これまで家庭内におけるもめごととして実社会から見過ごされていたようです。
日本は、昭和の敗戦によって合衆国主導による英米法の影響を受けて現憲法が制定されたため、大陸法と英米法といった対局する法律思想が混在する中で、日本は日本独自で日本法整備が進行している状態にあります。
刑法においては、家庭内における「配偶者、直系血族または同居の親族」において窃盗等の罪を犯した場合は、親族相盗例(刑法第244条1項)として特例規定が存することは〝法は家庭に入らず〟の影響によるものですが、20世紀初頭にDV防止法、児童虐待防止法、高齢者虐待防止法が制定されたところです。
後期近代のポストモダン時代における自己アイデンティティとは、自分で自分の姿を確認するだけでは無く、自分がいま向き合っている社会が、自分をどう受け入れてくれているのか、自分がどのような位置にいるのかということを認識することではないでしょうか。
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written by 行政書士藤井利仁
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