京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

今年は世間に合わせて自粛中?

2020-11-07 07:08:20 | 園芸・植物・自然環境
今日は立冬。まだもう少し秋を満喫したいという思いがありますが、暦の上ではもう冬なのですね。

今年は新型コロナウイルスの影響で秋のお祭りも軒並み中止や縮小されたものだったので、その代わりと言っては何ですが、ちょっと早いかなとも思いながら京都御苑に立ち寄った際に苑内の「バッタが原」に行って探してみると数少ないもののありました。何を見つけたかというと「御神輿」です。




というのは冗談で、ミコシグサ(神輿草)です。ゲンノショウコ(現の証拠)の分離果で、熟した細長い痩果がばね仕掛けのように跳ね上がり種子を飛ばした後の姿です。この姿が御神輿に似ていることからミコシグサ(神輿草)とも呼ばれます。個人的には、花や植物そのものは「ゲンノショウコ」と呼んでいますが、この痩果の弾けた姿に対してだけ「ミコシグサ」と呼び分けています。

ゲンノショウコは花後に5つほどの四分音符のような痩果が背中合わせでくっついた分離果ができ、若いときは緑色ですが熟すと褐色から黒色へと変わっていきます。




そして完全に熟すと、先述のように四分音符の棒の部分がばね仕掛けで上に跳ね上がるようにめくれて種子を飛ばします。ところで、種子はどこにあるのでしょうか。じつは四分音符の玉の部分です。ゲンノショウコの種子の拡散方法は、ちょうど投石機(カタパルト)で石を投擲するのと同じような方法と言えるでしょうか。




今年はゲンノショウコの花の咲き姿も少なかったような気がしますが、ミコシグサの姿も少ないような気がします。人間界では「Go to ……」と銘打った、経済活動の後援をするキャンペーンを利用した人の動きが目立つようになりましたが、人がたくさん集まる神事は自粛されているところが多いので、それに合わせたというわけではないよね。ひょっとしたら新型コロナウイルスの影響で除草の時期が例年と異なり、今年はゲンノショウコにとってはタイミングの悪い時期に刈り取られてしまったのかもしれません。

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