原子力発電所建設反対映画、
『祝(ほうり)の島』公開
6月19日より、28年間にわたり原子力発電所建設に反対を続ける島民たちの姿を追う
ドキュメンタリー映画『祝(ほうり)の島』が公開されることがわかった。
この映画の舞台は、瀬戸内海有数の漁場、周防灘と伊予灘の間に位置する山口県熊毛郡
上関町にある、周囲12キロメートル、面積7.67平方キロメートルの小さな島、
祝島(いわいしま)だ。
関西と九州の国東半島を結ぶ最短の航海上にあり、奈良時代から海上交通の要衝となる
寄港地であったこの島は、豊かな海への感謝をささげる神官の祝(ほうり)がいたとされ、
神霊の島と言われてきたという。その島の対岸4キロにあたる田ノ浦に、1982年から
原子力発電所建設計画が持ち上がり、祝島では住民の9割が反対を表明、28年を経た今も、
島をあげての原発建設反対運動を続けている。
本作が監督デビュー作となる纐纈あや監督は、2003年にこの島を訪れた際、
「なぜ、彼らは長い間反対運動を続けながらも、明るく暮らしていけるのだろう?」と
疑問を持ち、本作の制作を決めたそうだ。そして、空き家を借り、寝泊りをし、島民の
暮らしに寄り添った撮影を始めたという。
人口512人(2009年5月末現在)、その70%が65歳以上という深刻な高齢化、過疎化の
問題も抱える祝島。その島で、28年も巻き起こっている原子力発電所建設問題を、
現地の暮らしに密着してとらえた本作は、もう一度核について、わたしたちの暮らしに
ついて考える機会を与えてくれることだろう。
映画『祝(ほうり)の島』は6月19日よりポレポレ東中野(東京)、
横川シネマ(広島)にて公開
[シネマトゥデイ映画ニュース]
『祝の島(ほうりのしま)』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=fn2qN9kp204
公式HPはここから
祝島(いわいしま)の豊かな海を、その幸を、
護ろうとするひとびとの列を見たら、
涙がでました。
これはノスタルジーの涙ではないです。
決して喪われた風景を懐かしむ涙ではなくて、
護らなければならない、あり続けてほしいと思う、
こころの切れ端なんだと思います。
焼却炉や原発って、
とても自然の豊かで、
大都市から遠く離れたところに、
ひと目をしのぶような形で建設されていますよね。
稼動していますよね。
電気はそこから大都会にぐんぐん引っ張ってくる(なんたる言い方)、
原発を安定させるためにはフル稼働が望ましい、
それゆえに、もっとどんどん電気を消費させようとして、
エコキュートなるものの比率を高めようとしている・・
原発が100パーセント安全なものであるとするなら、
大都会で建設されるべきものなんじゃないかと、
素人の私だって思うのです、
そんなに電力を使わないに違いない祝島に暮らす人々が
遠く、見たことも無いネオンサイン瞬く、
やかましい照明の都会のために、
海を喪ってまで原発の建設を認めるわけがありませんよね。
でも、28年もの永きにわたっての運動には感動するし、
その運動をつぶさに見つめ、作品化なさった纐纈(こうけつ)ゆみ監督の
勇気と情熱に敬意を表します。
島のつつましやかで、同時に何物にも代えがたい、
豊かな暮らしは電力と天秤にかけて、
どちらに傾くか、いつも考えていたいですよね。
そして、電力に傾くというのなら、
自分の街に原発を建設する覚悟をもつべきなんだなと
自戒をこめて思います。