「精神分裂病」を今は「統合失調症」と言いますが、
自我が統合されていないという意味では、ほとんどの人が統合失調症であると考えます。
そのため、病名が改名された今でも、ここでは「精神分裂病」の名称を使うことをはじめに断っておきます。
精神分裂病に特徴的な症状に「思考伝播」があります。
これは、自分と他者を分ける自我境界、内的境界が共に壊れているため、
外からの情報が勝手に入ってきて、「秘密警察に狙われている」、「宇宙人が自分に話しかける」などと言います。
また、自分が語らなくても自分の考え・心が外に漏れ出てしまい、皆に自分の情報が全部知られていると思います(自己漏洩感、筒抜け感ともいう)。
この基は、母に自分の想いが伝わらなかった、言った通りに動いてくれなかったことです。
子供は自分の思っていることを母親に察してほしい、わかってほしいと思います。
それくらい、子供は母にいつも自分を見てほしい、関心を向けてほしいと思っています。
何故なら、自分は母が大好きで関心を待ち、一挙手一投足に注意しているのですから。
子供は健気です。
この子供が母に話しかけますが、母は忙しく自分のことを気にかけてくれません。
まともに聞いてくれなかったり、要求を受け入れてもくれません。
それどころか、母から一方的に命令指示され、言うことを聞かないと怒られたり、時には叩かれることさえある。
そこでもうこの母はだめだと諦める子供もいますが、
自分の想いを正確にどうしても母に伝えたい、わかってほしいという要求にかられる子供は、
自分のことを全部知って、わかってくれる理想的母を、現実の母とは別に精神内界で作り上げます。
そして母が汎化し、最後には他者が皆自分のことを知っているという幻想を持ってしまいます。
わかってくれなかった母を思うあまり、こういう病理まで至ってしまいます。
幻想の母は自分を全部わかっているはずだから、言わなくても自分の想い通りに動いてくれる、してくれるはず。
ところが実際には何も伝わらず、何もしてくれないので腹が立ちます。
全てのことには訳があり、これが「思考伝播」の原因、原点です。
周りの人たちにはこの分裂病者の心の内はわからなので、奇異な言動と捉え怯えます。
人が恐れるのは、その理由がわからないことです。
悪化し伝わらないと、「わかってほしい」ではなっく「知っている」になってしまう、これが「筒抜け感」です。
こうなると怖くてなかなか外に出られません。
そして事件が起こってしまいます。
自分がAさんを殺したいと思っているとします。
この殺意は筒抜けてAさんは知っていると思い込んみます。
Aさんは私の殺意を知っているので自分を殺しに来る。
殺される前に殺さなければ自分がやられてしまうとなり、殺人事件に至る。
分裂病者にとっては正当防衛ですが、もちろん社会では通用せず犯罪です。
母親が子育ての過程で子供を理解しようとしたなら、こういう悲劇は避けられました。
精神の構造を知らないと、その人を理解することは不可能です。
これは精神分裂病という精神の病のことですが、正常・異常に拘わらず
人を理解する方法が精神分析の理論にあります。
それはもう、生まれた瞬間から始まっています。
ライト.a精神科学研究所 登張豊実
(参考文献:LAFAERO1 大澤秀行 著「インテグレーター養成講座テキスト2 病理編」)
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