北野天満宮など、京都にある梅の名所では梅が咲き始め、見頃を迎えていますね。
皆さんが梅の花を観賞する際には、ざっくりと「紅梅」と「白梅」で見分けているかと思いますが、この紅梅と白梅、どこを基準にして判別しているか知っていますか?
紅梅(北野天満宮)
白梅(北野天満宮)
おそらく「花の色でしょ!」という声が聞こえてきそうですが、実は違うのです。梅の分類では、枝や幹を切ったときの断面(木質部)の色で紅梅と白梅を判別しています。
つまり、
・枝や幹の断面が赤いと紅梅
・枝や幹の断面が白いと白梅
と分類されます。
花の色は枝や幹の断面の色とほぼ一致しているのですが、数は少ないものの、枝や幹の断面が赤いのに花は白といった梅などもあります(その逆もあります)。
また、梅の分類は諸説ありますが、一般的に、梅は果実を食用にする『実梅』と花を観賞する『花梅』に分けられます。そして『花梅』は原種に近いとされる《野梅系》、野梅系から変化して枝や幹が赤く花も赤い《緋梅系》、アンズ(杏)との自然交雑種と考えられる《豊後系》に分類されます。
分類上「白梅」という呼称はなく、先ほどの判断基準ではこの中の《緋梅系》が「紅梅」として分類される梅です。
もう少し細かく分けた『性』という分類もあり、《野梅系》には「野梅性」「難波性」「紅筆性」「青軸性」が、《緋梅系》には「緋梅性」「紅梅性」「唐梅性」が、《豊後系》には「豊後性」「杏性」があるそうです。
これらをまとめて、花梅で一番よく知られている分類が『3系9性』になるかと思います。実梅を含めて、ざっと表にすると……
・実 梅 …実の採取を目的とする梅で、花梅に対する呼称
・花 梅 …花の観賞を目的とする梅で、3系9性では以下のように分類
1.野梅系(①野梅性/②難波性/③紅筆性/④青軸性) …野梅から変化した、原種に一番近い
2.緋梅系(⑤緋梅性/⑥紅梅性/⑦唐梅性) …材が赤くて、多くが赤い花を咲かす
3.豊後系(⑧豊後性/⑨杏性) …杏と交雑した、花や葉がやや大きい
と、こんな感じでしょうか。
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普段の梅の観賞においては「白梅」という呼称を用いて花の色で区別されて全く問題はないと思います(当倶楽部のブログ等でもこの区別で表記しています)が、園芸分野ではどこで判別しているかは知っておいてもよいのではないでしょうか。
雑学知識として知っていても話のネタになる、梅の判断基準のお話でした。
実は、意外なところで区別しているのです。それぞれの断面の写真があればよかったのですが、あいにく持ち合わせがなく申し訳ありません。
うさぎ様のおっしゃっている紅白に咲き分ける梅は「思いのまま」という品種だと思います。こちらは野梅系、いわゆる白梅に分類されるようです。
余談ながらこの「思いのまま」は、品種改良中に、こちらが思うように花を咲かせてくれず、梅のほうが「思いのまま」にさまざまな色の花を咲かせたことから名付けられたそうです。
京都の節分は、寺社ごとに特徴があるかもしれませんね。もし機会があれば、ぜひご覧にお越しください。
とても驚きました!
一本の木に紅白の梅が咲いているのをみかけることがあるのですが、とても綺麗なのですが、断面で判断するのかな(?_?)
深い世界なのですね!
節分の神社さまも、地元ならではの記事で、京都に行くことがあったらぜひたずねてみたいと思います!